今さら聞けないDX推進ガイドラインの要点をわかりやすく解説! - 株式会社STANDARD
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今さら聞けないDX推進ガイドラインの要点をわかりやすく解説!

目次

自社DXをどのように推進すべきか悩まれているDX推進担当者も多いことでしょう。そこで今回はDXの進め方、仕組みの構築方法を取りまとめた「DX推進ガイドライン」の要点をご紹介します。その他DXを進める上で知っておきたい基本知識もまとめましたので、参考にしていただけますと幸いです。

DX推進ガイドラインとは?

DX推進ガイドラインとは、経済産業省がまとめたDX推進に関するガイドラインのことで、DX推進のための経営の在り方、仕組みの構築・改革手順、DX実現に向けたITシステムの構築・実行プロセス等が記載されています。

様々な業界・分野でデジタル技術を利用した新しいビジネスモデルが展開されており、従来の商習慣・ビジネスモデルを展開する企業は競争力維持・強化が難しくなってきています。そうした全業界的なビジネスモデルの変化に対応すべく、企業はDXの必要性に迫られていますが、「どこからどう手をつければ良いか分からない」「DXに投じるべき予算が判断できない」といった課題を感じているのが実態です。

また「自社DXをとりあえず進めてみたが散発的な施策に終始している」といった問題も発生しており、本来のDXの目的から外れた施策を展開してしまう企業も少なくありません。このようなDX推進の実態を鑑みると、DXの進め方や必要なアクションに対する共通認識を記載したDXガイドラインを自社DXの参考にするのは大切であり、またDXガイドラインを起点とした自社DXを再考していくことが重要であるといえるでしょう。

DX推進ガイドラインが策定された背景

DXガイドラインが作られた背景に、経済産業省が2018年5月に設置した「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」があります。その年の9月には『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』が報告書として取りまとめられ、報告書内で「DXを実現していく上でのアプローチや必要なアクションについての認識の共有が図られるようにガイドラインを取りまとめることが必要である」と指摘されたことから、DX推進ガイドライン(「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」)は策定されています。

経済産業省のDXレポートでは「2025年の崖(放置シナリオ)」の印象が強く、(既にDXを推進していた大企業を除いた)これからDXを推進する中小企業はDXの理解、自社におけるDXとは何か、といったトピックについて考えさせられることになりました。これまで経験したことのない企業活動の展開と変革に備え、企業それぞれの実態に合わせたDXの推進にDX推進ガイドラインは必要とされています。

DX推進ガイドラインの構成

DX推進ガイドラインは「(1)DX推進のための経営のあり方、仕組み」と「(2)DXを実現する上で基盤となるITシステムの構築」の2つから構成されています。

全体の流れとしては、はじめにDX推進の在り方や仕組みを伝える「理解のフェーズ」があり、次にDXを実現する上で必要な具体的な体制・仕組み構築の説明、実行プロセスへと繋がっていきます。DXに対して経営層が認識すべき事柄、失敗ケースなども記載されているため、認識の確認をしながら読み進めることが可能です。

DX推進ガイドライン10の要点

ここからはDX推進ガイドラインに記載されている内容の要点を紹介していきます。10の要点は先述したDX推進ガイドラインを構成する2つの項目を要約したものであり、DX推進ガイドラインを読む上での補足となる内容です。

1.経営戦略・ビジョンの提示

今後様々な予期せぬイノベーションが起こると念頭に置き、どのようなビジネスモデルを構築していくべきかを経営戦略・ビジョンとして提示することが求められています。巷でDXを耳にすることは増えましたが、ただ部下にDX推進を指示するのではなく、事業分野で新たな価値を生み出すために必要な施策の立案、指示出しが必要になります。

2.経営トップのコミットメント

DXは今後起こり得るビジネスモデルの転換、破壊的イノベーションを危惧して提唱された言葉となるため、「経営トップの人材がどれだけ自分事として捉えられるか」にDX成功の大きな鍵があります。とはいえ変革に対する社内の抵抗も想定されるため、経営トップがどれだけリーダーシップを取れるか、がポイントとなります。

3.DX 推進のための体制整備

DX推進には、①DX推進を力強く進めるためのマインドセット、②DXを進めるためのDX推進部門の設置、③DX推進に欠かせないDX人材の育成・確保、の3つの体制整備が求められます。「ノウハウや知見がないから動かない、何もしない」という選択は避けたいシナリオの1つであるため、パートナー企業との連携等も視野に入れながら1つずつ進めていくことが重要です。

4.投資等の意思決定のあり方

DX推進のよくある壁に「投資判断の壁」がありますが、意志決定時には以下の3つのポイントをおさえている必要があります。

  • コストだけでなく既存の業界・ビジネスモデルにプラスのインパクトを与えるものとして判断しているかどうか
  • 定量的なリターン・確度の低さから挑戦を阻害していないか
  • 投資しなかったことにより、デジタル化するマーケットの競争に勝てず、敗者となるリスクを考慮しているか

5.DX により実現すべきもの: スピーディーな変化への対応力

DXの目標はたしかに既存の業界・ビジネスモデルに変革を与え、新しい価値を生み出すことですが、今後の変化に備えて柔軟な社内体制を構築しておくことも達成すべき1つの状態といえます。例えばある1つのシステムが足かせになるのではなく、ある程度の変化が起こっても最新の技術・ツールと連携して稼働できるような刷新・体制作りが求められます。

