DX時代の成長戦略!デジタル技術を活用するために企業に必要な考え方とは
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現代は、業界・業種を問わず、さまざまな企業がデジタル技術を取り入れる「DX時代」です。多くの企業にとって、DXが今後の生き残りのカギになることは間違いないといえます。
そのような時代において、「自社も時流に乗らなければ置いていかれるかもしれない」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、企業が時代を味方につけて成長を続けていくための方法や考え方について説明します。
世界的なDXの流れに対応できない日本企業の問題点
2022年3月、株式会社JTBコミュニケーションデザインは日本全国で課長職に従事する1,000人を対象に、「DX時代の課長調査」を実施しました。
本調査によると、課長の約4人に1人が「自分の仕事の性質上、DXは関係がない」と回答しています。とくに営業や人事・総務といった分野で、このような認識がみられることがわかりました。日本企業には、「自分はDXとは無縁だ」と考えているマネージャーがまだまだ多い実状があるのです。
一方、DXにおいて先行する企業には、「危機感」の共有が進んでいるという特徴がみられます。「もしDXに取り組まないとしたら何がリスクになるか」を考え、対策を講じているということです。実際のリスクについては、こちらの記事も参考にしてください。
業績が好調な企業にとっては、現状のままで問題ないと考えるのも無理はないのかもしれません。しかし、競争力を失ってしまってからでは手遅れになる恐れがあります。まずはDXを「必要なもの」だと認識することが、企業がDX時代の一員となるための条件だといえるでしょう。
DX時代に成長が予測される企業の基本戦略とは
DX時代を味方につけ成長を続けているのは、どのような企業なのでしょうか。ここでは、成長企業の基本的な戦略として、以下の3つについて紹介します。
– 変化とスピードを重視
– ITシステムの内製化を推進
– データを積極的に活用
変化とスピードを重視
DXの必要性が増した背景として、デジタル技術の進展が挙げられます。高度にデジタル化された市場では、常にスピード感のある競争が繰り広げられています。企業には柔軟なビジネス判断と、それをタイムリーにサービスに反映させる能力が求められているのです。
また、DXは一度きりの変化ではありません。DXを通して成長を続けている企業の戦略を紐解くと、「変わり続けられる」企業文化を重視していることがわかります。これまで安定を重視してきた企業から見れば、真逆ともいえる戦略です。
DXが継続的な取り組みであることについては、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
ITシステムの内製化を推進
デジタル化されたサービスは、ITシステムに支えられています。スピード感のある変化を実現するには、素早く改変できるシステムでなければなりません。DX時代の企業は、ビジネス環境の変化に応じて柔軟にコントロールできるシステムを保有する必要があるのです。
そのような社内システムを構築するには、内製するのがベストだといえます。しかし、柔軟なITシステムを構築するのに必要な技術をもった人材は、社会的に不足しています。いかに人材を確保・育成するかが課題です。
また、多くの企業が複雑化・ブラックボックス化した「レガシーシステム」を抱えている現状もあります。現行システムの廃棄や刷新を迫られるケースは少なくないでしょう。
レガシーシステムの課題と、その解決については、こちらの記事も参考にしてください。
データを積極的に活用
DX時代は、5GやIoTにより大量のデータが行き交う「データの時代」でもあります。インターネットとスマートフォンの普及を背景に、メーカー企業などもユーザーと直接的なつながりをもてるようになりました。
これは、ユーザーから知り得た情報を分析して、サービス改善に活かせるようになったということです。また、デジタル技術とともにデータを積極的に活用していく姿勢は、DXを通して成長を続ける企業の特徴でもあります。
デジタル技術によるデータ活用については、こちらの記事でも説明しているので参考にしてください。
日本企業のイノベーションを妨げる「足かせ」を外すには
日本において、DXの成功例はまだまだ多くはありません。イノベーションを押し進めるには、その妨げとなる要素を取り除く必要があります。ここからは、日本企業がイノベーションの「足かせ」を外すために必要な考え方として、以下の3つを紹介します。
– アジャイルな開発手法を取り入れる
– ベンダー依存から脱却する
– 最新のデジタル技術を吸収する
アジャイルな開発手法を取り入れる
まずは、システムを素早く構築できる開発手法を取り入れましょう。それにより、ビジネス判断をサービスへタイムリーに反映できるようになります。
これまでウォーターフォール型の開発をメインにしてきた企業は、よりリリースサイクルの短いアジャイル型のアプローチを採用するのがよいでしょう。時間をかけて慎重に開発するよりも、失敗を恐れずに改善を積み重ねていくことに価値をおく考え方へとシフトしていく必要があります。
ベンダー依存から脱却する
ITシステムの開発においては、外部ベンダーとの依存関係を断ち切ることも考えなければなりません。内製化を進めることにより、システムに柔軟性をもたせるためです。これまでベンダーに「丸投げ」で開発やメンテナンスを続けてきたシステムについては、思い切った刷新が必要になるケースもあるでしょう。
といっても、今後は外部ベンダーにまったく頼れなくなるということではありません。システムのすみずみまで自社開発としなくても、ベンダーとの適切なパートナーシップがあれば柔軟なシステムを実現できるからです。そのためには、たとえテクノロジー系の企業でなくても、自社がシステムの持ち主であり開発主体なのだと認識しておく必要があります。
最新のデジタル技術を吸収する
DXでどのデジタル技術を使うべきかについては、とくに決まりがあるわけではありません。とはいえ、データを最大限に活用するためには、最新の技術が求められるでしょう。なかでもAIとデータサイエンスについては、DXの実現を目指す多くの企業から必須に近いデジタル技術とみなされています。
これらの最新技術を扱う際には、やはりアジャイル型の価値観が有効です。AI開発においては、短いリリースサイクルで実験と検証を繰り返しながら、不確実な部分をコントロールできるマネジメント手法が適しています。
人材育成への取り組みが今後の対策のカギに
先に紹介した「DX時代の課長調査」では、課長の38.1%が「DXに関する知識やスキルを身につけていない」、25.2%が「DX推進を、具体的にどう進めればいいかがわからない」と回答しています。まだDXに舵を切ることができていないマネージャーには、DXそのものに関する知識不足を理由に取り組みが停滞しているケースが多い様子がうかがえます。
DXに必要なものは、テクノロジーに直結する知識ばかりではありません。DXを推進する必要性の理解や、変革し続けることを重視する価値観も重要な要素だといえます。DXでは、取り組みに参画する「人」の存在が要になるということです。
DXにおいて「人」が活躍できる企業になるには、人材育成が欠かせません。このとき、ビジネス判断を行う経営層からシステムに触れる現場のメンバーまで、全員でDXの基礎知識を共有している状態を作り出せれば理想的でしょう。
まとめ:知識を獲得してDX時代を生き抜く組織づくりを
DX時代においてもまだ、DXの必要性に気付いていない企業は少なくありません。DXを実現するには、変革を妨げる要素を取り除く必要があります。そのためには、DXに関する基礎知識の組織的な獲得を目指す、人材育成への取り組みが不可欠です。
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DXの内製化と成功事例