DXリテラシーとは? | 誰に必要なのか、何を学ぶことなのか?徹底解説! - 株式会社STANDARD

DXリテラシーとは? | 誰に必要なのか、何を学ぶことなのか?徹底解説!

DX・AI人材育成

この記事の目次

  1. DXリテラシーとは
  2. なぜ企業にDXリテラシーが求められるのか
  3. DXリテラシーは全社員に求められている
  4. 個人のキャリアを考えた際にもデジタル技術に関する知識は有用である
  5. DXリテラシーを身につけるための学習のポイント
  6. まとめ:リテラシー教育がDXプロジェクトを成功に導くカギ

近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組み始める企業や自治体が増えてきています。その必要性に気づき、DXのロードマップに沿って企画を進める際に、最初の壁となるのが社員の意識醸成とリテラシー教育です。今回はDXリテラシーとは何なのか、なぜ全社員に必要なのかを解説していきます。

DXリテラシーとは

「リテラシー(literacy)」は、特定の分野に関する基礎知識やそれらを活用する能力を指す言葉です。「DXリテラシーがある」というのは、DXの基礎を正しく理解していると同時に、知識を活かして実践できるスキルもある状態だといえます。

まずは、DXリテラシーが「何であるか」と、「何ではないか」について明確にしておきましょう。

DXリテラシーの概要

DXリテラシーは、DXプロジェクトに関わるすべての人が身につけておくべき基本的なスキルセットです。具体的には、DXの推進や実現において求められる以下の3つの要素が挙げられます。

・「DXの必要性」を理解していること
・「DXの基礎知識」があること
・「DXのアイデア企画」を具体化できること

「DXの必要性」を理解するには、DXに取り組む意義や効果について知ることが大切です。他社の事例を参考にするとともに、「もし自社だけがDXに取り組まなかったらどうなるか」を考えてみるとよいでしょう。

「DXの基礎知識」では、現在のテクノロジーを駆使して「何がどこまでできるのか」を知っているかどうかが重要です。技術を知らなければ、DXを実行に移すことはできません。また、DXプロジェクトを「どのような流れで進めていくか」についても把握しておく必要があります。

「DXのアイデア企画」は、解決すべき具体的な課題から生まれます。DXで成果をあげるには、自社にとって価値のある課題を発見し、ビジネスに適用するための知識とスキルが必要です。

それぞれの詳細については、のちほど解説します。

ITリテラシーとの違い

「ITリテラシー」は、「DXリテラシー」と混同されることの多い言葉です。これら2つの間には深い関係がありますが、その意味には明確な違いがあります。

ITリテラシーとは、デジタル技術そのものに関する知識と、それらを活用するためのスキルセットのことです。例えば、通信デバイスやネットワーク、セキュリティなどを支えるテクノロジーについて理解し、応用する能力のことを指しています。業務にデジタル技術を導入(デジタル化)して効率化をはかりたい場合などに、ITリテラシーが必要になるでしょう。

これに対し、DXは組織全体の変容を目指す一連の活動です。DXリテラシーには組織やビジネスを変えていくための知識・スキルが含まれており、そのための手段の一つとしてデジタル技術が用いられます。

なぜ企業にDXリテラシーが求められるのか

企業がDXを推進し実現するためには、社内のDXリテラシーを向上させる取り組みが欠かせません。その理由は、先ほど挙げた「DXの必要性」「DXの基礎知識」「DXのアイデア企画」の3つの観点から考えると理解しやすいでしょう。ここでは、なぜ企業にDXリテラシーが求められるのかを順番に解説していきます。

DXの必要性を共通認識とし協力体制を構築するため

DX推進を担当する方からお聞きする一番のお悩みは、「現場や経営層の方々からの協力が得られない」ということです。DX推進を行う上では、様々な部署と連携をとって必要なデータを収集したり、そのための十分な予算をつけたりしていただくなど、ひとつの部署だけでは決して完結させることはできません。社内全体でDXの必要性に気づき、様々な部署の協力を得ながら全社的にプロジェクトを進めていく必要があるのです。

