AI開発でPythonが使われるのはなぜ?ライブラリもご紹介 - 株式会社STANDARD

AI開発でPythonが使われるのはなぜ?ライブラリもご紹介

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. Pythonとは?
  2. AIを作るのに、Pythonを使う理由
  3. 【本格的にAI開発をしたい方へ】AIを作るためのツール
  4. まとめ

人工知能の開発技術は発展を重ね、今では全ての人が隔てなくできる環境やツールが揃っています。

この記事では、初学者の方向けに、Pythonの特徴から、開発環境や開発が便利になるライブラリまで解説します。

Pythonとは?

(引用元:プログラミング言語 Pythonの紹介より)

Pythonは、C言語やJavaなどと同じように、プログラミング言語の一つです。1990年代の初めごろから公開されており、今日では高い利用率を誇っています。

Pythonは、アプリ開発や科学技術計算など多目的に利用できるほか、比較的ほかの言語よりも書きやすく、読む際も理解しやすいことも理由として挙げられます。Instagramなどの有名なアプリケーションも、このPythonで実際に作られています。

また、オープンソースとして公開されているので、無料で扱えることも魅力の一つです。

日本では、情報系の国家資格として基本情報技術者試験というものがありますが、2020年度からはこの試験の内容にPythonが追加されていることから、国としても重要性を認めていることが分かります。

AIを作るのに、Pythonを使う理由

Pythonは先ほど紹介したように、非常に扱いやすい言語です。そしてPython公式だけではなく、Pythonでの開発を支援してくれる環境やツールなども沢山公開されています。そのため、初学者でもこのツールを繋ぎ合わせるだけで簡単にAI制作ができるため、AI開発でPythonがよく利用されます。

後ほど解説しますが、Pythonでの開発を容易にはじめられるプラットフォームや、AI制作に必要なツールであるライブラリ、AIに学習させるデータセットまで、無料で使えるものが公開されています。無料で使用することができるものだけで、簡単にAI制作が始められます。

また、初学者だけではなく上級者にとっても、AIをPythonで作る意味は十分にあります。

例えば、kaggleというサイトでは、AIに関わる研究やコンペなどが日夜行われています。ランキング上位や賞金をかけて、開発者同士が競い合ってお互いに高め合える環境があるため、常に技術がアップデートされています。

そのため、Pythonで対応できることは日々増え続けており、開発上級者にも多用されているのです。

関連:【AI資格】機械学習・情報技術における資格をご紹介

【本格的にAI開発をしたい方へ】AIを作るためのツール

ここからは具体的な環境やライブラリなど、有用なものを抜粋してご紹介します。

環境

ここでは、Pythonを記述でき、かつ実行できる場所を環境とします。これがなければ、どんなに完璧なコードを書いても動いてはくれません。

まずはこの環境を二つご紹介します。

①Jupyter Notebook

②Google Colab

Jupyter Notebook

Pythonを書いて実行させるのに標準的なオープンソースの環境です。Anacondaというソフトと一緒にダウンロードして使います。

無料で扱うことができ、プログラムを一行ごとに実行して、その結果を確かめることができるといいう特徴があります。

また、後程紹介するライブラリもある程度最初から同梱されているので、特別なライブラリを必要としない限りはJupyter Notebookだけで事足ります。

Google Colab

Googleから、Pythonを構築できる環境が無料で提供されています。ほぼJupyter Notebookと同じように使うことができます。

環境のセットアップやインストールなどの煩雑な作業は不要で、パソコンとブラウザがあれば簡単にPythonを実装できます。

さらに、機械学習に必要になってくるGPUが使用できるため、AI開発向けに何かを購入して準備するという手間がかかりません。

データセット

機械学習を実践するにしても、学習するにしても、その元となるデータが必要です。インターネット上には無料で公開されているデータのセットが沢山ありますが、ここでは5つのデータセットをご紹介します。

・MNIST

手書き数字を画像として提供しています。画像認識技術での入門として簡単に扱うことができます。(MNIST handwritten digit database

・ImageNet

1400万以上のデータ、2万以上の画像データセットがあります。MNISTで慣れたら、こちらから自分の好きなデータセットを探すと良いでしょう。(ImageNet

・青空文庫

著作権の消滅・または放棄された電子本をテキスト形式でダウンロードでき、自然言語処理に用いることができます。形態素解析済みのデータも別途用意されているので、簡単に取り扱いができます。(青空文庫青空文庫形態素解析データ集

・日本語対訳データ

日本語と英語が対でデータ化されたデータセットを公開しています。日本語と英語での翻訳を学習させることに使うことができます。(日本語対訳データ

・kaggle

kaggleは、初心者のために「house Price」や「titanic」等の学習用データを用意しており、他にも企業などが世界中のプログラマーに良モデルを作ってもらいたいとデータセットを公開しています。

腕の良いプログラマーのコードを見ることも出来るので、ここでの開発経験は上達に役立つでしょう。(kaggle

ライブラリ

最後に、データセットを都合の良い形に変えたり、学習させたりできるツールをご紹介します。

・Pandas

数値的なデータを視覚化したり、データの統計量を表すことができ、データ分析全般に適用できます。(Pandas

・Numpy

AI開発では、非常に多くの数値を多次元的に計算しなくてはなりませんが、このライブラリで効率的な記述と計算を行うことができます。(Numpy

・Matplotlib

先ほど紹介したNumpyで整形したデータを可視化するためのライブラリです。様々な形で可視化することができます。(Matplotlib: Python plotting

・Scipy

数値解析用のライブラリで、統計・線形代数・フーリエ変換やその他小難しい数学やアルゴリズムの計算処理を行ってくれます。(Scipy library

・Open CV

AIの画像処理・解析に特化したライブラリです。画像の読み込み、画像の変換・前処理、機械学習後の出力まで行うことができます。(Home – OpenCV

・TensorFlow

数値解析からニューラルネットワークを使った機械学習までサポートしており、簡易なモデル構築ができ、また様々な機械学習モデルを適用できます。(TensorFlow

・keras

機械学習のモデル構築に必要な最低限の要素だけで構築されることによって、学習のスピードと拡張性を持っています。TensorFlowのコアにもなっています。(Keras: The Python deap learning API

・PyTorch

画像認識や自然言語処理で使われるライブラリです。Numpyのような計算ができますが、こちらはGPUを使った更に強力な計算ができます。(PyTorch

まとめ

後半はやや専門的な内容で難しい部分もあったかもしれません。ただ、これらもPythonの基礎を学べば、簡単に理解できるようになります。

Pythonは初心者でも手軽に始めることができ、AIを開発したいと考える方には最適なプログラミング言語です。また上級者であっても活用できる歯にが日々広がり、開発者同士が切磋琢磨し合える環境が整っており、大変学びがいのある言語であるといえます。

AI開発でPythonを使うことにお悩みの方には、本記事でご紹介したツールを参考にしていただけるとよいのではないでしょうか。

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