【AIシステムのトレンド】人工知能が普及した理由と身近なサービスの例 - 株式会社STANDARD

【AIシステムのトレンド】人工知能が普及した理由と身近なサービスの例

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. AIとは
  2. AIシステムのトレンド
  3. AIを活用した身近なサービスの例
  4. AIのサービス開発には専門性の高いスキルが必要
  5. まとめ:AIに強い人材を育成してビジネスの変革を

いまやAI(人工知能)は実用的な技術のひとつとして数えられるようになり、身近なサービスを通して目にする機会も多くなってきました。自社のビジネスにもAIを取り入れたいと考えている方も多いのではないでしょうか。そのためには、AIとはどのような技術なのかを理解したうえで、適切に用いることが大切です。

本記事ではAIの特徴やトレンドのほか、実際の活用例などについても紹介していきます。自社サービスの開発や改善に、ぜひお役立てください。

AIとは

AIをビジネスに取り入れて成果をあげるには、AIが「どのような技術なのか」や「何に応用できるのか」を理解することが大切です。まずは、こうしたAIの概要について説明します。

AIが普及した理由

「AI」という言葉が知られるようになったのは、今から半世紀以上もさかのぼる1956年の出来事です。この年に開かれた「ダートマス会議」と呼ばれる研究会で、「AI(Artificial Intelligence)」という用語が使われました。それ以降さまざまな研究や実験が行われてきましたが、現代のような実用的なAIが登場するまでには長い年月が必要でした。

より実用性の高いAIの誕生は、2012年に開催された画像認識の大会がきっかけだったといわれています。コンピュータの飛躍的な性能向上と、「ディープラーニング」と呼ばれる革新的な技術により、これまでより高い認識精度が実現され注目を浴びました。大会のあともディープラーニングをベースとしたAIの技術は急速に発展し続けており、今ではビジネスにも広く応用されるほどに普及しています。

ディープラーニングについては、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
ディープラーニングとは?活用シーンや入門者向けに学習方法・本をご紹介!

AIの分類

「AIとは何か」という明確な定義は、今のところありません。しかし、AIを2種類に分類できる2つの考え方があるので紹介します。

1つ目は、「機能」の観点からAIを次の2つに分類する考え方です。

– 汎用型AI:状況を理解し、どのような役割でもこなせるソフトウェア
– 特化型AI:特定の領域に特化し、決められた役割のみをこなすソフトウェア

2つ目は、「心」を観点としてAIを次の2つに分類します。

– 強いAI:心をもち、自らの判断で行動できるソフトウェア
– 弱いAI:心をもたず、プログラミングされた行動のみを行うソフトウェア

実は、現代のAIはすべて「特化型AI」または「弱いAI」に分類されるものです。「汎用型AI」や「強いAI」は、まだ実現されていません。少なくとも現時点においては、AIは万能のテクノロジーではないということがわかるでしょう。

AIの仕組みと応用範囲

AIが万能ではないことを説明しましたが、その応用範囲には制限がありません。AIの動作は、以下に示す「学習」と「推論」の機能にもとづいているためです。

– 学習:特定の領域について、あらかじめ知識を蓄えておくこと
– 推論:知識にもとづいて、未知の状況から法則性や特徴などを導き出すこと

これは、1つのAIを汎用型にはできないものの、用途に合わせて個別に学習させたAIであれば用意できることを意味しています。そのため、AIはさまざまな目的に応用可能なのです。ただし実用性の高いAIを構築するには、学習に用いる十分な量の、質のよいデータが必要となります。

AIの学習方法については、下記の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
【AIの基礎知識】人工知能の学習方法やAI技術の身につけ方について解説

AIシステムのトレンド

AIシステムのトレンド

AIが実際によく利用されているのは、どのような分野でしょうか。ここでは、国内におけるAI市場の動向について説明します。

AIの市場規模は拡大が続く

コンサルティングなどを行う株式会社アイ・ティ・アールは、国内におけるAI主要8市場についての調査結果を発表しています。「AI主要8市場」とは、次の通りです。

– 画像認識
– 音声認識
– 音声合成
– テキスト・マイニング/ナレッジ活用
– 翻訳
– 検索・探索
– 時系列データ分析
– 機械学習プラットフォーム

本調査によると、なかでも躍進がみられたのは「機械学習プラットフォーム」市場でした。その規模は、2020年度には前年度比44.0%も拡大しています。企業がビジネスにAIを取り入れる際の基盤となる環境が、急速に整いつつある様子がうかがえる結果といえるでしょう。

