学生向けサービスを法人向けに販売し、反響を得られた理由とは?ーSTANDARDのAIエンジニアリング講座を掘るー - 株式会社STANDARD

学生向けサービスを法人向けに販売し、反響を得られた理由とは?ーSTANDARDのAIエンジニアリング講座を掘るー

DX・AI人材育成

この記事の目次

  1. はじめに
  2. AIエンジニアリング講座の開発経緯

はじめに

株式会社STANDARD(以下、STANDARD)の創業期から反響をいただいているAIエンジニアリング講座は、学生起業でサービスをスタートさせながらも、開発時から多くの企業や個人の方から高評価を得ています。今回は、その秘密や開発の経緯に迫るべく、STANDARDの代表取締役石井大智氏にインタビューしました。

創業メンバー、写真中央:代表取締役石井大智氏

石井大智

株式会社STANDARD代表取締役CEO
1995年生まれ、千葉県出身。早稲田大学在学時より、製造業の効率化のための統計解析を学ぶ。東大生のメンバーとともに東大人工知能開発学生団体HAIT Labを設立し、学生AIエンジニア800人の集まるプラットフォームに育てる。AIエンジニアとしてDeep Learningによる医療解析の業務を複数社で経験し、現職。

AIエンジニアリング講座の開発経緯

ー石井さんは、AIエンジニアリング講座をSTANDARD設立前から準備されていたと伺いました。講座の準備をはじめられた経緯を教えてください

開発に至ったきっかけは、東大HAITという学生のIT学習コミュニティで、後輩に教える作業を自動化したいと思ったことです。同じことを何度もホワイトボードに書いて、自分の勉強時間を割いて教えるのは、とても効率悪く感じました。コミュニティに新しく人が入るたびに、1対1で教える必要があり、優秀な方ほど負荷がかかる状態になっていました。

その時、世の中も同じ構図なのではないか?と気づきました。自己学習でエンジニアリングを学んでいたとき、能力も経歴も光っている方から、自分のために時間をいただくのが、本当に申し訳なく感じました。とはいえ、独学で片付けようとすると、自分の案件の進捗が遅れたり、間違った理解をしてしまったりするため、優秀な方から時間をいただく方法しかありませんでした。

実務の現場においては、ある程度の基礎や、教えるべきことが決まっているにもかかわらず、優秀な方が仕事の手を止めて、教えなければならない現状があることを、実体験を通して感じ、優秀な方には、価値を生み出すことに専念をしてもらいたいと思いました

基礎を一通り習得する部分を、パターン化し、体系化できるのではないかと考え、IT学習コミュニティに新しく入ってくる後輩のために、AIエンジニアリング講座を作成しました。

ー個人や法人向けに販売することになった経緯を教えてください。

東大HAITの学部3年生のメンバーを、某企業のインターンに送りました。周りは東京大学や京都大学の院生のような、優秀な方しかいない中、彼の評価がとても高かったんです。彼はAIの勉強をはじめて、3か月でした。インターン先の企業から、「3か月でここまでできるなんてことがあるのか?」と言っていただき、AIエンジニアリング講座に注目が集まりました。この出来事がきっかけで、育成や研修に活用できることに気がつき、法人と取引をするために、会社を設立するに至りました。

ー会社設立後の反響はいかがですか?

さまざまな企業や個人の方に、長くご利用いただいています。実際にAIエンジニアリング講座を受講した人から「プロダクトを作りました」「最初の案件が取れました」といったお声もたくさんいただいています。

ー学生に向けて作成したものが、法人向けのサービスとして成立するということは、一般的にはあまりないことかと思います。なぜ法人向けに、活用できたのでしょうか?

作成当時、AI領域は、学生でも即戦力にならざるを得ない市場でした。2015年頃から、日本でAIが注目されるようになりましたが、2015年以前から仕事をし続けて、AIに関する技術を磨いてきたという方は、かなり少なかったと見ています。急速に需要が爆発し、経験豊富なプロフェッショナルが少ない中、学生も社会人も、ほとんどスタートラインは同じでした。AIに詳しい人材は、学生であっても企業から求められていたので、どんどん現場に出ていきました。学生でも社会人でも、技術について求められているものは大きく変わらず、講座は学生のためというよりは、これから伸びていくAI領域の中で活躍する人材育成のため、という意識で作られました。カスタマイズをせずとも、企業に向けて販売できたのだと思います。

ーSTANDARDで提供している技術顧問サービスについて、講座との違い、講座と合わせた活用事例を教えてください。

AIエンジニアとして自立するための3つのステップがあります。はじめは、手取り足取りの状態で教えてもらう、次に補助をつけながら、自ら自立するイメージ、最後に補助を外して自走するという3ステップです。2ステップ目に最適なソリューションがなかったので、そこに応える形でつられたのが、技術顧問サービスです。

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