SaaSの代表例を紹介！DX推進におけるSaaSの活用方法とメリット・デメリットについて解説

DXに取り組み始めて、SaaSなどのツールについて知りたいという方や、SaaSという言葉を聞くけれどよくわからないという方はいませんか？SaaSはDXを効果的に進めるのに、とても役立つツールです。

この記事では、SaaSとは何かがわかるだけでなく、DX推進におけるSaaSのメリットや、ツールの種類、DXを推進する上でのSaaSの活用方法などついて解説します。DXに取り組む方やSaaSについて知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

SaaSの概要

まずSaaSとは何かを理解しましょう。SaaSの概要とともに、これと似た他のクラウドサービスのIaaSとPaaSについても合わせて解説していきます。

SaaSとは

SaaS（Software as a Service）は、クラウドサービスの一形態です。クラウドサービスとは、インターネット経由で提供される、さまざまなサービスの総称を指します。SaaSはそのなかでも、ソフトウェアをクラウド上で提供するサービスモデルです。具体的なSaaSとしては、以下のようなサービスがあります。

・Dropbox

・Zoom

・Slack

他のクラウドサービス

以下は、SaaSと似た他のクラウドサービスです。それぞれについても紹介します。

・IaaS（Infrastructure as a Service）

・PaaS（Platform as a Service）

IaaSとは

IaaS（Infrastructure as a Service）とは、仮想化されたサーバーやストレージ、ネットワークなどのハードウェアリソースを、インターネットを通じて提供するサービスです。ユーザーは自身のソフトウェアやアプリケーションを動作させるための基盤として、クラウド上の仮想マシンやストレージを利用することができます。具体的なIaaSとしては、以下のようなサービスがあります。

・Amazon Web Services（AWS）

・Microsoft Azure

・Google Cloud Platform（GCP）

PaaSとは

PaaS（Platform as a Service）とは、ソフトウェア開発やアプリケーション実行のためのプラットフォームを、クラウド上で提供するサービスです。ユーザーはアプリケーションの開発や実行に必要な環境、ミドルウェア、データベースなどを提供されたプラットフォーム上で利用できます。具体的なPaaSとしては、以下のようなサービスがあります。

・Google App Engine

・Heroku

・IBM

DX推進におけるSaaSのメリット

変わりやすい経営環境のなか、デジタル技術などを活用しながら企業価値を高め、市場での競争力を強化するために、企業変革をする取り組みのことをDXと言います。SaaSはDXの取り組みにおいて、ぜひ取り入れたいサービスの一つです。以下で、DX推進におけるSaaSのメリットを解説していきます。

業務プロセスを効率化する

SaaSを導入することで、タスクの自動割り当てやワークフローの自動化、承認プロセスの自動化など、仕事上の煩雑な手続きを効率化します。これによって作業の正確性とスピードが向上し、生産性が高まるでしょう。SaaSによって新しいソリューションを導入し、業務プロセスの改善や効率化を実現できるため、DX推進をサポートします。

イノベーションとデータ活用を促進する

SaaSは最新の技術や機能を簡単に導入できるため、企業は新しいビジネスモデルやサービスの開発に取り組みやすくなります。そのため競争力を向上させるためのイノベーションを促します。

また、SaaSはデータ分析や機械学習などの高度な機能を提供するサービスも多くあるため、これらを活用することで企業はデータに基づいた意思決定を行いやすくなります。DX推進における手段として重要視されているデータ活用が進むことで、効率的なビジネス戦略の立案やこれまで気づかなかった市場分析、顧客対応の改善策などを得やすくなるでしょう。

グローバルな連携を可能にする

国際的なビジネス展開もDXの一環であり、異なる地域や国のチームと連携することで、グローバルな市場での競争力を向上させることにつながるでしょう。SaaSを利用することで、地域に関係なく共通のプラットフォーム上でデータや文書の共有、コミュニケーションが容易になるからです。

また、ビデオ会議やチャットツールなどのSaaSを活用すれば、リアルタイムでのコミュニケーションやディスカッションも円滑に行えます。SaaSはグローバルな市場での競争力向上に貢献し、国際的なプロジェクトや取引においてスムーズなコミュニケーションと連携をサポートするでしょう。

SaaSのデメリットと利用の注意点

SaaSはクラウド上で提供されるため、常にインターネット接続が必要です。ネットワークの不調や接続の遅延などが発生すると、システムへのアクセスやデータの取得が困難になる場合があります。そのため、信頼性の高いネットワーク環境を確保することが大切です。バックアッププランや冗長化の導入など、インターネット接続に関するリスク対策をしておきましょう。

