【DXの事例集】無理・無駄・ムラを改善した事例を一挙ご紹介!
この記事の目次
DXとは「デジタル技術を活用して付加価値を提供できる組織・文化を構築すること」を指します。実現させるための方法は「業務の効率化」と「提供価値の向上」の大きく2つに分けられ、そこから具体的な施策に落とし込んだものがDX推進です。今回は、実際に「業務の効率化」や「提供価値の向上」に成功したDX事例を紹介し、詳しく解説していきます。
業務効率化 – ムリを減らした事例
課題
ソフトバンク株式会社では、全国に約13拠点あるコールセンターの管理を行なっているセンター統括部で、携帯電話の拾得連絡の業務を扱っています。警察署から毎月6,000件近く届く携帯電話の落とし物通知依頼書の「転記業務の効率化」が課題となっていました。多い時にはオペレーター10名で行っても入力が終わらず、その結果メインの業務であるコールセンター業に支障をきたしていました。
解決策
ソフトバンク株式会社は個人情報を扱うため、会社で定めたネットワーク環境下でしか業務が行えません。
そこで既に導入している個人情報を扱うシステムのWinAxorとの連携が可能な、AI-OCRサービス『DX Suite』を導入しました。データ化したCSVを自社開発システムに入れた後、さらにRPAで専用システムに入れることでセキュリティを守りつつ自動化を実現させました。
成果
オペレーター10人で行っていた作業を、導入後には1人で完結させることができるようになり、月200時間分の入力業務削減に成功しました。またオペレーターはコールセンター業務に注力できるようになったため、顧客への対応速度向上にもつながりました。
(参照元:DX Suite)
関連:【コールセンターでのAI活用事例】AIを使った新しいコールセンターはここまで便利に
業務効率化 – ムダを減らした事例
課題
Jリーグのサッカーチーム、横浜F・マリノスはホームグランドを2つ持っています。7万人を超える動員が可能な日産スタジアムと、15,000人収容可能であるニッパツ三ツ沢競技場です。
ここでの課題は日産スタジアムでいかに動員数を増やすか、満席になりやすい三ツ沢競技場ではどのように収益を増やすかというものでした。
解決策
解決策として、ダイナミックプライシングを活用し、集客が見込める人気カードの時は料金を高く、反対にあまり人気のない試合の場合は料金を下げる施策を導入しました。
ダイナミックプライシングとは需要が高まる時期には価格を引き上げ、需要が低下する時期には価格を下げる方法です。先ほどの例のように、需要がある時はできるだけ収益の上積みを行い、需要がない時は空席や空室をなるべく無くす価格調整をします。ビッグデータを根拠にすることから、感覚値ではない、企業にとって最も有利な価格設定ができるようになり、自然に収益の最大化にも繋がるといえるでしょう。
成果
ダイナミックプライシングの導入により、値上げと値下げを組み合わせた観客誘導に成功し、前年度比で6倍の収益を得ることに成功しました。
(参照元:ferret)
業務効率化 – ムラを減らした事例
課題
製造業を営む企業において、多品種化に伴い、目視で品質を検査する業務は人材の業務時間や人件費の観点で大きな負担となっています。製造業界において、これらを解決することが喫緊の課題となっています。
ITの専門家でなくとも活用できる画像認識の仕組みを実現し、AIによる生産性向上効果を幅広い製品に広げていくことが急務です。
解決策
製品特性を左右する各種要因分類をAIで自動判別するシステムを導入しました。このシステムはノンプログラミングで画像解析を行うことができます。
成果
担当者は難易度の高い判別作業に集中できるため、従来の作業時間が半減し、品質検査の業務負荷の約5割削減が見込まれています。高度な専門知識は不要であるため、ITの特別な専門知識を持たない現場の検査担当者でも容易に活用できる環境を実現できました。
(参照元:NEC)
(引用元:NEC)
提供価値向上 – 悩みを捉えて改善した例
課題
三井住友銀行には、年間35,000件のお客様の声が寄せられていました。人手のみでタイムリーに内容を把握することは難しく、さらにはこれらをまとめあげるための時間や人件費が嵩んでいることが課題でした。
解決策
