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10の身近なDX事例|自社DXにおける事業アイデアの重要性について

目次

社内でDX推進を任されたものの、「何から手を付けたらいいのか分からない」「試しにやってみたが上手くいかなかった」といった経験をお持ちの担当者も多いのではないでしょうか。前例のない自社DXともあって手探りの状況が続いていることでしょう。そこで今回は自社DXの事業アイデアを考える機会として、10個の身近なDX事例を紹介します。普段利用しているサービスがある業界DXの先駆けであったり、企業内での取り組みがDXのファーストステップに位置づけられたりすることもあるため、今後の施策展開に悩まれている方は参考にしていただけますと幸いです。

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日常生活における身近なDX事例

日常生活における身近なDXとは一体どのようなものなのでしょうか。住んでいる地域によって、日常生活で見聞きするもの・体験するものは異なるため、そうした背景を踏まえ、分かりやすいDX事例を集めてみました。もしかすると普段利用している「あのサービス」もDXの成功事例の1つかもしれません。

モバイルオーダー

モバイルオーダーとは、主に飲食店などで導入が進んでいる「遠隔注文サービス」のことを指します。とりわけ有名な例として、マクドナルドの「マクドナルド モバイルオーダー」や、スターバックスの「Mobile Order & Pay」などが挙げられるでしょう。モバイルオーダーは文字通り、スマートフォンなどのモバイル端末から遠隔で商品の注文を行えるように設計された機能で、専用アプリもしくはWEBブラウザから利用することができます。

モバイルオーダーのメリットとして①非接触型の注文方法であること、②レジ前の渋滞の緩和、③キャンペーンの効果的な配信、④顧客データの収集、などが挙げられます。ユーザーはモバイルオーダーを利用することで、コロナ禍における感染症予防対策の1つとしてメリットを享受できます。また店舗側は、ユーザーのレジ注文の機会が減少するため、従来であればレジ業務を担当していた人員を「商品調理」や「接客業務」へと充てることが可能となります。こうしたメリットを持つモバイルオーダーは「コロナ禍における顧客への新しい価値提供として機能し、従業員の負担を軽減する」という一石二鳥の結果を生んでいます。

セルフレジ

一部の地域ではコロナ禍における非対面販売のニーズに応えるため、自分でレジ作業を行う「セルフレジ」(無人レジ)の導入が進んでいます。セルフレジは主に企業内売店やコンビニエンスストアなどで導入が進められ、有人販売では難しかった24時間営業を実現するなど、利用者のニーズに応えるDX事例となりました。実際、心幸ホールディングス株式会社が、現在社内売店がある工場に勤めている方109名を対象に「社内売店に関するアンケート調査」を行った結果では、35.3%が「営業時間が短い」と回答しています。

これまではレジ業務を有人で対応していたために、深夜の営業が難しい企業内売店・コンビニエンスストアも多かったことでしょう。しかしセルフレジの導入により、深夜時間帯でも営業を続けることができるようになるため、深夜帯を利用するユーザーへのアプローチはもちろん、営業利益も期待できるようになります。加えて昼間の有人対応時間帯でもセルフレジは稼働できるため、コンビニスタッフの人員不足や人件費削減の課題への対処方法の1つとしても注目されています。

フードデリバリーサービス

都市部や人口の多い地域をサービスエリアとして展開しているのが「フードデリバリーサービス」です。文字通り、店舗で調理した商品を配達員がユーザー宅へ届けるサービスとなります。この配達サービス自体は「出前」と言われ古くから親しまれていますが、フードデリバリーサービスが出前と異なる点として「規模」と「即時性」、「デジタル端末を使った注文・管理」が挙げられます。

「出前」の注文方法といえば電話やFAXが知られていますが、フードデリバリーサービスの注文方法は「専用アプリ」もしくは「WEBブラウザ」となります。ユーザーは特定の店舗を予め決めて商品を閲覧するのではなく、フードデリバリープラットフォームにラインナップされている店舗・商品を閲覧し、その後に好みの商品を注文することができます。またデジタル化された注文プラットフォームを利用するため、専用アプリまたはWEBブラウザ上で決済処理を完了させることが可能です。この商品注文における自由度の高さや規模、決済完了から商品受取までのスムーズなプロセスなどが新しい顧客体験(DX)といえるでしょう。代表的なフードデリバリーサービスには「Uber Eats」「出前館」「Walt」があります。