デジタル技術の基礎知識を社内の共通言語にするため

DXプロジェクトを推進しようと社内で協力を呼びかけても、実際に現在のデジタル技術でどこまでできるのか、どのようにビジネスに応用できるのかを知っている方はほとんどいません。しかし、デジタルに関する知識や話題を社内で共有していなければ、うまく議論が進まず時間だけが過ぎていってしまうといった結果に陥りかねません。DXに関する基礎知識を全社員が身につけ、知識を共有した上でプロジェクトを進めることで、スムーズな議論を展開することができます。

現場のリアルな課題をDXプロジェクトの企画に取り入れるため

DXプロジェクトの最初のステップとして、DXで解決できそうな課題を見つけることが重要です。しかし多くの場合、この課題を発見できずに終わってしまいます。原因の1つとして、実際の課題はプロジェクト推進をおこなうマネジメントサイドではなく、現場にあることが多い、といったことが考えられます。これを解決するためには、現場にいる社員もDXに関する知識を身につけ、どこからでも課題を発見しプロジェクト企画につなげられるようにする必要があります。

関連:DXはなぜ必要?来たるべきリスクに備えて見習いたい先行企業の特徴とは

DXリテラシーは全社員に求められている

DXプロジェクトを成功させるには、DXに関するリテラシーを全社員が身につけておく必要があります。これを考えるためにDXの定義に立ち返ってみましょう。

経産相が発表したDX推進ガイドラインによると、DXとは「デジタル技術を活用して顧客に付加価値を与えられる組織・文化を創り続けること」でした。顧客に対し付加価値を与えることは、組織やその構成員全体に求められている究極目的です。この目的を効率的・効果的に達成するための手段としてDXが存在するため、DXに関する知識を全社員が身につけておくことは顧客に対する付加価値の総和を増やすことにつながります。

また、そのような「組織・文化を創り続けること」とあります。これを達成するためには、個人ではなく会社全体でデジタル技術に対して親和性を上げようと変わっていく努力をする必要があります。

さらには、技術に関して知らないことは絶対に実行できません。プロジェクトの幅を広げていくためにもDXに関する知識をつけ、何がおこなわれているのか全社員が理解することで、より連携の図れたDX推進をおこなうことができます。

関連:DX人材に必要なスキルと社内育成の重要性について徹底解説!

個人のキャリアを考えた際にもデジタル技術に関する知識は有用である

個人のキャリアを考えた上でも、デジタル技術に関する知識をつけておくことは有用です。

昨今、デジタル技術に関する知識を持った人材は希少化しており、技術者を筆頭に高付加価値化しているという現状があります。さらに技術者のみならず、現場の人間やプロジェクトマネジャーなどのDXを推進していく人材にも知識が求められる時代であるため、どのような立場の方であっても個人の価値や希少性を高めることができます。ただ必要だからと言われ勉強するのではなく、インセンティブを持って勉強してもらうことは、全社員に徹底させる際に効果的に働くと考えられます。

DXリテラシーを身につけるための学習のポイント

DXリテラシーとは、「DXの必要性」「DXの基礎知識」「DXのアイデア企画」について理解することでした。これら3点について学べば、DXリテラシーはこれからでも身につけることが可能です。今後の学習のポイントとして、それぞれの要素が具体的に何を指しているのかを整理しておきましょう。

DXリテラシー1:DXの必要性

まず、「DXの必要性」を理解するとは、

1.DXの定義

2.DXに取り組まなかったときのリスク

3.実際の他社の取り組み

4.デジタル化で社会がどう変化するか

の4点を理解することです。現代社会の中でデジタルがどのように我々の生活に関わっているのか、実際に競合する周りの会社はどのようなことを進めているのか、これらを理解することで、DXが今必要とされている理由を理解することに繋がります。

