AI実装検定とは?難易度や問題例、おすすめの対策本まで紹介
AIを活用する必要性
現在AIは社会に浸透しており、その技術はあらゆるサービスに取り入れられています。特にデジタル化などを考えている企業にとっては、AIを事業に活用することで企業の価値を高められる可能性があるため、その開発や事業活用はますます重要になってきています。
しかし、具体的にどのようにAIを実装、開発をしていけば良いのかわからないかもしれません。本記事では、AI開発の第一歩として、AIを実装するスキルを測ることのできるAI実装検定について詳しく解説していきます。
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AI実装検定とは?
AI実装検定の意義
AI実装検定の意義は知識を資格として証明できることにあり、事業やプロダクトを実施する際により深く理解して進めることのできる基盤となります。
また、資格の勉強をする過程で網羅的に学習することができるため、知識の定着を促すきっかけともなります。
AI実装検定の難易度・合格率
AI実装検定の種類はレベルが高い順からS級、A級、B級の3つに分けられます。いずれもオンライン受験で受験することが可能です。一つずつみていきましょう。
S級
S級はAIの実装力だけでなく画像処理をメインとした実践的な力と、自然言語処理や有名モデルの実装などの応用的な実装に対しても挑戦できる力を認定します。
現在AI資格試験の最高峰であるE資格(日本ディープラーニング協会主催)に比べるとカバーする範囲は狭いですが、各項目で求められる実装レベルは同程度です。(AI実装検定公式HPより)
S級は2021年2月現在、まだ一度しか試験が行われておらず、実施結果が公表されていないため合格率は不明です。
A級
A級はディープラーニングの実装について数学、プログラミングの基本的な知識を有し、ディープラーニングの理論的な書籍を読みはじめることができ、独学の準備が出来る力を認定します。 上級者向けのE資格の認定プログラムにも挑戦できるレベルです。(AI実装検定公式HPより)
A級は2021年2月現在、過去に2度行われており、合格率は7、8割程です。
B級
B級はAIに興味があるが、まったく知識のない入門者が最初の目標として気軽に挑戦できる試験です。AIの概要についての最も基本的で直感的な理解を7つの側面から問います。
ディープラーニング、機械学習がどういったものか大雑把な概念を獲得していることを認定します。(AI実装検定公式HPより)
B級は2021年2月現在、まだ一度も試験が行われていないため合格率は不明です。
AI実装検定を取得して得られるメリット
AI実装検定は自分の持っている体系的なディープラーニングの実装知識とスキルを客観的に把握することができます。(AI実装検定公式HPより)
AI実装検定の過去問・問題集
AI実装検定の例題などは公式サイトに載っています。ここでは実際にどのような問題が出題されるかをそれぞれの級に合わせて紹介していきます。
【S級】ディープラーニングに関する問題例
ディープラーニングは20題出題され、全てコードを見て答える形になっています。実行結果予測やコードの穴埋め問題などが出題されます。2021年2月現在、例題は公開されていないようです。しかし、公式HPにシラバスが載っているため勉強する環境は揃っています。
(GitHubより)
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【S級】画像処理に関する問題例
画像処理は30題出題され、出題形式はディープラーニングに関する問題と基本的に同一です。各アルゴリズムの概要だけではなく、実装方法まで詳細に把握していないと解けない問題が出題されます。公式HPに採用された問題があり、答えも用意されています。
(GitHubより)
【A級】AIに関する問題例
AIに関する問題は20問出題されます。ディープラーニングの基本構造であるニューラルネットワークの基礎的な構造の理解が問われます。いくつかの例題が公式HP上に載っています。2021年2月現在、例題の答えは用意されていません。
【A級】プログラミングに関する問題例
プログラミングに関する問題は20問出題されます。
ディープラーニングの実装においてデファクトスタンダードであるPythonと、数値計算をするための各種ライブラリの実装知識が問われます。
いくつかの例題が公式HP上に載っています。2021年2月現在、例題の答えは用意されていません。
【A級】数学に関する問題例
数学に関する問題は20問出題されます。ディープラーニングで頻出する数学の内容について、計算が出来るかを問います。高校数学の内容ですが、ごく一部大学数学が入ります。いくつかの例題が公式HP上に載っています。2021年2月現在、例題の答えは用意されていません。
【B級】(AI超入門に関する問題例)
30問出題されます。AIの概要についての直感的理解を7つの側面から問われます。いくつかの例題が公式HP上に載っています。2021年2月現在、例題の答えは用意されていません。
AI実装検定の試験対策
AI実装検定の試験対策として、公式HP上に公式教材と推薦図書がそれぞれの級に合わせて記載されています。(AI実装検定公式HPより)
AI実装検定の試験対策用の公式教材
S級の試験対策用の公式教材は無料で使用でき、GitHub上に公開されています。非常にクオリティの高いものとなっているため、A級を合格できる実力のある方はこの教材をしっかりこなせば十分合格できるでしょう。
A級の試験対策用の公式教材である超AI入門講座はセットで6カ月50,000円(税込)で有料ですが、全く知識のない状態からでも基礎をつけることができ、丁寧でわかりやすい動画が100本以上用意されています。
B級の試験対策用の公式教材はYouTubeにて無料公開されています。初歩的な知識が全部で1時間ほどで学習し終えることができます。また、推薦図書も公式HP上に記載されているため参考にすることができます。
AI実装検定の対策におすすめのその他のテキスト
S級とB級の試験対策は無料の公式教材で十分だと思いますが、A級をお金をあまりかけずに合格したい方向けにおすすめのテキストを2つ紹介します。
人工知能は人間を超えるか
本書はAIの知識が全くない方でも簡単に理解でき、概要を把握するのに適した本です。AIと言われても具体的にどのようなものなのかがわからない人に是非おすすめです。
ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装
本書はディープラーニングの入門書であり、最も有名な本の一つです。概念や基礎だけではなく、実装レベルでディープラーニングやニューラルネットワークなどを理解することができます。本格的に実装の勉強がしたい方向けにおすすめの本です。
最後に
AIの導入によって社会は大きく変化してきています。それは企業も例外ではありません。
変化の激しい現代の世の中で優位を保つためにもAIを活用することはどの分野においても必要になってきています。
AI実装検定は、AIの活用によって企業に新たな価値を生み出すための一歩を踏み出すきっかけとなるでしょう。
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