DXへの取り組みに欠かせない6つのキーワードと変革実現のポイント - 株式会社STANDARD

DXへの取り組みに欠かせない6つのキーワードと変革実現のポイント

DX・AIプロジェクト推進

この記事の目次

  1. 日本企業のDX取組状況
  2. DX推進の取り組みをチェックする6つのキーワード
  3. DXを実現するためのポイント
  4. リテラシーの獲得がDXへの取り組みを組織に根付かせる

DX(デジタルトランスフォーメーション)で変革に取り組む企業が増えています。

一方で、DXにおいて具体的にどのような取り組みが「正解」なのかについては、一概にはいえません。そのため、自社のDXが適切な方向へ進んでいるのか、不安に感じている方も少なくないでしょう。DXでは、他社を含めた全体的な状況をふまえながら取り組みをチェックし、ポイントを押さえて推進していくことが大切です。

そこで本記事では、国内におけるDXの状況と、自社の取り組み状況をチェックする方法について説明していきます。

日本企業のDX取組状況

まずは、国内におけるDXの状況について確認しておきましょう。ここでは、以下の2つの視点から説明していきます。

– 新型コロナウイルスの拡大がDXへの取り組みを後押し
– 海外に比べて取り組みは遅れている

新型コロナウイルスの拡大がDXへの取り組みを後押し

株式会社電通デジタルは、2017年から「日本における企業のデジタルトランスフォーメーション調査」を毎年実施しています。

本調査によると、DXに着手している企業は2019年の時点では70%でしたが、2021年には81%となりました(11ポイント増加)。また、「新型コロナの影響により自社のDXへの重要度が高まった」と回答した企業は65%にものぼり、コロナ禍でDXの必要性を再認識した企業の多さが目立つ結果となっています。

一方で、自社が「変化する顧客の期待に応えられていない」と感じている企業も39.2%ありました。DXに取り組んだものの、ビジネスの変革にはつながっていない現状が伺えます。今のところ「守りのDX」が先行しており、「攻めのDX」への施策は思うように進んでいない企業が多いことを示す結果といえるでしょう。

「攻めのDX」と「守りのDX」については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

海外に比べて取り組みは遅れている

2022年9月に発表された「IMD(国際経営開発研究所)」の「世界のデジタル競争力ランキング」では、日本は63の国と地域のなかで過去最低の29位という結果になっています。なかでも、「デジタル・技術スキル」と「ビッグデータやデータ分析の活用」の評価項目においては、DXに欠かせない要素であるにもかかわらずとくに低評価でした。

この結果を受け、トレノケートホールディングス株式会社は「日本のデジタル競争力に関する調査」を実施しています。「日本が世界の他の国と比べてどの程度のレベルだと認識しているか」というアンケートに対し、「標準以上」との回答が「デジタル・技術スキル」で58.0%、「ビッグデータやデータ分析の活用」で49.7%を占めました。

これらの調査から、世界におけるDX取り組み状況の実態と国内での認識にズレが生じていることがわかります。

DX推進の取り組みをチェックする6つのキーワード

DX推進の取り組みをチェックする6つのキーワード

では、自社のDX取り組み状況を正しくチェックするには、どうすればよいでしょうか。

経済産業省が取りまとめる「DX推進指標」は、DXの推進状況を自己評価するための一つの方法です。しかし、これらの指標を正しく活用するには、なぜその指標が重要なのかを理解しておくことが前提となります。

そこで、ここでは自社のDX推進が適切かどうかをチェックするための6つのキーワードを取り上げます。

– キーワード1:経営層による「コミットメント」
– キーワード2:業務上の課題を明確にする「現状把握」
– キーワード3:施策を実行可能な「組織体制」
– キーワード4:データとシステムの「デジタル化」
– キーワード5:「全社最適」への取り組み
– キーワード6:組織的・継続的な「人材育成」

キーワード1:経営層による「コミットメント」

「社内での協力が得られず、DXが思うように進まない」というのは、DXの典型的な失敗パターンの一つです。これを回避するには、経営層による「コミットメント」が欠かせません。

DXに活力を与え、かつ正しい方向に導くには、経営層が変革への「本気」を示すことが大切です。具体的には、DXで実現すべきビジョンを明確にし、関係者に共有していきます。また、取り組みが進めやすくなる体制の構築など、経営層の決定がなければ実施できない施策の実現に向けて動くことも重要です。

DXにおいて経営層が果たすべき役割については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

キーワード2:業務上の課題を明確にする「現状把握」

組織を動かすには、なんらかの目標を掲げることが必要です。しかし、あまりにも現実から乖離した目標を設定した場合、達成することは難しくなるでしょう。そのため、自社がどのような課題を抱えているのか「現状把握」を十分に行ったうえで、解決をはかる姿勢が大切です。

このとき、組織のリアルな課題は、各種業務の現場にあることを意識しましょう。まずは、現場の声に耳を傾けて課題を抽出するのです。そのうえで、デジタル技術を用いてどのように解決できるのかを考えていきます。

多くの企業に共通する課題とその解決を目指すための目標設定については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

