DXの内製化はなぜ必要?注目される背景と内製化を成功に導く秘訣をご紹介 - 株式会社STANDARD

DXの内製化はなぜ必要?注目される背景と内製化を成功に導く秘訣をご紹介

DX・AI人材育成

この記事の目次

  1. DXの内製化とは?
  2. DXを成功させる上で「内製化」が必要な3つの理由
  3. DX内製化を成功させる3つのポイント
  4. 内製化のファーストステップは全社的なDXリテラシーの向上から

社内にDXを力強く進める人材がいない場合、企業はどうやって自社DXを計画すべきなのでしょうか。今回は昨今注目を集めている「DXの内製化」を解説し、内製化に向けてどのような課題をクリアしていく必要があるのかを紹介していきます。

DXの内製化とは?

DXの内製化とは、自社のDXプロジェクトに関わる様々な施策を外注することなく、社内のリソースで対応することを指します。DXの内製化は具体的に以下の3つの事柄を意図しています。

  • システム、サービスの内製化
  • 推進体制の主導権を自社が握る
  • DX人材を社員育成によって生み出すサイクルの構築

とりわけ根深い問題と認識されているのが「システム、サービスの内製化」です。自社の基幹システムの構築・運用を外部のベンダー企業に丸投げしている現状から、徐々にそのウエイトを自社のIT人材で担えるように調整することで、DX時代に重要な「機敏性」や「柔軟性」を獲得できるようになります。後述するように、ベンダー企業の開発した独自技術に自社のシステムが大きく依存している場合、DX推進過程における様々なシステム・サービスの導入、連携がスムーズに進まない事象が出てきます。またシステム移行においても、移行先の環境でクラウドを選択した場合、「移行先の環境で自由なカスタマイズができない」といった理由でスムーズに移行できない場合も多く、結果的に特定ベンダーへの依存度を下げられない状況が続くことがあります。

DXの内製化では、まず「推進体制の主導権を自社が握る」ことをスタート地点にしなければなりません。DXプロジェクトの舵取りを自社で行う意思と方針を固め、「どのようにシステム・サービスを内製化するか」を計画・実行していく必要があります。そして内製化の動きを「人材育成のサイクル」に落とし込むための体制構築がポイントとなります。

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DXを成功させる上で「内製化」が必要な3つの理由

DXを成功させる上でなぜ「内製化が必要」とされているのでしょうか。主な理由には以下の3つがあります。

  • DXの本質が「企業文化の変革」にあるため
  • ベンダーロックイン状態では市場環境の変化に対応できない
  • 全社的なDXリテラシー向上に内製化が欠かせない

それぞれ詳しく解説していきます。

DXの本質が「企業文化の変革」にあるため

2018年9月に経済産業省からDXレポートが発表され、日本企業のデジタル変革の必要性が一気に広まりました。しかし2年後の2020年12月に発表されたDXレポート2では、企業のDXの取り組みが「推進組」と「非推進or未着手組」の二極化構造で進んでいる実態が浮き彫りとなり、DXの本質的な課題とは何か、そして企業はどのような方法・戦略で変革を行っていく必要があるのか、がレポートの中心部分を占めています(DX推進指標自己診断シートの提出が約500社あり、その約9割が非推進・未着手と回答している)。

この一連のDXレポートからは、多くの日本企業に「DXの取り組みの重要性は理解できたけど実際どのように進めたらいいか分からない」「DXを継続的な施策として推進したいが戦略やノウハウがなく散発的な施策に終わっている」といった課題があることが分かりました。一方でDX推進を力強く進めている企業は、新型コロナウイルス感染症蔓延にともなう緊急事態宣言を受けて、テレワークの導入・推進を図ったり(2020年3~4月)、その後も押印、客先常駐、対面販売といった企業文化の継続的な変革に踏み切ったりしたことが競合に差をつける要因になったと分析されています。