配車サービス

タクシーや専用車を専用アプリを使って指定した時間に配車できるサービスも身近なDX事例の1つといえます。これまでの配車サービスといえば、最寄りのタクシー会社に電話し、口頭で配車希望時間と住所を伝えていました。しかし慣れない土地でのタクシー配車や、住所の分からない場所・状況での配車は難しく、また「急いでいる時にタクシーが捕まらない」といったデメリットも多く発生していたのが実情といえるでしょう。

専用アプリを使った配車サービスは専用アプリで時間指定できるだけでなく、位置情報を頼りにした配車場所設定、自動支払機能、流しで走行中のタクシーがアプリ上で確認できる機能など、従来の配車サービスのデメリットを払拭する形で日々改良が進められています。配車サービスは次世代の交通「MaaS(Mobility as a Service)」としても広く認知され始めており、代表的なサービスにはタクシー配車アプリの「GO」や「DiDi」があります。

月額制動画配信サービス

NetflixやFuluといった月額制動画配信サービスも身近なDX事例の1つです。昨今新しいビジネスモデルとして注目を集めている「サブスクリプション」を取り入れた動画配信サービスで、ユーザーはプラットフォーム内にラインナップされている動画を視聴する権利を得ることができます。動画そのものを購入・所有するのではなく、視聴する権利を「期間」で契約するのが月額制動画配信サービスの特徴といえます。

月額制動画配信サービスはコロナ禍における「お籠もり需要」にマッチし、映画や動画、見逃してしまったテレビ番組の再放送など、幅広いユーザーニーズに対応した結果、瞬く間に全世界へと普及しました。無料動画配信サービスのYoutubeやニコニコ動画が当時の人々に衝撃を与えたように、今日の月額制動画配信サービスも既存の顧客体験を乗り越える形でユーザーへと届けられています。

AI家電

Alexa(アレクサ)の愛称で親しまれる「スマートスピーカー」なども、身近なDX事例の1つといえます。従来のスピーカーであればボタンを押して音楽を再生したり、Bluetoothを利用して遠隔で音楽を再生したりすることが常でした。しかしスマートスピーカーは人間の音声を聞き取って音楽を再生したり、状況や時間帯に応じて会話・楽曲の再生を行ったりすることができます。つまり従来の機器に「AI機能」が付与された存在なのです。

スマートスピーカーのようなAI機能が搭載されたAI家電は普及が進み、お掃除ロボット「ルンバ」を家庭に備えている方も多いでしょう。AI家電は「人間の指示なく判断し、動く」ことがポイントであり、様々な状況をトリガーとして利便性・快適性を向上させています。例えば「ルンバ」は、部屋の間取りを学習し、掃除ルートを徐々に最適化することが可能です。また専用アプリを用いて侵入禁止箇所の指定や、重点掃除箇所を指示することができます。

NFTアート

「NFTアート」の浸透も身近なDX事例の1つとなります。NFT(Non-Fungible Token)は日本語で「非代替性トークン」といい、ある作品の「作成者」や「所有者」、「取引履歴」などをブロックチェーンの技術を用いて証明することが可能です。NFTは特にデジタルアートの業界で注目を集めており、「複製が容易で作成者・所有者の証明が困難であった」という従来のデメリットを克服する形で急速に広がりを見せています。

このNFTアートの浸透は「一般の人々が手軽にアート作品を所有する」機会を創出し、新しい経済圏を形成することになりました。また所有しているNFTアートはブロックチェーンの仕組みを利用して取引することが可能であり、日本の小学生が描いたアート作品に380万円の価値がついたニュースは記憶に新しいことでしょう。現在は投機価値の高い存在として注目されているNFTアートですが、アートをより身近なものにし、デジタルデータの所有権を証明する仕組みの先駆けとして今後も浸透していくのではないでしょうか。

企業における身近なDX事例

一方で企業における身近なDX事例にはどのようなものがあるのでしょうか。気付いていないだけで、いつの間にかDXのファーストステップを踏み出している企業もありますので、この機会に確認しておきましょう。

アナログ業務のデジタル化

企業における「アナログ業務のデジタル化」は、DXのファーストステップに位置づけられます。業界・業種にもよりますが、アナログ業務をデジタル化するステップは従業員の負担軽減や業務の省力化、コスト削減といった様々なメリットをもたらします。またアナログ業務をデジタル化することにより、様々な情報をデジタルデータとして保存することが可能になるため、次のステップである「業務自動化」への体制を整えることができます。