6.全社的な IT システムの構築のための体制

全社的なITシステムの構築には、ITシステムの全体設計(アーキテクチャ)を行う人材と、それらのITシステムを活用してDXを推進する人材を管理するビジネスサイドの人材が必要となります。そのために経営層からトップダウンで指示が下りやすいDX推進部門を立ち上げ、そこから各連携部署の担当者と繋ぐ等の工夫も求められるでしょう。

7.全社的な IT システムの構築に向けたガバナンス

全社的なITシステム構築に際して、①構築するITシステムと既存ITシステムの円滑な連携を確保するのはもちろんのこと、②ITシステムが部門ごとでブラックボックス化するのを回避するため業務標準化を念頭に置いた管理体制を確立することが重要になります。よくある失敗例として「付き合いの長いベンダーに丸投げする/提案を鵜呑みにする」というものがありますが、DXはあくまで自社主導で行うべき取り組みになるため、提案があった場合も「自社DXが目指すものは何か」を明確にした意志決定が必要です。

8.事業部門のオーナーシップと要件定義能力

DXが企業のもたらす変化として「ITシステムの構築・体制作り」がありますが、これらの取り組みだけが一人歩きしてしまうと、各事業部門からDXに適した事業計画・業務企画をスムーズに吸い上げることができず、DX推進が足踏み状態に陥る恐れがあります。各事業部門がDXに対してオーナーシップを持つことも重要です。

9.IT 資産の分析・評価

自社のIT資産の分析と評価が適切に行われていないことで、レガシーとなった基幹システムを刷新するタイミングを見誤り、多大な損失を出す結果となる場合があります。一企業の損失がある業界や社会全体の損失となる可能性も大いにあるため、IT資産の適切な分析・評価は必須といえます。

10.IT 資産の仕分けとプランニング

IT資産の分析・評価を行った上で、残るIT資産と刷新するIT資産を決める必要があります。また残すIT資産の特性を理解し、全社横断的なデータ活用を可能にするシステムか構築できるかどうかも考えることが重要です。残すIT資産を全て連携するのではなく、あえて塩漬けにするプランも検討する必要があるでしょう。

今さら聞けないDX(デジタルトランスフォーメーション)の基本知識

DX推進ガイドラインの内容を確認した後は、DXの基本知識についておさらいしておきましょう。DXを理解する上で重要となる3つのトピックが以下になります。

  • DX推進には「経営戦略」と「体制構築」が必要
  • 既存システムの縮小・廃棄の判断が先
  • コロナ禍でDXの本質は「ITシステム更新の問題」から「企業文化刷新の問題」へと移行

重要なポイントとして、DXに向けた体制構築はどのような企業でも求められていることであり、多くの企業で「既存システムの縮小・廃棄の判断が先」になっている現状があります。また昨今のコロナ禍でDXの本質が「ITシステム更新の問題」から「企業文化刷新の問題」へと移行していることが明らかになりました。「ITシステムの更新の是非をめぐる議論の奥には企業文化刷新の問題が隠れていた」と理解できるでしょう。

DX推進には「経営戦略」と「体制構築」が必要

自社DXは決して散発的な施策で完遂することはなく、経営層の戦略構築とトップダウンによる体制構築が必要不可欠です。部門単位で取り組みを任せたり、経営戦略を大きく見直すことなく施策を展開したりすることで、一見成功に見えた取り組みは中長期的な視点で眺めた時に失敗となることもあります。常にビジネスモデル・社内体制の変化を想定した体制作りを進めることで、柔軟でしなやかな体制が構築されていきます。

既存システムの縮小・廃棄の判断が先

DXの目標は既存の商習慣・ビジネスモデルに変革を与えるものですが、その基盤を形成するITシステムが複雑化・ブラックボックス化している状態では上手く推進することができません。海外のDXと異なるのはこの点で、日本の多くの企業はまずレガシーとなった基幹システムの縮小や廃棄(または塩漬け)等を行い、全社横断的なデータ活用が可能なITシステムの構築に向けて歩みを進める必要があります。そうした体制構築が済んだ後に、DXが必要とするデータ活用基盤が整い、DX実現に向けた取り組みが加速すると認識しておきましょう。

コロナ禍でDXの本質は「ITシステム更新の問題」から「企業文化刷新の問題」へと移行

(令和2年)2020年12月28日の「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」にて『DXレポート2 中間取りまとめ』が発表され、コロナ禍でDXの本質は「ITシステム刷新の問題」から「企業文化刷新の問題」へと移行したことが述べられました。

2018年のDXレポート発表の後、DXの取り組みを進めた企業とそうでない企業との差が広がりましたが、その間のコロナ禍でDXの本質は「素早く変革し続ける能力を身に付けること」に移行しています。

まとめ|全社的なDXリテラシーの向上を図ろう

コロナ禍を経てDXはますます身近になり、DXレポート2で述べられた「DXの本質は企業文化刷新の問題へと移行した」という言説に多くの人が納得できるのではないでしょうか。DXに否定的だった企業も何らかの対策を講じる局面に来ているとも受け取れます。

弊社では緊急性の高い自社DXの推進、またパートナー企業とのDX関連業務のパフォーマンスアップを計画する企業さまに向けて、全社的なDXリテラシーの向上を図る「DXリテラシー講座」を提供しています。DXの基礎知識から50以上の業界事例の解説、事業アイデアの解像度を高めるワークショップを行っておりますので、カリキュラム等をご覧になられる方はこちらからアクセスいただけますと幸いです。

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