ディープラーニングとは?活用シーンや入門者向けに学習方法・本をご紹介! - 株式会社STANDARD

ディープラーニングとは?活用シーンや入門者向けに学習方法・本をご紹介!

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. ディープラーニングとは?
  2. ディープラーニングでできること・活用事例
  3. 【入門】ビジネスにディープラーニングを取り入れるために
  4. 最後に

2018年6月に成立した「働き方改革関連法」をきっかけに多くの企業が社員の労働時間を減らすために業務の見直しをしています。業務の最適化や短縮化を図るために、AIが利用されることもあります。AIの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか。ただ、AIがどのようなことが出来るのかが分からないことには、業務にAIを導入し、効果的に活用することは困難です。

今あるAIの根幹となる技術「ディープラーニング」。この「ディープラーニング」のアルゴリズムを理解することでAIについて知ることが出来ます。「ディープラーニング」を知り、AIを活用できれば、社員の働き方は大きく変わります。

ディープラーニングとは?

「ディープラーニング」とは、脳の学習機能をコンピューターでシミュレーションするニューラルネットワークを用いた技術です。もっとかみ砕いて「ディープラーニング」を説明すると、「機械が人間と同じように学習をすることを可能にした技術」といえます。

人間の脳は神経細胞が電気信号を送り合うことで、考えたり情報を処理したりしています。

ディープラーニングも同様に、「人工ニューロン」が情報を送り合うことで、高度情報処理を実現しています。

人間が複雑に考えることを可能にしている機能の一つにシナプス結合があります。これは、重要度の高い情報を伝わりやすくすることで、より円滑に複雑な情報処理をできるようになるのです。

その仕組みについては、次項で解説します。

脳の学習機能をコンピューターでシミュレーションするニューラルネットワーク

ニューラルネットワークとは「人工ニューロン」を複数組み合わせた層です。「人工ニューロン」とは、脳の神経細胞と同じような機能をコンピューター上でシミュレーションしたものです。

1つの「人工ニューロン」には複数の入力があります。各入力には、シナプス結合のように伝わりやすさを変える重みをかけて次の「人工ニューロン」に伝えます。例えば、「人工ニューロン」から出力された「1」という情報に、重み0.1がかけられると、次の「人工ニューロン」に伝わる情報は0.1となるのです。

こうして、各入力に重みがかけられた情報を集め、情報の合計が一定以上になると、次の「人工ニューロン」に出力します。そして、その「人工ニューロン」がこの情報にまた重みをかけて次に伝えることで、情報が伝達されていくのです。

裏を返すと、情報が一定値集まらないと、次の「人工ニューロン」に情報が伝わりません。つまり、重みが0に近いほど伝わり難く、情報処理の優先度も低くなります。

ディープラーニングのアルゴリズムでは、複数の情報を1度に入力できるように入力層を準備します。この入力層から、「人工ニューロン」を組み合わせたニューラルネットワークで出来ている中間層を経て、情報は出力層に出力されます。

しかし、この出力が正しいとは限りません。出力が間違っている場合、「人工ニューロン」が出力した値にかけられる重みの数字を変更し、伝わりやすさを変えます。

伝わりやすさを変えることで、どの情報が重要なのかを整理することが出来ます。人間がテストで間違った時に、復習をし学習をすることと同じです。

出力し、間違いがあれば重みを変えるという操作を繰り返し行うことで、出力の精度をあげます。

ディープラーニングと機械学習との違い

「機械学習」の数ある技術の1つに「ディープラーニング」があります。機械学習とは、ある内容をコンピューターに学習させて、パターンを導き出す技術の事です。

この技術の代表的な分類に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つがあります。機械が学習をする際に学習データがある場合「教師あり学習」または「教師なし学習」に分類されます。「教師あり学習」・「教師なし学習」の違いは、出力する値に明確な答えがあるのか無いのかで分類されます。

「強化学習」とはデータの無い状態から機械が自動的に学習をする手法です。例えば、お掃除ロボットを購入し、初めて使用するときに部屋のマッピングを自動で行います。お掃除ロボットは、部屋の情報を与えられていないので、自ら動き情報を集め部屋の大きさや形を学習するのです。

