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DX人材に積極投資!DXに取り組むSIerの最新事例

目次

 これまでSIerは、日本のIT人材の約75%を抱えているとも言われ、IT業界の発展を牽引してきました。直近でも”2025年の崖”を控えて、ユーザー企業における既存のレガシーシステムの更改ニーズが高まる中でSIer各社の業績は好調が続いています。

一方でその先に迎えるDX(デジタル・トランスフォーメーション)時代に向けては、SIer企業でもこれまでとは異なったスキルを持つDX人材が必要となるため、その確保や育成に向けて、各社とも動き出しているのが現状です。今回は、DXに取り組むSIerの最新事例をご紹介します。

“2025年の崖”を越えた先のDX時代に起きること

“2025年の崖”に向けて、ユーザー企業においては特に既存のレガシーシステムの更改ニーズが高まり、それに伴ってSIer業界の受注は好調に推移していました。その後、コロナ禍の影響によって、一部業種の不況によるIT需要の低下は見られたものの、プラス要因となるデジタル変革需要ももたらし、SIerの業績を後押ししています。

一方、ユーザー企業としては、古いアーキテクチャを採用したレガシーシステムの更改は必要であるものの、その後DXの土台となる取り組みであり、本丸とは言えません。

“2025年の崖”までにレガシーシステムを更改し終えたとすると、その先のDX時代においては、テクノロジーを活用した新規ビジネスや業務の抜本的な変革を目指しており、その実現に向けた取り組みも少しずつ始まっています。つまり、”2025年の崖”を越えた先のDX時代には、現状のレガシーシステムの更改とは異なるIT需要が生まれることが想定されるのです。

従来のSIer人材はDX時代に対応できるのか:DX人材の確保に投資する理由

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、平たく言えば「ITを活用して、変化に対応しながら新しいビジネス・価値を創出し続けること」となります。ここでポイントとなるのは、単にレガシーなシステムの更改のように、一時的な変化に対応するのではなく、今後も継続的にビジネス・価値を創出”し続ける”という部分になります。

これまでの従来型SI案件のようにユーザー企業のIT部門のみと要件をやり取りし、開発するスタイルにおいては、基本的に決まった要件が途中で変わるというような変化に対応することはありませんでした。つまり、SIer企業の従来の開発スタイルや、SIer人材の従来のスキルでは、DX時代の破壊的な変化に柔軟に対応できないと考えられます。

DX時代を見据えると、こういった求められるスキルの変化が想定されるからこそ、SIer各社は、DXに対応できる人材の育成や採用に対して積極的な投資を実施し始めているのです。

SIer各社のDX人材の獲得・育成事例

ここからは具体的に、SIer各社がDX人材の獲得・育成に取り組んでいる事例をご紹介します。

NTTコムウェア

NTTコムウェアでは、「システムインテグレータを超え、ビジネスインテグレータへ」というスローガンを掲げており、顧客に対するDX支援が求められていました。データサイエンスは、DX人材の柱となる知見の一つとして位置付けられており、全社員向けの研修として、データサイエンス領域に特化したブレインパッド社の研修プログラムを採用し、受講を推奨しています。

出典:「ブレインパッド、NTTコムウェアのDX人材育成を支援」

東芝デジタルソリューションズ

東芝グループのSIerである東芝デジタルソリューションズでも、2017年からDX時代を見据えて「イノベーションをリードするビジネスプロデューサー型人材の育成」を目指し、共創型の技術者育成研修を実施しています。既存のインフラ向け事業のような安心で安全な品質の高いシステムの提供とともに、新たにビジネスプロデューサーたちがお客さまと共に新たな価値を創造していくことも共存させ、顧客にとって価値あるDXを実現する、としています。

出典:「イノベーションをもたらすビジネスプロデューサーを DX時代に向けた技術者育成」

NTTデータ

NTTデータでは、DXに関わる高度な専門性を持つ技術者の確保を目的に、2018年12月から市場価値に応じた報酬で採用する「ADP制度」(ADP:Advanced Professional)を導入しています。2020年現在では、ビッグデータ処理基盤に精通する技術者などを中心に計7人に適用されています。

ニュースリリースによると、最大手SIerの一角であるNTTデータであっても、「先進技術領域などで卓越した専門性を有した人材を外部からも確保していく必要がありますが、非常に厳しい獲得競争下にあるのが現状」としています。

出典:「新サービスの創出のための新雇用区分の創設」

NTTコミュニケーションズ

同じくNTTグループであるNTTコミュニケーションズでも、最高技術責任者(CTO)、技術顧問、事業部長級の人材に対しては年俸3,000万円超も可能な「アドバンスド・スペシャリスト制度」を2019年7月に導入しています。ビッグデータのマネジメントやクラウドに精通するエンジニアを中心とした中途採用者を対象としており、今後は既存の社内のスペシャリスト社員にも適用する予定になっています。

出典:「年収3000万円超えも、NTTコムが専門職向け新人事制度を始める深い事情」

SCSK

SCSKでは、人工知能(AI)やクラウド、セキュリティー、カスタマーエクスペリエンス(CX)、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)、金融系プラットフォームなどの領域において、高い専門知識や技術力、社内外への影響力を持つ人材を年収上限3,000万を目安として雇用できる、「ADV職掌」を設定しました。

SCSKでは、全体の離職率は低い水準に抑えられている一方で、個別に見ると優秀な人材や伸び盛りの人材が外資系ITベンダーやコンサルティング企業、ユーザー企業へと引き抜かれているケースが増えているとしており、それに対抗できる制度という位置付けです。

出典:「年俸3000万円で厚遇、SCSKが挑む高度IT人材争奪戦の勝算」

このように大手SIer各社も、これまでの事業の延長では競争力の源泉となる人材を確保できないため、DX人材の育成や採用に対して、大きな投資を行っています。

今こそSIerは将来に向けた投資が必要

現在の従来型SI案件を中心とした事業の延長で、DXに関するスキルを獲得していくことは可能なのでしょうか?

DX時代で求められるのは、AIなどのデジタル技術やデータ分析スキルを持ったIT人材や、ユーザー企業のIT部門だけではなくビジネス部門とも協働し、事業に必要なシステムの将来像を描くことができる人材です。このスキルセットが、従来のSIer人材と大きく異なることを踏まえると、従来型SI案件に取り組んでいくのみでは、DXに関するスキルの獲得は困難であると言わざるを得ません。

さらに、採用市場ではこういったDX人材は引く手あまたの状況です。最大手の各社でさえも、上記事例のように非常に高い待遇を提示している中、多くの企業においては、市場からDX人材を採用することは困難と考えられます。つまり、DX人材の確保に向けては、自社に現状所属するIT人材の育成が不可欠なのです。

足元の業績が好調なだけに、SIer各社のIT人材の稼働は逼迫しており、将来に向けた人材育成は後回しになりがちですが、業績が好調な今こそ、DX人材育成に投資していかなければ、”2025年の崖”の先で継続的に事業を成長させ続けることは難しいと言えるでしょう。

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