DXエンジニアの不足を解消!人材が社内で育つ企業になるには? - 株式会社STANDARD

DXエンジニアの不足を解消!人材が社内で育つ企業になるには?

DX・AI人材育成

この記事の目次

  1. DXエンジニアとは?
  2. DXエンジニアに求められる役割
  3. DXエンジニアに必要なスキル
  4. DXエンジニアを育成できる企業になるには
  5. DXエンジニアは採用に頼らず育成していく計画を

IPA(情報処理推進機構)が2021年12月に発行した「IT人材白書2021」によると、日本企業の76%がDXを推進する人材について「大幅に不足している」または「やや不足している」と回答しています。国内企業において、「DXエンジニア」の人材不足が共通の課題になっている状況が伺えます。

しかし、DXエンジニアとはどのような人材なのかを明確にイメージできている企業は、それほど多くないかもしれません。

そこで本記事では、DXエンジニアに求められる役割や必要なスキルについて説明していきます。これらが明確になれば、社内教育により人材不足を解消する方法も見えてくるでしょう。

DXエンジニアとは?

「DXエンジニア」という用語には、明確な定義が存在するわけではありません。一般的には、「DX推進に必要なスキルを身につけたエンジニア」という意味だと理解すればよいでしょう。DXに関する、さまざまな職種の総称ともいえます。

「IT人材白書2021」を取りまとめているIPAは、DX推進に必要な職種として以下の7つを挙げています。

– プロダクトマネージャー
– ビジネスデザイナー
– テックリード(エンジニアリングマネージャー/アーキテクト)
– データサイエンティスト
– 先端技術エンジニア
– UI/UXデザイナー
– エンジニア/プログラマー

DXに関する活動は、こうした多様な職種の人材が互いに協力しながら、組織的に取り組むものだということがうかがえます。DXといえば「デジタル技術を活用するもの」というイメージが強いかもしれませんが、システムエンジニア(SE)ばかりが求められているわけではありません。

DXエンジニアに求められる役割

DXエンジニアに求められる役割

DXエンジニアの役割には、職種に応じて変わってくる部分が少なからずあります。ここでは、そのなかでも主要なものといえる、以下の3つの役割について説明していきます。

– DX企画の立案
– DXプロジェクトの推進
– DXに必要なITシステムの設計・開発

DX企画の立案

DXエンジニアに求められる1つ目の役割は、DXの企画を立案することです。

DXは、経営戦略を具体化するための取り組みのひとつだといえます。企業としてのミッションやビジョンに合致させるとともに、組織がもつ強みをビジネスに活かせる活動とすることが望ましいでしょう。

DX企画の立案とは、そのための課題を発見しデジタル技術による解決策を構築して、最終的にはビジネスの変革を実現できるようなアイデアを出すことです。ビジネスとデジタル技術の橋渡しのような役割だといえます。

DXと経営戦略の関係性については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXプロジェクトの推進

2つ目の役割は、DXプロジェクトの推進です。

DX企画の実現には、取り組みの基盤となるITシステムが欠かせません。企業のデータを1カ所に集約し、さまざまな角度からの分析を可能にするシステムのことです。そのようなシステムを構築するには、「DXプロジェクト」が必要になります。そのため、プロジェクトマネジメントもDXエンジニアに求められる重要な役割です。

DXのためのITシステムには、AIをはじめとする最新技術の導入が計画されることも少なくありません。プロジェクトマネージャーには、用いる技術に応じて適切な手法を選択する能力が求められるでしょう。プロジェクトの成功確率は、推進方法によって変わってくるためです。場合によっては、旧式のシステムからの刷新を決断すべきケースも考えられます。

DXに必要なITシステムの設計・開発

3つ目の役割は、技術者としてITシステムを設計・開発することです。

DXの推進には、その基盤となるITシステムを支える技術者の存在が欠かせません。DXプロジェクトに参画し、システムの構築に必要な設計と実装を担います。プロジェクトマネージャーのもとで、デジタル技術に関する専門性を発揮する役割だといえるでしょう。

DXでは最新技術が頻繁に用いられるため、技術者には常にニュースなどをチェックして、自らの知識をアップデートしていくことも求められます。ときには、これまでに経験のない技術について学び、プロジェクトに取り入れなければならないこともあるでしょう。

DXエンジニアに必要なスキル

DXエンジニアに必要なスキル

DXエンジニアとしての役割を果たすためには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。ここでは、代表的な以下の3つのスキルについて説明します。

– ビジネススキル
– マネジメントスキル
– システム開発とデータ分析のスキル

ビジネススキル

ビジネススキルとは、自社が行うビジネスの仕組みを理解したうえで、その変革につながるような課題を発見する能力のことです。また、デジタル技術の知識にもとづいて、それらの課題をどのように解決するか考案できる能力も含みます。とくにDX企画の立案において、欠かすことのできないスキルといえるでしょう。