ディープラーニングは特殊な機械学習です。「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」の3つの要素があり、自動で学習しパターンを見つけ出すことができます。

関連:【AI資格】機械学習・情報技術における資格をご紹介

ディープラーニングでできること・活用事例

【入門】ビジネスにディープラーニングを取り入れるために

ディープラーニングで出来ることには以下のようなことがあります。

・画像認識

・音声認識

・文章の自動仕分け

・翻訳

・画像信号処理

・ロボット制御

ここでは、画像認識と音声認識について紹介します。

画像認識

ディープラーニングで学習出来ることの1つに「画像認識」があります。「画像認識」とは、静止画・動画で何が写っているのかを認識することです。

これを利用すると、カメラの機能で人の顔を検知して、顔色を明るくみせることや、手書きの文字を認識して文字データにまとめたりすることが出来ます。また、車の自動運転にも使用されています。

関連:【画像認識の仕組み】研究の歴史から導入しやすいツールまでご紹介!

音声認識

「音声認識」もディープラーニングで行うことが出来ます。「音声認識」を利用した機能にiPhoneの「Hey Siri」があります。この機能は、人の話す言葉を認識することで言葉だけでiPhoneを操作することが可能です。他にも、「スマートスピーカー」や「AI通訳機」など「音声認識」を利用したものがあります。

関連:【AIによる音声認識の活用事例】音声認識で無くなる手間と障壁

最後に

ディープラーニングが行えることは先に述べたように多くあります。まずは、どのような仕事をディープラーニングを搭載したAIにさせるのか「目的」を決める必要があります。業務のコストの削減や短縮といった漠然とした目的ではいけません。明確に「目的」を決めることで、実行できるのかが検討出来ます。検討の際は、自身がAIリテラシーを身に着けるか、あるいはAIリテラシーの高い人と行う必要があります。

必要な教養・スキルを身につける

AIといえど、他のソフトウェアと同じようにプログラムでできています。プログラムについての教養を高めることが、AIを作ることにおいて重要です。

多くのプログラム言語の中で、ディープラーニングを搭載したAIとの適性が高いプログラム言語は「Python」です。「Python」をおすすめする理由は2つあります。1つ目は、今現在の機械学習で最も利用されている言語であることです。プログラムを勉強するうえで必要な情報がインターネット上に多くあり、学習を進めやすい言語といえます。2つ目は、計算スピードが速いことです。ディープラーニングはニューラルネットワークを何層にも重ねているので、計算の量が非常に多いです。「Python」はCPUで処理しきれない計算をGPUを利用することで高速化できるライブラリがあり、他のプログラム言語よりも計算を速く行うことが出来ます。

ディープラーニングについて学習する際におすすめの本

ディープラーニングの学習のために、おすすめの2冊をご紹介します。

「ゼロから作るDeep Learning-Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」

斎藤康毅さんの著書です。

「ゼロから作る」という題名のとおり、初学者にとって必要な情報が得られる一冊となっています。

実際に開発する際は、ライブラリーを活用することで処理を簡単に実行できるのですが、ディープラーニング自体を学びたいときには各処理の内容を理解することも重要です。

本書では、各処理の内容を段階を踏んで詳細に説明している点が、初心者におすすめです。

「ビジュアルAI(人工知能)」

城塚音也さんの著書です。

図解を多く用いて説明しているため、まだディープラーニングに馴染みがない方でも、すっと理解することができます。

最後に

ディープラーニングの登場により、AIは著しく進歩をしました。画像認識や音声認識などの精度は飛躍的に上がり、ディープラーニングを搭載したAIが日常生活に溶け込んでいます。

今現在世界を牽引しているGoogleやAppleのような大企業が、AIの研究に多額の投資をしています。つまり、これからの世界もAIは非常に重宝される技術です。

ディープラーニングを勉強し、AIについて詳しくなることやそういった人材を増やすこと、キャリアや企業の将来を左右するでしょう。

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