AIリテラシーとは何か?DXに取り入れるために必要な知識や技術も説明
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AI技術は、すでにさまざまなサービスに使われるようになってきました。
政府も「AI戦略2019」において、すべての国民が身につけるべき基礎知識のひとつとしてAIを位置付けています。これを受けて、今後は大学・高等専門学校生が「AIリテラシー」教育を受けることになります。また、多くの企業が取り組んでいるDXにおいても、AIは重要な要素です。
そこで本記事では、AIリテラシーが求められるようになった理由や、その能力を高めDXに活用するために必要なことについて説明していきます。
「AIリテラシー」の意味とは
「リテラシー(literacy)」とは、もともとは「読み書きの能力」を意味する言葉です。これが転じて、特定の分野に関する基礎知識や、それらを活用するための能力のことを指すようになりました。
一方、「AIリテラシー」という用語について明確な定義はありません。「AIリテラシーを身につける」とは、AI分野における正しい基礎知識と、AIを適切に利用できる能力を備えることだと考えればよいでしょう。
現在、経済産業省とIPA(情報処理推進機構)が策定した「デジタルスキル標準(DSS)」においても、全てのビジネスパーソンが身につけるべき知識としてAIリテラシーが定義されています。これには、単にAIの仕組みを理解するだけでなく、データをどう活用し、ビジネス上のどのようなリスクがあるかを正しく判断する能力が含まれています。
具体的には、「AIとはどのような技術か」や「AIで何ができるようになるか」について理解することが大切です。これにより、AI技術をベースに構築された各種サービスを適切に活用できるようになります。加えて、AIをビジネスに応用する際には、サービス開発にAIを用いるためのスキルも求められます。
昨今ではChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及により、AIリテラシーの定義はさらに広がりを見せています。専門的なプログラミング知識がなくとも、AIに対して最適な命令を出す『プロンプトエンジニアリング』や、AIが生成したコンテンツの権利関係を正しく判断する『AI倫理・リテラシー』が、現代のビジネスパーソンには不可欠です。
なぜ今AIリテラシーが求められるのか
現在では、DXへの取り組みを通して多くの企業がAIを取り入れています。企業がAIを求める背景としては、WebサイトやIoT機器などから集めた大量のデータを有効活用したいというニーズが挙げられるでしょう。また、これまでの技術のみでは実現が難しかった新たな顧客体験を提供するために、AIをサービスに組み込む動きも盛んにみられます。
こうした目的のためにAIが用いられるのは、AIにはデータを高度に分析できるという特徴があるためです。その分、AIは専門性の高い技術でもあります。AIリテラシーを身につけた人材は、DXを推進する企業のビジネスにおいて欠かせない存在になったといえるでしょう。
さらに現在では、AIリテラシーはエンジニアだけのものではありません。経営層には「AI投資の判断力」が、管理職には「AIを用いた業務プロセスの再設計能力」が、そして現場担当者には「AIツールを実務に使いこなす操作スキル(リスキリング)」が、それぞれの階層で求められています。全社員が共通のリテラシーを持つことで、組織全体の意思決定スピードと生産性が劇的に向上します。
AIとDXとの関係性については、こちらの記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
AIリテラシーをDXに取り入れるために必要なこと

AIリテラシーを高めていくには、具体的に何をすればよいでしょうか。ここでは、AIをDXの実現に役立てるために必要となる知識や技術について説明します。
AIは万能ではないと知る
AIの基本的な動作は、入力したデータに対して、何らかの判断を行うというシンプルなものです。的確な判断ができるAIにするには、あらかじめ十分な量の「学習」を積ませておく必要があります。そのためAI開発では、すぐに期待したような成果を得られないケースも多くなります。
もし「AIさえ導入すればなんでも解決できる」というイメージがあるとするなら、それはビジネスの成功を妨げる考え方にもなりかねません。まずはAIが決して万能な技術ではないことを知り、自社のニーズに沿って鍛え上げていく姿勢が大切です。
特に生成AIの活用においては、AIが事実とは異なる情報を自信満々に回答する「ハルシネーション(幻覚)」への対策が不可欠です。また、入力したデータがAIの学習に利用され、機密情報や個人情報が流出してしまうといったセキュリティリスクも正しく理解しておかなければなりません。AIの回答を鵜呑みにせず、人間が最終的なファクトチェック(事実確認)を行う「人間中心の活用」が、DX成功の絶対条件となります。
AIが学習する仕組みなどの基礎知識については、こちらの記事も参考にしてください。
AIを支える技術の知識を獲得する
AIは、高度な知識が求められる専門性の高い技術です。ビジネスに応用するには、新たな知識の獲得が課題になる場合が多いでしょう。
具体的には、まず基礎的な数学や統計学の知識が必要となります。そのうえで、AIの背景にある「機械学習」や「ディープラーニング」、「ニューラルネットワーク」といった技術についても知らなければなりません。
これらの技術については、概要を説明した記事があるので参考にしてください。
AIのシステム開発スキルを身につける
AIの仕組みや特徴を理解しており、AIを用いたサービスを利用できる能力があれば、一般的な「リテラシー」の範疇としては十分といえるでしょう。
しかし、もう一歩踏み込んでAIによるビジネスの変革を目指すなら、実務レベルのAIリテラシーが求められます。実用的なAIを構築し、社内の基幹システムや自社サービスに組み込めるだけの開発スキルが必要です。こうしたスキルには一般的なシステム開発とは異なる面があるため、AIの導入は適切なステップで進めることが大切です。
AIの導入ステップについては、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
実務レベルのAIリテラシーには2つの側面がある
AIを自社のシステムやサービスに組み込めるようになるには、大きく分けて2種類のスキルが求められます。
第1のスキルは「エンジニアリング」です。AIに関する専門的な各種ツールを使いこなし、設計や実装にAIを用いるためのITスキルが必要となります。
第2のスキルは「マネジメント」です。AIを用いた開発を成功させるには、AIの特徴をふまえた手法で開発プロジェクトをハンドリングしていかなければなりません。
これら2つは、いずれも実践的な面が大きいスキルだといえます。スキル獲得のためには、弊社「AI_STANDARD」の活用をご検討ください。「超実践・実務視点」の講座で、AI開発に必要なエンジニアとマネージャーの育成を目指せます。
実践的なAIリテラシー教育でDXの実現を
DXを推進する企業にとって、いまやAIリテラシーは一部の専門家だけのものではなく、全従業員に欠かせない「共通言語」となりました。特に生成AIの台頭により、AIを「使う」段階から、AIと共に「成果を出す」段階へとシフトしています。従業員へのリテラシー教育は、今後ますます重要な経営課題となっていくでしょう。
そのためには、弊社「AI_STANDARD」の講座をぜひご活用ください。即戦力となれるAI技術者の育成には「AIエンジニアリング講座」を、AI開発や生成AIプロジェクトを牽引できる人材の育成には「AIマネジメント講座」をおすすめします。
また、2026年より提供を開始した「AIコンサル伴走オンラインワークショップ」では、学びを座学で終わらせず、実際の業務課題に対してAIをどう実装するか、プロのコンサルタントと壁打ちしながら実践的なスキルを習得することが可能です。
AIを含め最新技術について広く把握しておくことも、DX実現のための重要な要素です。これらデジタル技術とDXに関する知識獲得のために、「DXリテラシー講座」の受講もあわせてご検討ください。

