【DXの現状】日本企業がDXを加速させるために必要な目標設定とは - 株式会社STANDARD

【DXの現状】日本企業がDXを加速させるために必要な目標設定とは

DX・AIプロジェクト推進

この記事の目次

  1. 日本企業におけるDX推進の現状
  2. DXの共通課題1:理解不足
  3. DXの共通課題2:人材不足
  4. DXの共通課題3:レガシーシステム
  5. まとめ:現状把握と目標設定がDXを加速させる

DXの必要性を感じて何らかの取り組みを始めてみたものの、なかなか思うように進んでいないという企業も少なくないでしょう。その背景には、日本特有の事情があるのも事実です。

そこで本記事では、世界と比較した日本企業のDX推進の現状を踏まえつつ、DXへの取り組みを加速させるために求められる共通課題について解説します。また、その対策としてどのような目標を設定すべきかについても紹介していきます。

日本企業におけるDX推進の現状

昨今では、デジタル技術の発展により国の垣根が取り払われつつあります。企業のDX実現には、グローバルな視点がますます重要となってくるでしょう。

まずは、世界のデータと比較しながら、日本企業におけるDX推進状況を説明していきます。

世界との比較

スイスに拠点を置くビジネススクール「IMD(国際経営開発研究所)」は、2022年6月に「世界のデジタル競争力ランキング」を発表しました。このランキングによると、63の国と地域のなかで日本は34位で、前年の31位より3つランクダウンして過去最低の順位でした。

同ランキングは、「インフラ」「経済パフォーマンス」「政府の効率性」「ビジネスの効率性」の4つのメインファクターで順位付けを行っています。なかでも「ビジネスの効率性」においては、日本の順位は51位でとくに評価が低くなっています。

さらに評価項目の細目に注目してみると、「生産性・効率性」は57位、「経営慣行」は63位、「態度や価値観」は58位といずれも低評価です。

国内ではDXが大きな話題となっているものの、世界から見るとまだまだ出遅れている現状がうかがえます。

米国との比較

先の「世界のデジタル競争力ランキング」において、米国はつねにトップ10に入り続けている国の一つです。IPA(情報処理推進機構)がIT社会の動向を調査・分析した結果をまとめ、2021年10月に発刊した「DX白書2021」においても、米国と日本との違いが明らかになっています。

本紙によると、何らかの形でDXに取り組んでいる企業の割合は、日本では55.8%なのに対し米国では79.2%でした。また、「取組んでいない」と答えた企業の割合は、日本が33.9%であるのに対し米国は14.1%という結果になっています。日米のDXへの取り組み状況には、大きな差があることがわかるでしょう。

さらに、業種別にみると製造業での差がとくに顕著で、全社的にDXに取り組んでいる日本企業は米国の半分以下にとどまっています。

DXを実現した未来に向けて目標設定を

上述のように、日本のDX推進は世界のなかで遅れをとっています。こうした現状のなか、「日本全体でDXが遅れているのだから、慌てなくても問題ないだろう」と考えるのはリスクがあります。デジタル活用で競争力を増した海外の企業が、いつ国内市場に進出してきてもおかしくないためです。

DXを加速させるには、日本特有の阻害要因について理解するとともに、DX実現後の未来をイメージして具体的な目標を定めることが大切です。このあとは、多くの日本企業に共通する以下の課題における「阻害要因」と、その対策として必要な「目標設定」についてそれぞれ取り上げていきます。

– DXの共通課題1:理解不足
– DXの共通課題2:人材不足
– DXの共通課題3:レガシーシステム

DXの共通課題1:理解不足

DXの共通課題1:理解不足

組織としてまず認識すべきDXの共通課題は、DXそのものへの理解不足です。

阻害要因:DXのメリットが曖昧で進め方がわからない

日本企業の多くがDXへの取り組みを始めているものの、その実態は業務改善や効率化を目的とした「守りのDX」の施策を中心としています。DXの本質である「ビジネスモデルの変革」をともなうような「攻めのDX」には、まだまだ至っていません。

