ブロックチェーンの仕組み・ビジネスへの活用事例をイラストで解説! - 株式会社STANDARD

ブロックチェーンの仕組み・ビジネスへの活用事例をイラストで解説!

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. ブロックチェーンとは?
  2. ブロックチェーンの仕組みについて
  3. ブロックチェーンの導入事例
  4. まとめ

暗号資産を実現している技術として「ブロックチェーン」という単語を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?

ブロックチェーンは大量のデータを安全に、簡単に扱うことが可能である、たいへん便利な技術です。ここ数年でさまざまなサービスの業務効率化や提供価値の向上に貢献しています。

今回は、ブロックチェーンとは何か?なにができるのか?を解説した後、ビジネスシーンにおける活用方法について、実際の事例を用いて解説します。

ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンは、”誰でも使える台帳” と表現されます。台帳は、取引がいつ、どこで、どのように行われたかを記録する媒体です。具体的には通帳やクレジットカードの利用明細のようなものが挙げられます。

ここで、銀行を例に「安全な取引」について考えてみましょう。

銀行で口座開設をする際、原則として当事者と取引先のみが預金や振込の記録を確認することができます。

記録の内容に関しても第三者からのチェックが入ることは少なく、過去の記録のチェックも発生することはほとんどありません。個人情報ですから当然のことですよね。

しかし、これは「銀行への信頼がある」という前提で成り立っているシステムです。銀行のサーバーもハッキングされ、情報が改ざんされる可能性があるため、100%安全とはいえません。

一方で、ブロックチェーンはデータの安全性を保障するために「特定の誰かへの信頼」が必要ありません。ブロックチェーンを使った取引記録は誰もがすべてを閲覧することができるからです。

もちろん、閲覧可能というのはあくまで「ここに記録されたデータはみんなに見えているから改ざんしてもバレるよね」という証明であり、具体的な内容に関しては分かりません。

つまり、取引において間に誰かを挟まずに「いつ、何が、どのように変化したか」を正確に記録できるシステムなのです。

これを体現しているわかりやすい事例として、仮想通貨が挙げられます。

関連:今さら聞けないAIとは?企業活動に必要な理由・活用例について

ブロックチェーンの仕組みについて

ここからはブロックチェーンの「特定の誰かの信頼なしに価値の保存や移転が可能なシステムを実現する」という仕組みについて、従来のシステムと比較しながら解説します。

従来のデータ管理システムは中央集権型システムと呼ばれ、ユーザーの取引データのすべてを管理者であるサーバーが管理しています。(先ほどの例では銀行にあたります。)

この場合、データの信頼性はその管理者を信頼できるか?に依存している状況です。

一方、ブロックチェーンでは管理者が存在せず、取引データをユーザー同士が管理・共有しています。中央集権的に特定のだれかが管理するのではなく、データの複製を分散させ、お互いを監視させることで、データの整合性を保つ仕組みをつくっているのです。

ちなみに、「ブロックチェーン」という言葉の由来は、「それぞれの取引データはブロックと呼ばれる箱に格納されており、これらがチェーンのようにつながっている」というシステムの構造からきています。

列車のように前後のブロックと連結することで、仮に特定のデータを改ざんしようとしても、前後のブロックの情報との整合性が取れなくなるため、上書きすることができません。これによりデータの安全性が保障されています。

ブロックチェーンの導入事例

では、ブロックチェーンは実際にどんな場面で使われているのでしょうか?ブロックチェーンの活用事例を4つ紹介します。

事例 1:オンライン上での物件契約を実現

課題

不動産業界大手の住友商事株式会社では、賃貸物件の賃貸契約手続きに大量の紙書類への記入が必要でした。内容記入から契約締結までの状況確認に人の手による作業が必要であったため、時間がかかってしまうという課題がありました。

