生成AIとは?メリットや活用方法、主なツールを徹底紹介 - 株式会社STANDARD

生成AIとは?メリットや活用方法、主なツールを徹底紹介

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. 生成AIとは
  2. 生成AIのメリット
  3. 生成AI活用の手順
  4. 生成AIを利用できる無料・有料ツール
  5. 生成AIによる今後のDX推進やビジネスへの影響
  6. DX時代には生成AIを使うためのスキルが必要

ChatGPTや生成AIについてのニュースや情報をよく聞くけれど、何ができるのかよくわからない、試してみたいけれど何から初めて良いのか途方に暮れているといった方はいませんか?経済産業省のレポートによると、生成AIの活用は今後ますます広がり、デジタル化が加速されて生産性を向上し、さまざまな社会課題の解決にも役立つ可能性があるとの言及がされています。生成AIを活用するスキルは、今後必須となっていくでしょう。

この記事では、以下の内容を中心に生成AIについて徹底解説しています。

  • 生成AIとは
  • 生成AIのメリット
  • 生成AIのやり方
  • 生成AIを利用できる無料・有料ツール

生成AIの理解を深めたい方はぜひ参考にしてください。

生成AIとは

生成AIとはそもそもどのようなものなのでしょうか?定義や仕組み、従来のAIとの違いや、生成AIの種類などを詳しく解説します。

生成AIの意味と仕組み

生成AI(Generative AI:ジェネレーティブAI)とは人工知能の一種であり、データから新しい情報やコンテンツを生成する能力を持つAIシステムを指します。生成AIは、自動的にテキスト、画像、音声、ビデオなどのデータを生成することができ、その生成物は人間が作成したかのように創造的なものも多々あります。

仕組みとしては機械学習やディープラーニングのアプローチを使用して、大量のデータからパターンやルールを学び、それをもとに新しいコンテンツを生成します。

従来のAIとは

現在主流になりつつある生成AIに対して、従来の主なAIのタイプは識別系AIです。生成AIは新しいデータを生成することに焦点が当てられていて、既存のデータから学習して新たにデータを生成します。

それに対して識別系AIは、与えられたデータを分類したり、特定のラベルやカテゴリに関連付けたりするタスクに焦点が当てられています。例えば、ある画像が犬か猫かを判別するといったタスクなどが得意です。

両者は異なるアルゴリズムによるアプローチを取っていて、生成AIはクリエイティブなタスクに対応できるのに対して、識別系AIは分類と予測のタスクに長けています。

生成AIの5つの種類

生成AIではさまざまなメディア形式で情報やコンテンツを生成することが可能です。以下5つについて主な使用方法を紹介します。

  1. 文章の生成
  2. 画像の生成
  3. 動画の生成
  4. データの補完
  5. 3Dモデルの生成

・文章の生成

文章の要約や翻訳、文章のスタイルの変更、小説の執筆、詩の生成、ニュース記事の生成などができます。

・画像の生成

イラストの自動生成や風景の合成、写真の修復、顔の表情変更、スタイル変換などができます。

・動画の生成

アニメーションの自動生成、映画の特殊効果の追加、フレームの修復、映像のスタイル変更などができます。

・データの補完

欠損データの予測、画像修復、音声のノイズ除去など、不足しているデータや欠損している情報を補完することができます。

・3Dモデルの生成

物体、建築物、キャラクター、3Dプリント用モデルなどの生成ができます。

生成AIのメリット

生成AIを利用することによって、企業にはさまざまなメリットがあります。例えば、マーケティングやコンテンツ制作において、生成AIを使用することで高品質なコンテンツを迅速に生成できます。広告やブログ記事、SNS投稿など、日々多様なコンテンツを作成して発信する必要がある現代のビジネス環境では、生成AIをうまく活用することで時間や手間を大幅に節約して、作業を効率化することができるでしょう。

また、生成AIは新たなアイデアやデザインを提案する能力も持っています。これによって、新製品や新サービスの開発、業界内でのイノベーションを促進し、さらにそれによって従業員のクリエイティビティをより刺激することにもつながるでしょう。

さらに生成AIを活用してカスタマイズされたコンテンツや提案を提供することで、顧客のニーズや好みに合った情報やサービスの提供につながる可能性もあります。そうなると顧客エクスペリエンスも向上します。