キーワード3:施策を実行可能な「組織体制」

DX推進に適した「組織体制」は、ただ1つ決まったものがあるわけではありません。DXのビジョンや社風などによって、企業ごとそれぞれの最適解があるためです。トップダウンの体制がフィットする企業もあれば、事業部ごとに推進部署を設置したいケースもあるでしょう。

どのような体制が自社に適しているかを見極めたうえで、全社一丸となってDXを推進できる組織を構築することが重要です。その際には、基本にできる代表的な4つの体制モデルについて、詳しく解説した記事があるので参考にしてください。

キーワード4:データとシステムの「デジタル化」

データとシステムの「デジタル化」

DXは、デジタル技術を活用した企業変革です。これを実現するには、活動の基盤となるITシステムの構築が欠かせません。このとき、「デジタル化」とは何かを理解しておくことが重要です。

例えば、紙(アナログ)の書類をデジタルによる管理に移行するだけでは、革新的な活動にはつながらないでしょう。デジタル化の本質は、これまでバラバラだったあらゆる情報がつながり、新たな価値を生み出していくことにあります。そのためには、物理的な隔たりがあっても、コンピュータとネットワークで情報をやり取りできるようにすることが大切です。

デジタル化の本質については、こちらの記事で詳しく説明しているのであわせて参考にしてください。

キーワード5:「全社最適」への取り組み

DXへの取り組みは、スモールスタートとする企業も多いでしょう。達成可能な、現場ごと個別の小さな改善活動からはじめるイメージです。

一方で、収益性の高いビジネスモデルの創出などより大きな成果につなげるには、個別の取り組みをまとめあげる必要があります。どこかのタイミングで、「全社最適」の状態に移行していかなければならないのです。そのための戦略性がDXの実現には重要です。

例えば、バラバラだった課題を集約できるようにリーダーを要所に配置したり、ITシステムを取り組みの基盤として全社的に利用できる状態を維持したりといった施策を進めます。

スモールスタートから全社最適までのステップについては、こちらの記事で詳しく説明しているのであわせて参考にしてください。

キーワード6:組織的・継続的な「人材育成」

DXへの取り組みを全社最適に向けて進めていくにつれて、より多く必要になってくるのがDXに関するリテラシーを備えた人材です。しかし、そうした人材は全国的にも不足しています。

つまり、DXで全社的な成果をあげるには、採用ばかりに頼らない「人材育成」の計画性が求められるということです。DX推進に貢献できる人材を、自社内で継続的に育成していく仕組みづくりが重要だといえます。どのような人材を、どのように育てていくかについては、こちらの記事で詳しく説明しているのであわせて参考にしてください。

DXを実現するためのポイント

DXを実現するためのポイント

ここでは、上述したようなDXへの取り組みを実現するために必要なポイントを整理しました。以下の3点について、それぞれ説明していきます。

– DXの必要性を理解する
– DXのメリットについて知る
– DXの内製化を目指す

DXの必要性を理解する

デジタル化とグローバル化が進む現代のビジネス環境は、変化のスピードが速いのが特徴です。企業が市場での競争力を維持・強化していくためには、デジタル技術を活用した変革が必須の課題だといえるでしょう。その必要性や重要性を十分に理解したうえで、DXに取り組むことが大切です。

また、DXはデジタル技術を導入すれば自動的に達成できるものではありません。企業変革は、「人」の活動によってのみ実現できます。そのため、継続的に人を育てられる体制の構築が求められるのです。

DXの必要性については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXのメリットについて知る

必要性の理解は、DXにおけるリテラシーの基礎ともいえます。これに加えて、どのデジタル技術によって何が可能になるのかを知ることも大切です。

デジタル技術に関するこうした基礎知識の獲得は、「DXで何を実現したいのか」というアイデアの抽出にも欠かせません。また、DXに具体的なメリットを見出し、取り組みを根付かせることにもつながるでしょう。なかでも、業務効率化や生産性向上は、多くの企業が享受できるDXのメリットです。

DXのメリットについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXの内製化を目指す

社内のITシステムも、DXへの取り組みを根付かせるための重要な要素です。さまざまな施策を組織的かつ継続的に進めるためには、全社的に利用できる一貫性と、ニーズにあわせて改変しやすい柔軟性を備えたシステムが求められます。

こうしたシステムは内製できるのが望ましいですが、開発を外注先に任せている企業も少なくありません。その場合は、コンサルティング会社やITベンダーと、システムの内製化を前提とした関係づくりを目指しましょう。

内製化に向けた関係づくりについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

リテラシーの獲得がDXへの取り組みを組織に根付かせる

ここまで、DXへの取り組みをチェックするためのキーワードと、DX実現に向けてのポイントについて説明してきました。なかでも基本となるのは、DXは「人」が推進するものだと理解することです。DX推進に貢献できる人材を、自社内で継続的に育成していくことが大切です。

弊社では、そのための人材育成にご活用いただける「DXリテラシー講座」をご提供しています。組織的にDXのリテラシーを獲得し、内製化を前提としたDX推進のための最初の土台をつくるために役立つ講座となっていますので、ぜひご検討ください。

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