その背景には、「DXとはデジタル技術で目の前の業務を効率化することだ」という誤った認識があります。そのため大きな収益向上につながるような十分なメリットを見出せず、施策としても具体化されないまま足踏みしている企業も少なくないのが現状です。

目標設定:まずはDXリテラシーの獲得を目指す

DXの本来の目的は、「新たな提供価値で市場での競争力を強化すること」にあります。その実現には、DXそのものへの正しい理解とデジタル活用のスキルを、組織全体に浸透させることが欠かせません。

具体的には、DXに関わるすべての人が「DXリテラシー」の獲得を目指すことが望ましいでしょう。これにより、「攻めのDX」を視野に入れた取り組みが可能になります。

「攻めのDX」を推進するポイントについては、こちらの記事でも詳しく紹介していますのであわせて参考にしてください。

DXの共通課題2:人材不足

DX人材の不足は、ほとんどの日本企業に共通する悩みです。

阻害要因:DX人材の採用が思ったほど進まない

DXが進まない理由として、「人材不足」を一番に挙げる企業は少なくありません。総務省の「情報通信白書(令和3年版)」によると、人材不足が課題だとしている日本企業は53.1%にもおよびます。

また、同資料によれば国内のデジタル人材の7割以上はICT企業に集中しています。これは、社外に技術者を求めても、なかなか確保できない状況があるということです。もし技術者をある程度確保できたとしても、本格的なDX推進には至らないことも多いでしょう。DXを全社的な取り組みにするには、より多くの人材が必要となるためです。

目標設定:社内でDX人材を育て続けられる体制を目指す

人材不足を根本から解消するには、社内で人材を育成していく必要があります。1度限りの研修を開催して終わるのではなく、継続的にDX人材を生み出せる環境を目指すということです。

「教えられる人材がいないから人材不足に困っている」という企業もあるかもしれません。その場合は、ニーズに合う外部の研修や講座などを活用する方法も検討してみましょう。

DX人材を生み出す社内研修に必要な条件については、こちらの記事でも詳しく紹介していますのであわせて参考にしてください。

DXの共通課題3:レガシーシステム

DXの共通課題3:レガシーシステム

いざDXに取り組もうとしたときに、ITシステムの問題が噴出するケースも少なくありません。

阻害要因:ITシステムのコストが高すぎてDXに踏み切れない

経済産業省の「DXレポート」によると、国内の約7割の企業が「レガシーシステムがDXの足かせ」になっていると感じています。

長い時間をかけて老朽化・ブラックボックス化してしまったITシステムは、DXのための改修が困難だったり、たとえ可能でも大変なコストを要したりしてしまうのです。外部のICT企業にシステム開発を外注しているケースが多いことも、DX推進のハードルを上げる要因のひとつとなっています。

目標設定:DXに対応できる内製ITシステムの構築を目指す

DXには、柔軟にコントロールできるITシステムが欠かせません。レガシーシステムから脱却するために、システム開発の内製化に向けて舵を切る必要があります。

これは人材とコストを投入しなければならない施策ですが、そのまま放置すれば、2025年までにはより大きな損失が出るといわれています。裏を返せば、早期に内製化の実現に取り組むほど、市場での競争力強化につながるDXのメリットを享受できる可能性が高まるということです。

DXに取り組まない企業が抱えるリスクと、取り組むことによる効果については、こちらの記事でも詳しく紹介していますのであわせて参考にしてください。

まとめ:現状把握と目標設定がDXを加速させる

国内のDXが世界から遅れをとっている現状と、その背後にある日本特有の要因について説明してきました。DXへの取り組みを加速させるには、DXが実現した未来をイメージして目標を定めることが大切です。

このとき、特に重要となるのは人材の力です。組織が一丸となってDXを推進できるようにするためには、DXそのものへの正しい理解とデジタル活用のスキルを、組織全体に浸透させる必要があります。弊社では、そのためにご利用いただける「DXリテラシー講座」を提供していますので、ぜひお役立てください。

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