AI・RPAツールを使った業務自動化

既に業務のデジタル化が進んでいる企業にとって、「AI・RPAツールを使った業務自動化」はDXのステップとして捉えることができます。DXには業務体制の変化や制度面の変化といった「企業内の変革」を通じて顧客への提供価値を最大化し、最終的には業界のビジネスモデルを変革するようなムーブメントを起こす、といった意味が込められています。したがってAI・RPAツールを活用した業務自動化は、従業員の働き方に変化を及ぼし、顧客への提供価値を最大化するプロセスに直結します。

SFA・MA・CRMツールの導入

AI・RPAツールを使った業務自動化と並び、「SFA・MA・CRMツールの導入」もDXの重要なステップとして認識しましょう。DX推進において、既存の業務体制を整理し、顧客への提供価値を最大化する思考は必要不可欠です。そうしたプロセスを作り出すために、顧客情報を効率的かつ広範囲に取得し、リストの持つ価値を最大化させる自動化ツールの導入が必要となります。また「収集した顧客データをいかに活用可能なデータへと変換させるか」といった思考も重要です。SFA・MA・CRMツールの導入を通じ、社内のデータ活用基盤を整える一連の動きが、DXレポートで指摘されている「基幹システムの刷新」や「ベンダー企業との共創関係の構築」へと派生していくことでしょう。

DX推進のフェーズは主に3つ

DX推進には主に3つのフェーズがあります。まず1つ目がDX関連施策をバラバラに実施する「個別最適」のフェーズです。個別最適のフェーズでは、各部門が独立してPoC等を実施している状況であり、目的が部門内で閉じています。上述した「アナログ業務のデジタル化」や「AI・RPAツールを使った業務自動化」は主にフェーズ1として捉えることができ、未だ全社的な連携や取り組みには深化していません。

フェーズ2では各部門の個別最適施策の成果を吸い上げ、全社的な成果へと還元する「DX推進の集約組織(DX推進チーム)」が設置されます。先にDX推進チームが設置され、各部門の個別最適施策が実施されることもありますが、「全社的な連携・成果の共有」が目的となっているか否かでフェーズを分けることができます。先ほど紹介した「SFA・MA・CRMツールの導入」は一部署の個別最適に留まらず、他部署とのスムーズな連携も視野に入れた導入になるケースが多いため、フェーズ2として位置づけることが可能です。とはいえこの段階では「経営層の強いコミットメントがDX推進チームへの影響力を持っている」ことの方が重要であり、SFA・MA・CRMツールの導入が必ずしもフェーズ2に該当するとは限りません。

そしてフェーズ3では、DX推進の集約組織と経営層のトップダウンの指示により、DX戦略が立案され、部門間の連携が図られます。このフェーズに来ると、各部門は個別最適ではなく全社最適の行動に移っており、DX推進の本格的な成果が得られ始めます。しかしDXの取り組みは前例がないことも多く、また組織の変化も伴うため不確実性の高いプロジェクトとなります。したがってフェーズ3に到達しても短期的な成果は得られにくいでしょう。フェーズ3に到達した企業は経営者・経営層・DX推進チームが中心となり、中長期的なROIで施策を維持していくことがポイントとなります。

関連:【DX推進マニュアル】経営者の役割や行うべきこととは?

まずは自社DXを構想するための「事業アイデア」が必要

自社DXの構想には「解像度の高い事業アイデア」が必要です。上述したフェーズ1の段階からゆるやかにフェーズ2、フェーズ3へと移行するためには、全社的なDX施策としての事業アイデアが共有されていることがポイントとなります。個別最適で実施している各部門のDX関連施策は通常部門内に閉じているため、全社最適を目的とした施策に紐付いていなければ頓挫する可能性があります。したがって、各部門の個別最適施策が速やかに全社最適の施策へと繋がるために、事前にアイデアを全社的に共有することでゆるやかな連携を図る必要があるのです。

とはいえ前例のない自社DXでは、事業アイデアの創出を担う人材が不足している場合がほとんどでしょう。そのような場合にはDX支援を行う外部パートナーと協力し、自社DXの事業アイデアについて考える機会が必要です。経営層のみならず、全社的なワークショップ等を実施し、自社DXの目的や意義について理解を深めることが重要となります。

まとめ

自社DXのファーストステップを検討する企業様にとって、経営層を含めた全社的なDXリテラシーの向上は急務といえます。スタートの時点で「社員の自社DXに対する目線」を合わせることは、社員の強いコミットメントを引き出す機会となり、その後の推進スピードに大きく影響を与えます。

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