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DX・AIプロジェクト推進
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成果を出せないDX推進部署の苦悩 〜見落とされがちな役割分担の失敗〜

目次

はじめに

多くの日本企業に設置されている「DX推進部署」ですが、この部署の貢献度合いは長らく疑問視されて続けてきました。STANDARDでも450社以上のクライアントをご支援してまいりましたが、最初からDX推進部署が大活躍しているというお話を伺うことは、かなりレアケースです。

一体なぜ、DX推進部署は成果を出せないのでしょうか。実は、そこには努力だけでは乗り越えられない構造的な矛盾が潜んでいました。

ここでは、とある会社(以下では「A社」とします)で実際に伺ったお話をもとにその矛盾を解き明かしていきます。

とあるDX推進部署の苦悩

まずは、A社のDX推進部署がどんな課題を抱えていたのかをご紹介します。

未経験の社員で組成される

A社では、3年ほど前にDX推進部署が設立されました。経営企画部のいちセクションとして位置づけられたこのチームは、デジタル技術の知識をほとんど持っていない若手社員7名を中心に組成されました。ここから、彼らはわからないことだらけのDXに手探りで取り組んでいくことになりました。

ノウハウ不足と無謀なミッション

部署にノウハウと権限がないのにも関わらず、課せられたミッションは無謀なほどに重いものでした。経営層が言い渡したのは「デジタル技術を扱う横串部門として、すべての事業部のDXをリードせよ」という、かなりざっくりした指示でした。彼らは、このような八方塞がりの状況で、成果を出すことを求められることになりました。

何をすればいいのか誰もわからない

さらに都合の悪いことに、経営層にはDX推進の取り組みを評価できる方がいませんでした。DXとは何か、何ができれば成功と言えるのか、そのために何を目指すべきなのかが、すべて曖昧だったのです。

外部からのネタ探ししか評価されなくなる

目的意識が曖昧な状態が続いた結果、DX推進部署の成果は「何となくの、それっぽさ」で評価されることが日常になってしまいました。この状況下では、社内で独創的なプロジェクトを企画するよりも、外部ですでに高い評価を受けているベンチャーの情報を調べてくることの方が評価されるようになります。

ネタを押し付けられても現場は困ってしまう

そのため、DX推進部署では、シリコンバレーで流行っているテクノロジーについて調べたり、国内の有名なベンチャー企業と表面的なアライアンスを結ぶことばかりが仕事になっていました。たまにそれらの「成果」を現場部門で活用しませんかと提案するものの、現場も何にどう使えばいいのかわからず、お蔵入りするネタばかりが積み重なっていきました。

彼らはどうすればよかったのか

さて、A社ではDXの取り組みが停滞してしまいましたが、一体どうすればこの事態を避けられたのでしょうか。

ミッションの設定は間違っていない

DX推進部署のタイプはいくつかありますが、横串部門として全事業部のDXをリードするやり方もあります。実は、経営層の方々が設定したミッションは間違いではないのです。しかし、このタイプの組織を置く際には注意しなければいけないことがあります。

アジャイルな工程をすべて担うべき

最も注意しなければならないのは、現場部門との役割分担です。結論から言うと、DX推進部署はネタ探しにとどまらず、現場部門にできないアジャイルな工程をすべて担う必要があります。

ここで言うアジャイルとは、トライアンドエラーを繰り返して正解を探り当てていくアプローチを指します。一方で、対義語として最初に立てた計画を手戻りなく進めていくウォーターフォールというものがあります。(※1)

往々にして、日本企業の仕事の進め方はウォーターフォール一辺倒になっています。そのため、現場部門にはアジャイルな動きを求めず、代わりにその役目をDX推進室に任せることが推奨されます。

DX推進に取り組む際に必須!「アジャイル型のマインドセット」をわかりやすく解説!

担うのは、サービスを使い続けてもらうところまで

また、アジャイルな工程とは、以下の6つのステップを指します。

  1. デジタル技術を活用したサービスのアイデアを出す

  2. ユーザーヒアリングを通してニーズの検証をする

  3. 投資対効果を見積もり、実行に値するかどうかを見極める

  4. プロダクトをつくってみて、機能検証をする

  5. 少数の有償ユーザーにサービスを提供する

  6. 5.のユーザーの満足度調査と向上のための改善を行い、サービスを使い続けてもらう

また、ここで言うサービスとは、新規事業や業務改善に関わるものを指します。新規事業の場合はユーザーは外部のお客様、業務改善の場合は現場部門の社員となります。

すべては、現場部門が引き継げる状態を整えるため

6つのステップが完了したプロジェクトは「あとは人やお金をかけて拡大させていくだけ」という状態になっています。この段階まで進めることができてはじめて、ウォーターフォール専業の現場部門でも引き継ぎをすることができるのです。

つまりは、DX推進部署が新規施策の種を見つけ、芽を出すところまでを担い、そこから大きな幹に育てていくところを現場部門に引き継ぐのです。

思い返せば、A社のDX推進部署は1番最初のステップであるサービスのアイデア出しにしか取り組めておらず、ニーズ検証のステップから現場部門に引き継ごうとしていました。これではプロジェクトが上手く進まないのも納得です。

商品開発もマーケティングも、経営計画もすべて必要

そして、お気付きの方もいらっしゃるかも知れませんが、DXプロジェクト推進の6つのステップでは幅広いスキルが求められます。それは商品企画、マーケティング、経営計画など、まさに総合格闘技と呼べるようなレベルです。

ここまでの広範なスキルを身に着け、プロジェクト推進をすることは不可能ではないか、と感じられた方も多いのではないでしょうか。

それでは、どのようにして6つのステップを進めていけばよいのでしょうか。

会社としてのフォローアップが必要

もちろん、これらをすべて独力でやり遂げられる方はそうそういらっしゃいません。なので、当然会社としてのフォローアップが必要になります。

デジタル専門の外部パートナーとタッグを組む

ここで重要なのは、デジタルを専門とする外部パートナーがいるかどうかです。最初にもお話した通り、A社のDX推進部署には深い知見を持ったメンバーがいません。そのため、技術についての活用法を知っており、実装力も兼ね備えた外部パートナーが必要になります。

任せたいのは開発だけなのか、ビジネスの検証までか

また、パートナー選びの際には彼らにどこまでを任せたいのかを確認することが重要です。特に、ビジネス検証が終わっていない段階で開発だけを委託してしまうと、PoC(Proof of Concept)の後でビジネス化に躓き、いわゆる「PoC貧乏」になりがちです。アジャイルな工程のうち「3. 投資対効果を見積もり、実行に値するかどうかを見極める」までが終わっていない場合は、そこまでを引き受けてくれるパートナーを見つけることが必要です。

経営層の理解と権限移譲、予算確保が必要

しかし、外部パートナーのサポートを得ながら仮説検証をしていくとなれば、一定の権限移譲と予算確保が必要になります。そして、それができるのは経営層の方々だけです。DX推進部署に課していたミッションは、方向性は間違ってはいないものの、非常に難易度の高いものです。これを本当に達成しようとするならば、まずは経営層の理解とフォローアップが必要になるのです。

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