DX推進におけるデータ活用の必要性と日本企業の課題を解決する方法とは - 株式会社STANDARD

DX推進におけるデータ活用の必要性と日本企業の課題を解決する方法とは

DX・AIプロジェクト推進

この記事の目次

  1. DX推進の目的とデータ活用の必要性
  2. DX推進に活用できるデータの種類
  3. DXにおけるデータ活用の課題と解決方法
  4. 継続的なデータ分析がDXを前進させる

DXを推進するうえで、データ活用は欠かせない要素のひとつです。しかし、具体的に何をすればよいのかや、どのような効果が得られるのかについては、よくわかっていないという方も少なくないでしょう。データを活用するには、まずはDXとデータ活用の関係性について理解することが大切です。

そこで本記事では、DXとデータ活用の関係性に加え、活用できるデータの種類や日本企業が突き当たることの多い課題の解決方法などについて説明していきます。

DX推進の目的とデータ活用の必要性

まずはDXとデータ活用の関係性に触れながら、「DXにはデータ活用が欠かせない」といわれる理由について説明していきます。

– DXの目的と手段
– DXにおけるデータ活用の必要性

DXの目的と手段

データ活用の必要性を理解するには、そもそもDXが企業にとってどのような意味をもつのかを知ることが大切です。日本においては、経済産業省が発行した「DX推進ガイドライン」による、次の定義が代表的でしょう。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

これを整理すると、以下のようなことがわかります。

– DXの目的は、市場における優位性を確立することにある
– そのための手段として、データとデジタル技術を活用する

このように、DXとデータ活用は関連の強いものですが、両者には「目的」と「手段」という明確な違いがあることがわかります。

DXの定義の詳細については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXにおけるデータ活用の必要性

DXの定義に沿って考えれば、データを活用しない取り組みは厳密にはDXとはいえないでしょう。しかし、ここで重要となるのは「なぜDXにはデータ活用が必須とされるのか」という点です。

デジタル化の流れをうけて、近年のビジネス環境は変化の激しいものとなりました。企業が市場での優位性を確立するには、これまで以上に競争力を発揮していかなければならない状況です。それには、勘や経験ばかりに頼らないビジネス判断が求められます。

データによる裏付けがあれば、市場の変化に的確かつタイムリーに適応できる可能性が高まります。そのために、DXではデータ活用が欠かせない要素なのです。

DX推進に活用できるデータの種類

DX推進に活用できるデータの種類

DXにおいて、活用できるデータの種類はさまざまです。ここでは、それらをわかりやすく「社内」と「社外」のデータに分けて整理していきます。

– 自社の業務を理解するための「社内データ」
– トレンドやリスクを把握するための「社外データ」

なお、DXにおけるデータ活用の事例はビッグデータに関するものが中心です。詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。

自社の業務状況や顧客情報を理解するための「社内データ」

企業活動では、日々さまざまなデータが生まれ社内に蓄積されていきます。例えば、以下のようなデータが代表的です。

– 業務プロセスや社内システムの運用データ
– サポートセンターに蓄積された顧客データ
– 日報や各種報告書、など

なかにはまだ収集できていないものや、デジタル化されていない情報もあるかもしれません。それらも含めてデータを収集・分析し活用できる体制を整えれば、データから課題が浮き彫りになり業務改善に役立つでしょう。

トレンドやリスクを把握するための「社外データ」

「市場における優位性の確立」というDXの目的を考えれば、社外から収集した情報も重要であることがわかります。例えば、以下のようなデータです。

– 市場調査やアンケートで集めたデータ
– SNSで公にやりとりされているデータ
– 公共機関や業界団体が取りまとめているオープンデータ

これらを分析してトレンドを把握することは、新たなビジネスチャンスの獲得という成果につながります。また、状況の変化からリスクを察知して、早期に対応するためにも役立ちます。このように社外データを積極的に活用していけば、「攻めのDX」を実現するための具体的な施策も見えてくるでしょう。

「攻めのDX」については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

DXにおけるデータ活用の課題と解決方法

DXにおけるデータ活用の課題と解決方法

企業がデータ活用を本格化する際には、直面することの多い課題があります。ここからは、それらの解決方法について説明していきます。

– データを一元管理できる基盤システムを構築する
– データの価値を高めるデジタル技術を獲得する
– データ分析のリアルタイム性を高める
– データにもとづいた変化を積み重ねる

データを一元管理できる基盤システムを構築する

さまざまなデータを一元化することは、「データドリブン型経営」の第一歩です。社内に散らばるデータを収集して一元管理の体制を整え、全社的に共有できるようにします。

それには、例えば次のような課題が考えられます。

– 部門ごとに異なる業務フローやデータフォーマットをどう統合するか
– 社外ベンダーに任せきりだった開発のノウハウをどう獲得するか

これらの課題を解決するには、関係各所との対話と協働にもとづく、データ活用を前提とした基盤システムの構築が必要です。

データドリブン型経営については、こちらの記事もあわせて参考にしてください。

データの価値を高めるデジタル技術を獲得する

的確なビジネス判断のためには、データを価値あるものにできるかどうかが課題でしょう。

これを解決するのは、「データ分析」の技術です。適切な分析技術を用いれば、一見すると解釈が難しいデータからでも新たな知見を導き出すことが可能になります。

一方で、インターネットの発展やIoT機器の普及などを背景に、現代のデータは収集すると膨大な量になるケースが多くなったのも事実です。こうした状況に対応するため、ビッグデータであっても素早く分析が可能なAI技術を取り入れる企業が増えてきました。

このように、DXでは新たなデジタル技術の獲得がポイントとなることが少なくありません。先の定義で説明したように、DXの手段として「データとデジタル技術の活用」が必要になるのです。

データ分析のリアルタイム性を高める

現実のビジネス判断は、タイムリーでなければなりません。データ分析に時間がかかり、判断を下すころには市場の状況が変わっているというのでは問題があるでしょう。これは、分析のリアルタイム性が課題だということです。

データ分析のリアルタイム性を高めるには、データの可視化が基本となります。最新のデータを参照でき、それらを継続的に利用できる状態が求められるということです。これらは、データを一元管理するための基盤システムを構築する際に考慮すべき条件だといえるでしょう。データの可視化が実現できれば、的確かつタイムリーなビジネス判断も可能になります。

データにもとづいた変化を積み重ねる

タイムリーなビジネス判断の重要性から、データ活用は一過性の取り組みで終わるべきものではないことがわかるでしょう。データにもとづいてビジネスを変化させていく取り組みを、いかにして継続させるかが課題となるのです。

一方で、失敗を恐れるあまり消極的な判断を繰り返してきた企業もあるかもしれません。例えば、「新規プロジェクトは成功する保証がなければ実行しない」、「早期に成果を出せなかったプロジェクトは中止する」といった判断です。

こうした状況から抜け出すためにも、継続的なデータ分析が重要だといえます。DXプロジェクトは、データにもとづいた軌道修正を小刻みに積み重ねることでリスクを最小限に抑え、成功確率を高められるためです。

継続的なデータ分析がDXを前進させる

データ分析は、DX推進に必須の要素です。企業がDX本来の目的を達成するためには、継続的なデータ分析が重要となります。本記事ではデータ活用における課題と解決方法について説明してきましたが、現実の課題は企業ごとの事業内容やビジネス環境によっても変わるものです。また、デジタル技術やデータをビジネスに活用するアイデアを出すには、DXリテラシーをもつ人材が欠かせません。

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