生成AI活用の手順

使用するツールや生成物などによってそれぞれ細かい使用方法は違いますが、生成AIの基本的な活用の流れを紹介します。

1.何を生成したいのかを決める。

テキストや画像、動画、音声など、まずはどのようなコンテンツを生成したいのかを決めましょう。

2.ツールを選ぶ

生成したい物に応じて適切なツールを選びましょう。例えば文章の生成なら「ChatGPT」、画像の生成なら「Stable Diffusion」などがあります。生成物の種類別におすすめツールを次の章で紹介しているので、そちらも参考にしてください。

3.データを入れて生成する

プロンプトと呼ばれる指示文などのデータを入力して、コンテンツや情報を生成しましょう。一度のデータ入力で、理想的なものができあがるとは限りません。その場合は、希望の生成物ができあがるように、データ入力の内容を試行錯誤してみましょう。そうすることによってAIがトレーニングされ、より良い結果が得られるようになっていきます。

生成AIを利用できる無料・有料ツール

ここからは実際に生成AIを利用できるツールを紹介します。ビジネスなどさまざまシーンで汎用性の高い文章の生成、画像・イラストの生成、動画の生成、音声の生成ができるおすすめツールをそれぞれピックアップしました。無料で使える物がほとんどのため、ぜひお試しで使ってみて、ビジネスにも活用してみてください。

おすすめの文章の自動生成ツール

テキストや文章を自動生成する2つのツールを以下で詳しく紹介します。メールの返信文の作成や、ブログ・SNSの記事作成、翻訳、小説や詩の創作などで活用できるでしょう。

ChatGPT【無料】

ChatGPT

  • 無料での利用可。有料版もあり。

ChatGPTは、自然言語処理モデル「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)を基にした、対話型のAIツールです。指示文を入力し対話を通じて、情報提供や質問応答、コンテンツ生成、テキスト要約、翻訳など、さまざまなタスクに対応できます。

ChatGPTは一般的な情報や一般的なトピックに関しては得意な傾向がありますが、2021年9月までの情報に基づいているため、リアルタイムの情報に関わることは正しい答えが得られません。最新の情報源が必要な場合は、自身で確認することが大切です。また、答えてくれる内容は必ずしも正しいとは限らないため、生成した文章はそのまま転記などせず、必ず人間の目によるチェックもしましょう。

Bard【無料】

Bard

  • 無料

Bardは、LaMDA(Language Model for Dialogue Applications)に基づいて開発された、言語生成のAIツールです。指示文を入力することで、希望の文章やテキストを生成します。ChatGPTと似ていますが、生成する文章の傾向としてはChatGPTが創造的な文章の生成に優れているのに対して、Bardは、事実に基づく質問に対する回答に優れています。

BardはGoogle検索を通じてリアルタイムの情報にアクセスして処理できるため、最新の情報にもとづいた回答を提供できるのが特徴です。しかし、答えてくれる内容は必ずしも正しいとは限らないため、こちらも生成後はチェックするようにしましょう。

おすすめの画像・イラストの自動生成ツール

画像やイラストを自動で生成する2つのツールを以下で詳しく紹介します。アート作品の生成や、エンターテイメントとして現実に存在しない新しいキャラクターや世界の創造、商品のデザインなどで活用できるでしょう。

Stable Diffusion【無料】

Stable Diffusion

  • 無料

Stable Diffusionは、テキストから画像を生成するツールです。潜在拡散モデルという技術を利用することで、ノイズがより少なく、安定して高品質な画像を生成することができます。現実的な画像から架空の画像まで、幅広い種類の画像生成が可能です。

生成される画像はオリジナルのものではありますが、著作権で保護されている画像と類似することもあるため、著作権の侵害にならないように注意しましょう。

Midjourney【有料】

Midjourney

  • 有料

Midjourneyは、Discordというチャットアプリ上でテキストを入力することで、画像を生成できるAIサービスです。生成された画像はDiscordのチャットチャンネルで巻単位共有することもできます。

GAN(Generative Adversarial Network)という技術を利用しています。Stable Diffusionに比べると、より芸術的で独創的な画像の生成に向いています。

おすすめの動画自動生成ツール

動画を自動で生成する2つのツールを以下で詳しく解説します。リールやショート動画、SNS用の動画、ビジネスやマーケティング用の動画、エンターテイメント用の動画などの作成で活用できるでしょう。