DXリテラシー2:DXの基礎知識

次に「DXの基礎知識」は、デジタル技術に関する知識と、プロジェクト推進に関する知識の2つに分けられます。

デジタル技術に関する知識を理解するとは、

1.AI

2.画像

3.IoT

4.ドローン

5.RPA

6.ブロックチェーン

7.XR(VR,AR,MR)

8.5G

9.クラウドコンピューティング

10.量子コンピューティング

の10点を理解することです。必ずしもこれらの技術を全ての社員が実装できる必要はなく、それぞれの技術で何ができるのか、どのように活用することで価値を生み出していけるのかを最低限理解するだけでも効果的です。

プロジェクト推進に関する知識を理解するとは、

1.DXのロードマップ

2.プロジェクト企画

3.PoC

4.本開発・運用

の4点を理解することです。ここでは大まかにどのようにしてDXプロジェクトが進んでいくのかを理解する必要があります。これにより、現在自分はどこのフェーズにいるのか、今やっていることが次のフェーズでどのように生きてくるのかを理解しながら進めることができます。さらに協力を求められる側の社員も、相手が何をやっているのかを理解しながら連携を図り、全社的にプロジェクトを推進することができるようになります。

DXリテラシー3:DXのアイデア企画

最後に「DXのアイデア企画」を理解するとは、

1.失敗するプロジェクトの特徴

2.解決すべき価値のある課題の見つけ方

3.PoCの要件定義の仕方

の3点を理解することを示します。DXのアイデア企画とはプロジェクト推進の一部でありながら最も重要なフェーズになります。ここでどうすれば成功に導くことができるのか、プロジェクトにかけたコストに対して高いリターンの得られる課題を見つけられるかなど、質の部分を高めるために重要となるスキルです。

関連:AI実装検定とは?難易度や問題例、おすすめの対策本まで紹介

まとめ:リテラシー教育がDXプロジェクトを成功に導くカギ

DXは、顧客に高い付加価値を提供するとともに、企業としての優位性や競争力を強化・維持するための継続的な取り組みです。DXを成功に導くためには、全社員がDXに関するリテラシーを十分に身につけておくことが特に重要です。

本記事では、「DXリテラシーとは何か」について詳しく説明してきました。最後に、今回のポイントを以下の通りまとめておきます。

  • DXプロジェクトの最初の壁を乗り越えるカギになるのが、社員の意識醸成とリテラシー教育
  • DXリテラシーとはDXプロジェクトを推進する上で必要な知識
  • 「DXの必要性」「DXの基礎知識」「DXのアイデア企画」の3点を理解することが重要
  • DXリテラシーは全社員に求められている
  • 個人のキャリアを考えた際にもデジタル技術に関する知識は有用である

DXの実践につながる社内研修の導入をお考えの方へ

DX推進をするにあたり、社内のDXリテラシー教育は避けては通れない道です。

・人材育成はその効果が図りづらく、投資判断がしづらい

・講座を受講させたいが、対象者が忙しく勉強をする時間がとりづらい

などのお悩みを解決する、

受講開始から最短1日で受講完了でき、受講内容を踏まえたアウトプットが得られるDXリテラシー講座」をご用意しました。

DXリテラシー講座詳細につきましてはダウンロード資料よりご確認ください。

以下リンクよりフォーム入力ですぐにダウンロードいただけます。

リテラシー教育”から始める DXの内製化と成功事例
資料ダウンロードはこちら

また、弊社ではDX/AI人材育成ノウハウや各業界に特化したDX推進事例等をご紹介するセミナーを毎月2回以上開催しています。ぜひこちらも貴社のDX推進の一助にお役立てください。

DX入門編として本などの書籍だけでなく無料のDXセミナーも開催中

DXに関するお悩みや弊社へのご相談・
お問い合わせはお気軽にどうぞ
サービスの詳細資料を無料公開しています
30分で解説!デジタルスキル標準に完全準拠した個別教育型の人材育成