DXエンジニアにとっては、単にビジネスの視点があればよいというのではなく、デジタル技術の知識もあわせもつことが大切なポイントです。少なくとも、どのテクノロジーを活用すればどのようなことが実現できるのかを把握しておかなければなりません。例えば、「AIを用いることで従来よりも高度なデータ分析が可能になる」のような、技術的な知識をビジネスに活かすための基礎知識が求められます。

マネジメントスキル

マネジメントスキルは、DXプロジェクトの推進に必要となるスキルです。基本となる部分は、一般的なプロジェクトマネジメントのスキルと大きく変わりません。プロジェクトチームの推進体制を整える能力や、その先頭に立ってメンバーを牽引していくリーダーシップ、ほかのプロジェクトや社外の関係者との調整や交渉を行うコミュニケーション能力などが求められます。

加えて、DXでは用いるデジタル技術に応じてマネジメント手法を選択できるかどうかも大切です。とくに、アジャイル型の手法について理解を深めておくことは重要でしょう。これは、プロジェクトを小刻みに改善しながら推進することで、不確実な部分が多くなりがちなDXへの取り組みを適切にコントロールしていくのに適した手法です。

アジャイルについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

システム開発とデータ分析のスキル

ITシステムの構築には、設計と開発のスキルが求められます。こちらもマネジメントスキルと同様で、基本となる部分は一般的なシステムエンジニアとしてのスキルと大きく変わりません。ただしDXでは最新のデジタル技術が頻繁に用いられるため、AIやビッグデータ、IoTやクラウドなどに関する知識が求められることが多いでしょう。

こうした最新技術をDXに導入する主な動機は、より高度なデータ活用にあります。そのため、DXエンジニアにはデータ分析に関する能力を身につけておくことも重要です。具体的には、機械学習や統計学的手法の知識、分析ツールを使いこなすスキルなどがあると望ましいでしょう。

DXエンジニアを育成できる企業になるには

DXエンジニアを育成できる企業になるには

ここからは、DXエンジニアを育成するために、企業として必要となる以下の3つの施策について説明します。

– DXは全社的な取り組みであると再認識する
– DXのための研修サービスを取り入れる
– リスキリングで組織の技術力を向上させる

DXは全社的な取り組みであると再認識する

DXは、さまざまな職種や役割を担うDXエンジニアによって、組織的に推進していくものです。そのため、組織内のすべての人から協力を得られれば、より実現性の高いものとなります。反対に、現場などから反発があると取り組みを継続すること自体が難しくなってしまいます。

DX実現のためには、「DXは全社的な取り組みである」という点を全員が認識している状態が望ましいといえるでしょう。これは、社内に「DXリテラシー」を根付かせるということです。誰もがDXの必要性を受け入れて、デジタル技術に関する基礎知識を獲得できるようにすることが大切です。

DXリテラシーについては、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXのための研修サービスを取り入れる

DXの必要性を認識し、具体的な取り組みを開始する企業は増え続けています。これから先は、DXエンジニアを外部から採用するのはますます難しくなっていくでしょう。

こうした現状をふまえれば、自社で人材を育成していくことが、今後のDXエンジニア不足を補うための一番の解決策だといえます。必要なスキルを社内で身につけられる環境を整え、DX未経験の人材も積極的に採用できるようにするのです。

とはいえ、ただでさえ不足傾向にある人材を社内教育に充てるのは簡単ではありません。必要に応じて、DXのための研修サービスを活用することも検討してみるとよいでしょう。

研修サービスの選び方については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

リスキリングで組織の技術力を向上させる

組織的なDX推進のためには、十分な「人数」と「質」のDXエンジニアを確保する必要があります。それには採用ばかりに頼らず、既存の従業員をDXエンジニアに育てていく施策も大切です。これは、「リスキリング」の環境を整えることを意味します。

リスキリングとは、「スキルを新たに獲得すること」です。もともとは技術職ではない人材も、リスキリングを通してスキルを身につければ、DXエンジニアと連携してDX推進に貢献できるようになるでしょう。

リスキリングのためには、身につけるべきスキルをどのように定義するかや、対象となる人材のスキルレベルを可視化する方法などが課題となります。また、具体的な学習計画の策定も必要な施策です。

DXのための人材育成計画については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXエンジニアは採用に頼らず育成していく計画を

DXエンジニアは、DX推進における多様な役割を担う人材です。DXに取り組む企業が増えて外部からの採用がますます難しくなりつつある現状をふまえれば、DXエンジニアの不足を解消するには、社内で人材を育成できる環境を整えていくのが効果的な施策だといえます。

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