FlexClip【無料】

FlexClip

  • 無料での利用可。有料版もあり。

FlexClipは、ブラウザ上で動画編集できるサービスです。操作が簡単で豊富な素材が用意されているため、初心者でもプロのような動画を作成できます。

通常の動画編集の機能に加えて、「AIテキストから動画へ」という機能があります。テキストによる指示文を入力することで、自動的に写真や動画を選択して動画を生成することが可能です。

使用する素材の中には著作権のある素材も含まれています。著作権のある素材を使用する場合は、必ず著作権者の許諾を得るよう注意しましょう。

Fliki【無料】

Fliki

  • 無料での利用可。有料版もあり。

Flikiは、テキストから画像や動画を生成できるAIサービスです。画像やBGMなどメディアライブラリのストックが豊富なのも特徴です。ボイス音声もAIで作成でき、とても自然な声を生成できます。テロップの自動生成も可能です。ショート動画やInstagramのリールやストーリーズの作成にもおすすめです。

無料版だと月5分までの動画のみ作成可能なため、長時間の動画や複数の動画を作成したい方は、有料版を活用すると良いでしょう。

おすすめの音声自動生成ツール

音声を自動で生成する2つのツールを以下で詳しく解説します。製品やサービスの紹介動画のナレーション用や、ポッドキャストやラジオ番組などの音声コンテンツ用、音声アシスタントやチャットボットの返答用などの音声として活用できるでしょう。

CoeFont STUDIO【無料】

CoeFont STUDIO

  • 無料での利用可。有料版もあり。

CoeFont STUDIOは、テキストを入力することで、有名人やアニメのキャラクター、アナウンサーなど希望する声で音声を生成できるサービスです。年齢や性別もさまざまで、全部で5,000種類以上の声の中から活用したいシーンに合わせて選ぶことができます。言語は英語と中国語に対応しています。

無料版だと、声の種類に制限があるため、フルで活用したい場合は有料版を選ぶと良いでしょう。また、自身の声を収録してAI音声として利用できるサービスも提供しています。

Text-to-Speech【無料】

Text-to-Speech

  • 無料での利用可、有料版もあり。

Text-to-Speechは、テキストを音声に変換するクラウドベースのサービスです。テキストを入力するだけで、自然な発声の音声を生成することができます。50以上の言語に380種類以上の音声の選択肢があります。イントネーションなど人間らしい自然な音声の生成が可能です。

声の高さや発話のスピード、ボリュームのコントロールもできます。自社のイメージに合った、より自然なオリジナルの音声の作成サービスも提供しています。料金は、音声合成をした文字数によって変わります。

生成AIによる今後のDX推進やビジネスへの影響

ChatGPTを初め、次々と新しい生成AIのツールが出現し、それらを活用した事例などがたくさん情報として入ってきて戸惑っている方も少なくないのではないでしょうか。複雑そうだなと敬遠したくなる気持ちはあるかもしれませんが、今後ますます生成AIを活用するスキルが求められるでしょう。

経済産業省が公表している『生成AI時代のDX推進に必要な人材・スキルの考え方』によると、生成AIの技術は今後も急速に進展することが見込まれています。レポートでは「生成 AI の技術は、日本の生産性や付加価値の向上等を通じて大きなビジネス機会を引き出すとともに、様々な社会課題の解決に資する可能性にも繋がることが見込まれる」と言及されています。

さらに、企業視点からは「生成AIの利用によってDX推進を後押しすることが期待」されていると言及があることから、企業のDX推進や競争力の向上のために生成AIを使いこなす能力は企業が知っておくべき重要なスキルの1つとなるでしょう。

DX時代には生成AIを使うためのスキルが必要

テキストなどを入力するだけで、さまざまな文章や画像、動画などを瞬時に作ることができる生成AIについて解説してきました。ChatGPTなど、聞いたことはあるけれどまだ使ったことがないという方は、ぜひこれを機に試してみてはいかがでしょうか。

生成AIを活用すれば、コンテンツ制作などこれまで何時間もかかっていたような作業も品質を落とさずに、時間や手間をかなりカットして制作することが可能です。これによって、情報発信のスピードや量が向上したり、他の重要な業務にもっと時間を割くことができたりと大幅な仕事の効率化を図れるでしょう。デジタル技術やデータの活用が求められるDX推進においても、今後ますます生成AIの活用が必要となってきます。

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