DXの取り組みは今後も試行錯誤されていきますが、市場環境の変化に企業文化を柔軟に対応させられる企業がDX時代を生き残っていくことでしょう。そして企業文化の変革は経営層のコミットメントによって実現することも忘れてはいけません。

ベンダーロックイン状態では市場環境の変化に対応できない

ベンダーロックインとは、自社基幹システムの設計・開発・保守運用等を長いスパンでベンダー企業と契約している状態を指します。DX時代が到来する前までは特段問題となる事象ではありませんでしたが、顧客データ活用や、最新技術(AI等)を用いた業務効率化などの各DX施策において、ベンダーロックイン状態が推進の足かせとなっています。具体的な例には「メーカー独自の技術を使用しているため自由にデータが取り出せない」「DXに必要な顧客データがそもそも蓄積されていない」といったものがあります。こうした状況を打破するために、ユーザー企業は様々なシステム・サービスを使って顧客データの収集や蓄積、活用を図りますが、「基幹システムとの互換性や連携のしやすさ」といった部分で課題が残ってしまいます。

こうしたベンダーロックインの現状を変えるには、ユーザー企業とベンダー企業の関係性を改める所からスタートする必要があります。双方が急速な市場環境の変化を直視し、それぞれが市場で新たな価値を提供できるよう戦略設計を行い、相互依存関係を徐々に解消していくことがポイントとなるのです。今後企業には市場環境の変化に対応すべく、自社で舵取りがしやすい内製を前提とした様々なアジャイル開発が必要とされます。ユーザー企業は開発するシステム・サービスが技術的負債となるリスクを十分に試算し、ベンダー企業の助けも借りながら取り組みを進めていく必要があるでしょう。

全社的なDXリテラシーの向上に内製化が欠かせない

DXの本質が「企業文化の変革」にあることは先述しましたが、こうした事実を自分事として捉えるには全社的なDXリテラシーの向上が必要不可欠です。とはいえ大規模な企業ほど部署・部門は多岐にわたり、全社的な取り組みを進めるのは困難になってきます。そこでまずは少人数のDX推進チームを作成し、DXの主導権を自社が握ることを前提とした戦略設計を行っていきます。次にDXの内製化を実現するために、ベンダー企業と「新しい価値の共創」をテーマにした話し合いを行います。ベンダー企業との話し合いでは、変化する市場環境に対応するために「DXの内製化の必要性」について、自社の意見・立場を伝えることがポイントです。こうした取り組みの中で、自社でDXの舵取りを行う意思を固め、内製化のサイクルを生み出すファーストステップとして「全社的なDXリテラシーの向上を意図した研修・ワークショップ」を実施します。企業文化の変革は経営層のコミットメントと、社員1人ひとりの意識変革が欠かせないため、DXの内製化に向けた具体的なアクションが必要とされます。

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DX内製化を成功させる3つのポイント

DXの内製化を成功させるポイントを整理すると以下の3つが挙げられます。

  • 経営層のコミットメント
  • ベンダーとの共創関係の構築
  • DX人材の確保・育成

DXの内製化を図るにはDXプロジェクトの核を担うシステム・サービスの開発、保守運用を自社で行う必要があります。したがってユーザー企業はベンダー企業との共創関係の構築に踏み切る必要があり、そこには経営層のコミットメントが欠かせません。またDX内製化の取り組みを継続的に進めていくには、社内でDX人材が育つ環境を構築することがポイントです。DX人材は引く手あまたのため、自社のIT人材をDX人材に育てる方向性で様々な施策を検討する必要があります。

内製化のファーストステップは全社的なDXリテラシーの向上から

経営層がDX内製化の重要性を知り、ベンダーとの共創関係の構築に踏み切る意思を固めたら、自社DXのファーストステップ(全社的なDXリテラシーの向上)を検討しましょう。弊社ではDX内製化を進める企業さまに対し、全社的なDXリテラシー向上を目的とした「DXリテラシー講座」を提供しております。自社DXの事業アイデアの解像度を上げる機会となりますので、こちらからカリキュラム等を確認いただけますと幸いです。

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