また、SaaSは汎用的なソフトウェアサービスであるため、企業独自の要件に合わせたカスタマイズが難しい場合があります。さらに企業情報や個人情報をサーバー上で保管するため、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティ上のリスクも考えられるでしょう。適切なセキュリティ対策を講じることも重要です。

DXの推進に役立つSaaSのツール代表例

業務プロセスの改善や効率化、情報共有の円滑化など、SaaSはDXを推進する上で欠かせないツールです。SaaSにはさまざまなタイプがありますが、ここではシンプルに理解できるように、以下の3つの種類に分類して解説します。

・ビジネス管理ツール

・コラボレーション＆プロジェクト管理ツール

・データ＆セキュリティツール

具体的なツール例と合わせて、それぞれのツールを見ていきましょう。

ビジネス管理ツール

ビジネス管理ツールとは、企業が必要とする基本的な機能を提供するツールです。具体的には、企業の運営に関わる業務をサポートするもので、顧客関係管理（CRM）、企業資源計画（ERP）、人事管理（HRM）、財務管理などが含まれます。具体的なツール例は以下のとおりです。

・Salesforce

・SAP

・Workday

ビジネス管理ツールは、業務プロセスの自動化や効率化に役立ち、生産性向上やエラーの低減、作業時間の短縮などを実現します。また、リアルタイムなデータ収集、分析、可視化が可能なものもあり、経営者や担当者は客観的なデータに基づいた意思決定が可能です。そのため迅速かつ正確な経営判断をしやすくなるでしょう。

コラボレーション＆プロジェクト管理ツール

コラボレーション&プロジェクト管理ツールとは、チーム間のコミュニケーションをとったり、共同作業やプロジェクト管理を効率化したりするためのツールです。具体的なツール例は以下のとおりです。

・Slack

・Microsoft Teams

・Trello

コラボレーション&プロジェクト管理ツールは、企業内のコミュニケーションや協力体制をデジタル化することで、DX推進に役立ちます。リアルタイムで情報共有やタスク管理を行えるため、従業員の生産性の向上や迅速な意思決定のサポートが可能です。また、リモートワークやフレキシブルな働き方の実現にも役立つため、企業の組織変革にも寄与するでしょう。

データ＆セキュリティツール

データ&セキュリティツールとは、ビジネスデータの分析・可視化（BI）、マシンラーニング、セキュリティ、コンプライアンスなど、データ活用やその保護をサポートするツールです。具体的なツール例は以下のとおりです。

・Tableau

・Powecr BI

・Cloudflare

データ&セキュリティツールは、データを活用した意思決定のサポートや情報セキュリティの強化によって、DXを推進します。データツールは、ビジネスインサイトの獲得や予測分析を行って、データドリブンの戦略を立てるのに役立ちます。セキュリティツールは、企業のデジタル資産やプライバシーを保護し、リスク管理の強化が可能です。

DX推進する上でSaaSを活用する方法

DXを推進する上でSaaSを活用するには、以下の手順で活用すると良いでしょう。

1. 1. 既存のプロセスの見直し
2. 2. SaaSツールの選定
3. 3. SaaSツールの導入
4. 4. ワークフローの改善

まずは、DXにおける課題や改善点を洗い出し、既存のプロセスを見直すことが重要です。具体的には、業務フローの見直しや、タスクの整理、情報共有の改善などを行います。

次に、適切なSaaSツールを選定し、試用期間を設けて利用してみることが大切です。使い勝手、コストなどを検討した上で、導入を決めましょう。

導入後は社員にトレーニングを行い、活用率を高めることが重要です。導入したら改めて業務フローの見直しや、ワークフローの最適化も行いましょう。

SaaSの効果的な活用でDXを推進しよう

DXではツールを活用して業務をデジタル化したり、迅速な意思決定ができるようデータを活用したりすることで、企業変革を促します。SaaSは、業務のデジタル化やデータ活用をスムーズにするため、DX推進においてとても重要なツールとなります。自社にあったSaaSを導入することで、DXを効果的に推進できるでしょう。

しかし、自社のDXの目的に沿ったツールを導入しないと、効果は半減してしまいます。また、ツールを導入するだけで満足してしまい、企業の変革につながらずDX実現ができないといった企業も少なくないでしょう。

DX推進のためのSaaS選定には、適切なDXに関するリテラシーも必要です。STANDARDでは、DX実現をサポートするサービスとして、従業員へのDXリテラシー教育をするための「DXリテラシー講座」や、次世代のDX人材育成のためのソリューションを提供しています。

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