解決策

仮想通貨取引所のひとつである株式会社bitFlyer Blockchainと業務提携をおこない、ブロックチェーンを使用したアプリ「スマート契約」を開発しました。

1.ブロックチェーンで契約を自動化

契約データをブロックチェーンに書き込むことで真正性が担保され、次回契約時の情報再利用も可能になりました。

これにより、利用者はアプリ上での賃貸契約締結をおこなうことができるようになりました。

2.プロセスの透明性を確保

紙の書類でやりとりしていたものを記入時からデータ化したことで、契約の業務がどの段階まで進んでいるか、利用者視点でも事業者視点でも確認ができるようになりました。

事例 2:副業・兼業の就労管理システムの導入

課題

企業には社員の副業を含めた勤怠総労働時間管理をする義務があります。

しかし、あとから労働時間を改ざんされてしまい、本来支払われるべき賃金が支払われていなかったり、実態より多く賃金を支払ってしまうトラブルが存在します。

また、副業時に労働災害に遭った場合に、労災保険は基本的に副業先の収入のみを基準に計算・支給されてしまい、十分な補償が受けられないという課題がありました。

解決策

三井住友海上火災保険株式会社、株式会社クロスキャット、株式会社Scalarの3社は、ブロックチェーン技術を活用し、勤怠管理と保険が連動するサービスを開発しました。

これにより、副業を含む、正確な勤怠管理の真正性の担保が可能となりました。

具体的には、入力された副業届、就業時間について、事後改ざんをすべてシステム上で検出します。検出したデータは保険会社へ提出する証拠として有効となり、副業時の労災上乗せ補償を提供することが可能となりました。

事例 3:卒業証書の偽造防止

課題

マレーシアでは偽造学位証明書がインターネット上で販売されるなど、学位の詐称や偽造が深刻化していました。

そのため大学への卒業確認の問い合わせは毎年数千件にのぼり、その対応により業務量や業務負担が増加するという課題がありました。

解決策

改ざんが困難なブロックチェーンに卒業証書を記録することで、学位証明の信頼性を向上させ、問い合わせを減らすことに成功しました。

また、ブロックチェーン上には証明書に関する全ての情報が保存されており、インターネットを通じて世界中どこからでも確認ができるようになりました。信頼性がある上に簡単にアクセスできるのはありがたいですね。

事例 4:不動産情報の正確性向上

課題

不動産業界においては、1つの不動産に関する情報が仲介会社、管理会社、インフラ会社などでバラバラに保有されており、同じ不動産に関する情報であっても保有している内容が一致しないケースが多くありました。

そのため、データの正確性が担保されない・業務が非効率になるなどの問題が発生していました。

解決策

各業界でばらばらであった不動産物件関連情報を、ブロックチェーン技術で一元集約することで、データの正確性を向上させ、業務の効率化に成功しました。

具体的には、各業界で保有していた不動産仲介情報や管理情報を、業界の垣根を越えて共通のブロックチェーンに書き込むことでデータの集約を行いました。

また、不動産仲介情報や不動産管理情報のみならず、各社がこれまで保有しながら活用できていなかった電力、ガス、物流、地図情報など、各社が持つ不動産物件に関連する情報のすべてを集約することでデータの正確性やリアルタイム性を向上させました。

まとめ

いずれの事例もブロックチェーンによってデータの信頼性を担保し、扱いやすくしたことで他のシステムを組み込みやすくしています。

これにより、人の作業が不要になったことで業務効率化や提供価値の向上に成功しました。

ブロックチェーンは今回紹介した不動産業界や保険業界以外にも、仮想通貨に代表される金融業界や、一人一票を保障する投票システムへの活用が期待されています。

実践にいかせるDX人材育成講座をお探しの方へ

DX推進をするにあたり、社内のDXリテラシー教育は避けては通れない道です。

・人材育成はその効果が図りづらく、投資判断がしづらい

・講座を受講させたいが、対象者が忙しく勉強をする時間がとりづらい

などのお悩みを解決する、

受講開始から最短1日で受講完了でき、受講内容を踏まえたアウトプットが得られる「DXリテラシー講座」をご用意しました。

DXリテラシー講座詳細につきましてはダウンロード資料よりご確認ください。

以下リンクよりフォーム入力ですぐにダウンロードいただけます。

リテラシー教育”から始める DXの内製化と成功事例
資料ダウンロードはこちら

また、弊社ではDX/AI人材育成ノウハウや各業界に特化したDX推進事例等をご紹介するセミナーを毎月2回以上開催しています。ぜひこちらも貴社のDX推進の一助にお役立てください。

DX入門編として本などの書籍だけでなく無料のDXセミナーも開催中

DXに関するお悩みや弊社へのご相談・
お問い合わせはお気軽にどうぞ
サービスの詳細資料を無料公開しています
30分で解説!デジタルスキル標準に完全準拠した個別教育型の人材育成