【法務のAI活用事例】契約業務効率化と属人性の排除 - 株式会社STANDARD

【法務のAI活用事例】契約業務効率化と属人性の排除

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. 法務について
  2. 法務の抱える課題
  3. 法律×AIの活用事例
  4. まとめ

法務について

法務は企業に欠かせない役割のひとつです。日々の契約締結から、法律改正の際の社内体制の整備など、法務の仕事は多岐に渡ります。

特に近年はコンプライアンス(法令遵守)の意識を高めることが企業に求められています。従業員が不祥事を起こすことで、企業価値が大きく毀損されてしまうこともあります。

SNSの普及により、社員が発信力を持つこともあり、ふとした個人の発信内容が大きな問題に発展し、企業としての対応が求められる事態にもなりうるのです。

社員一人ひとりの行動を完全に管理・統制することは不可能な中で、これらのリスクを管理するのは非常に難しいことです。そのため、企業法務に求められる役割は年々大きくなっていると言えます。

一方で、着実な進歩も見られます。いわゆるLegal Tech(リーガルテック)の普及です。

例えば、契約締結がオンラインで行える電子契約・署名が広まっています。オンライン上で契約を完結させられるので、提携の際に書類を準備するコストや書類管理コストが縮減できています。

法務の抱える課題

法務が抱えている課題は大きく下記の2つが挙げられます。

1.人間の目視による契約リスクの見落とし
2.属人性の高い契約審査とナレッジの蓄積

人間の目視による契約リスクの見落とし

契約書のレビューは、膨大な文章量を人間の目視で行うため、時には見落とされることもあります。

法務の中には、1日の半分の時間を契約書レビューに割いている場合もあります。それだけの長い時間、集中して契約書の内容を精査するのは困難です。

法務のリスクコントロールは、最も大切なものと言えるので、内容によっては取り返しのつかない大きな損害を被ることもあります。

そのため、確実かつ効率的に契約書のレビューを実行する必要があります。

属人性の高い契約審査とナレッジの蓄積

契約審査は、担当者のスキルと経験に依存してしまうことがあります。そのため、レビュー結果に違いが生じたり、作業時間の予測や結果の内容に差が生まれることがあります。

法務においては、企業として条文の解釈を統一することが求められます。都合のいい解釈ばかりを用いると矛盾が発生してしまうリスクもあるため、担当者によって審査内容に差が出てしまうことは問題となります。

また、適切にナレッジが蓄積できておらず、こうした基準の統一ができていない、という課題を抱える企業も多くあります。

法務人材の育成に悩む企業も多く、ベテラン社員の負担が増えています。広く取り入れられているジョブローテーションなどで、若手の法務担当を育てても、他の部署に異動してしまうこともよくあります。

このように専門人材が育成できず、社内にナレッジやノウハウがうまく蓄積されないことは、法務の業務効率化を阻害する要因となっています。

関連記事:属人化の3つのリスクと解消方法を丁寧に解説!

法律×AIの活用事例

AI-CON Proを活用した 契約書レビュー

(引用:AI-CONPro導入事例)

事例

『AIを活用した契約書レビュー支援サービス』では、法律業務の効率化と更なるコスト削減を目的とした、効率的な契約書レビュー支援を実施しています。

契約書レビューを人工知能(AI)に任せることで、人員の負担軽減と業務の効率化を可能にしました。

課題

従来は、事業部門が他社と契約を取り交わす際、法務部門の人間が契約書の内容チェックをすべて目で行い、長い契約書の項目をチェックする作業を繰り返すこともありました。

そのため、レビュー業務の負担が大きく、チェック漏れが起こるリスクがありました。

また、レビュー業務に時間がかかるため、「新規事業への対応(企業が成長するように法律的な側面からアドバイスすること)」などの他の業務に時間を使うことができませんでした。

解決策

契約書レビューを人工知能(AI)に分析させることで、法務部門の負担軽減と良質な情報が得られることを目指します。

まず、これまでに蓄積してきた過去の自社の契約書ひな形・オプション条項・解説書・契約書をAIに学習させます。

これまで適用してきた契約審査基準を元に、各書類からのデータ抽出や比較を自動化することで、契約書レビュー時間が短縮されました。

効果

審査業務に必要な時間を50%ほど削減することに成功しました。

また、審査時間が短縮されたことで、関連部署とのコミュニケーションが増えて、実務をより理解して契約書レビューができるようになったり、よりタイムリーに法改正の情報を収集できるようになったり、緊急性が低いが重要である仕事に割ける時間が増えました。

RICOHの法務支援クラウド

(引用:RICOH Contract Workflow Service導入事例)

事例

RICOHは、『RICOH Contract Workflow Service』という、クラウドにより法律業務の統合と法律業務の効率化を可能にする法務支援クラウドサービスを提供しています。

課題

従来は、法律相談の問い合わせや登録契約数等が増え、システムの応答時間に問題があり、サーバーに負荷がかかっている状態でした。

また、様々な場所に散らばった書類を効率良く集める事ができていませんでした。法務相談と契約書管理のサーバーがそれぞれ独立していたため、データの連携もできていませんでした。

さらに、契約情報の更新作業も徹底されておらずめ、最新の正確な情報を管理できていませんでした。

解決策

法務支援クラウドサービス導入により、異なる業務の統合と各データの更新結果が反映され、誰もが最新の更新結果を知ることができるようにしました。

また、AIによって、各部署が法務部への問い合わせが必要か否かの判断を自動化し、現場業務の効率化を目指しました。審査業務も自動化することで、全体の効率化を図りました。

効果

クラウド化を通じて、異なる業務を連携させたことで、正確なデータの更新ができるようになり、現場業務の快適性、利便性が向上しました。

また、不要な法律相談に掛かっていた時間を縮減することで、各部署と法務の無駄な稼働をなくし、コストの削減に成功しました。

まとめ

今回は、法務におけるAI活用事例について取り上げました。

契約書レビューや法律相談の仕事を効率化することにより、法律的な側面から会社を守り、事業成長に集中できるようになっています。

海外では広く普及しつつある、リーガルテック。今後は、日本でも海外のようにAIを活用し、法律業務がさらに効率化されていくことが期待されています。

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