NECのテキスト含意認識技術を利用し、お客様応対履歴や営業日報等を書かれている内容別にグループ分けをおこなうシステムが開発されました。それらの情報や知見をさらに現場にフィードバックが可能なシステムです。
(出典:NEC)
成果
顧客の声を可視化できるようになったことで、分析が効率化されました。人の目以上に高度化された分析で、人の目ではそれまで抽出できなかった新たな意見を得ることにもつながっています。また、一定期間内にどのような意見がどのくらいあるのかを把握し、何がすぐに対応すべきことなのか判断できるようになりました。
(参照元:NEC)
関連:【銀行(金融)AI導入事例】レガシーシステムのリプレイスによる業務効率化
提供価値向上 – 独自の強みを磨いた例
課題
家庭教師のトライは約30年にわたり、生徒への指導方法や学習サービス、サポート体制に研鑽を重ねた独自の個別指導スタイルを築いています。指導の中で、生徒の習得効率を最大限に高め、習熟や演習段階における生徒のケアにより集中したいという課題がありました。
解決策
中学生・高校生向けのハイクオリティな映像授業サービスを提供しはじめました。
「これからの時代に教育は、もっと自由になることができる」という想いと、家庭教師のトライが持つ「人は、人が教える」という信念のもとに、スマホ・タブレット端末で受けたい授業を時間・場所を問わず自由に視聴でき、誰にでもわかりやすい映像授業のクオリティを提供できること特徴です。また、サービスをブラッシュアップしていく過程で、iPhone / Android アプリの開発にも着手し、一般の方も対象としたサービスへと展開していきました。
成果
リリース後、公式の会員登録者数は100万人を超え、特に定期テスト前になると数十万人の方がTry ITを利用するようになりました。また、家庭教師や塾でのサポート的活用にとどまらず、映像授業のみを取り扱った塾が設立されるなどビジネス面でも広がりを見せています。
(参照元:MONSTAR LAB)
(出典:トライプラス)
提供価値向上 – 新サービス開発をした例
課題
宅配便業界は典型的な労働集約産業であり、知識集約ビジネスへの変革が求められています。近年では、カーナビの普及によって目的地までのルート探索はしやすくなりました。しかし、宅配便のトラックは1日に70~100件もの荷物を届けるため、配送順路によって、配送を終えるまでの時間(=人件費)や燃料代にも大きな差が生じます。
解決策
一般的にはドライバーの経験則で配送順路が決められますが、これをデータ分析によって最適化するサービスが登場しました。配送ルートを決めるためのデータとして活用されるのは、Googleマップが提供している地図と渋滞情報に加えて、このシステムを利用しているドライバーのモバイル端末から収集するGPSのトラッキング情報です。
成果
運送業者が1日に巡回する配送先のリストをアップロードすると、最短の時間で配送できるルートが数秒で算定され、ドライバーのモバイル端末に送信されます。
実際にトラックが走行したルートの距離と時間が、地図のマトリックス上に記録されて、最短で配達ができる順路を導き出してくれます。
Route4Me社は、毎月ドライバー10万人以上のモバイル端末をモニタリングして、年間で6000万回に及ぶ集荷と配達の履歴データを蓄積しています。同システムを利用するドライバーが増えるほど、ルート探索の精度を高めていくことができます。
(参照元:JNEWS.com)
今回の記事のポイント
・まずは現在のデジタル技術がどこまでできるのかを理解する必要がある。
・DXは「業務の効率化」と「提供価値の向上」に注目すれば何をすれば良いか見えてくる。
・自社で1から開発するだけではなく、既存システムの導入を考慮することでスピーディーに結果につながってくる。
実践にいかせるDX人材育成講座をお探しの方へ
DX推進をするにあたり、社内のDXリテラシー教育は避けては通れない道です。
・人材育成はその効果が図りづらく、投資判断がしづらい
・講座を受講させたいが、対象者が忙しく勉強をする時間がとりづらい
などのお悩みを解決する、
受講開始から最短1日で受講完了でき、受講内容を踏まえたアウトプットが得られる「DXリテラシー講座」をご用意しました。
DXリテラシー講座詳細につきましてはダウンロード資料よりご確認ください。
以下リンクよりフォーム入力ですぐにダウンロードいただけます。