国内AI市場全体では、2020〜2025年における年平均成長率は18.7%となっています。2025年度には1,200億円の規模に達する見込みです。

画像認識の利用が多様な分野に広がる

画像認識とは、画像に映っているものを判別する技術のことです。従来の技術では簡単には実現できませんでしたが、AIの実用化によって機械化や自動化が可能になりました。これまで人が目視で行うしかなかった作業でも、画像認識を取り入れれば素早く正確にこなせるようになります。

画像認識の利用は、すでにさまざまな分野に広がっています。例えば、工場などにおける検品作業や異常検知は、画像認識による自動化がよく用いられている部分です。ほかにも不審者の検知や顔認証、自動運転などへの応用が挙げられます。また、手書きの文字でも読み取れる「AI-OCR」も、画像認識の応用例のひとつです。

自然言語処理の導入も進む

自然言語処理とは、人が書いたり話したりするような自然な文章を解析する技術のことです。テキストから意味を取り出す処理だと考えればイメージしやすいでしょう。これにより、人間同士の会話に近い自然なやりとりを、AI相手でもできるようになってきました。

実例としては、いわゆる「チャットボット」が今のところは先行している様相です。Webサイトにカスタマーサポートの窓口として設置するなどの利用が多くみられます。

しかし、自然言語処理は本来、テキストを扱うサービスや業務に幅広く応用できる技術です。今後は文書の翻訳や検索、ナレッジの有効活用による業務効率化などを目的とした、より高度な活用例も増えてくるでしょう。

AIを活用した身近なサービスの例

ここからは、実際にAIが応用されている身近なサービスについて紹介していきます。こうした事例は、AIを用いて自社サービスの開発や改善を行う際にも参考になるでしょう。

目利きのノウハウを学習して品質を判定

業務のなかには、ベテランのノウハウが必要とされるものも少なくありません。

「TUNA SCOPE」は、そうした業務をAIで置き換える試みのひとつです。同製品では、身につけるまでに10年はかかるといわれるマグロの目利きを、画像認識のAIに学習させることである程度再現しました。国内でも不足しつつある熟練の仕事を、海外の工場でも再現できるソリューションとなっています。

もちろん、なかには人が行うからこそ価値のある業務も存在します。しかし、検品業務の改善においては、こうした画像認識のソリューションが歓迎されるケースが多いでしょう。これまで目視で行っていた品質チェックや異物混入の防止といった作業を自動化することで、ヒューマンエラーを減らしつつ、コスト削減にもつながるためです。

商品を識別してレジ業務を効率化

画像認識は、レジ業務の改善にも応用されています。カメラを通して商品を識別することで、会計の作業をシンプルにできるためです。

そのようなソリューションのなかでも、ベーカリーショップをターゲットとしているのが「BakeryScan」です。パンは1つずつ形状の異なる商品であり、場合によっては値札を貼り付けることもできません。そこで、AIによる画像認識でパンの種類を識別できるようにしたのです。同製品を導入した店舗では会計がスムーズになり、レジ前の行列が緩和するなどの効果がみられました。

同様のことは、もちろんベーカリーショップでなくても可能です。店舗の規模などによってはレジ数やスタッフの人数を減らし、コスト削減につなげることも可能でしょう。セルフレジのほか、ゆくゆくは無人店舗を実現することも視野に入れて開発が進められている分野です。

自然なフレーズで情報を検索

GoogleでWebサイトを検索する際、単語ではなく文章を入力しても適切な結果が表示されることを不思議に感じた経験はないでしょうか。これは、同社の検索に自然言語処理が組み込まれているためです。

自然言語処理を応用すれば、より自然な方法による情報検索を実現できます。例えば、社内に蓄積された情報に素早くアクセスできる環境を整えたい場合に役立つでしょう。具体的には、各種文書をあらかじめ分析してデータベースに登録しておき、自然な文章でも検索可能にする方法などが考えられます。

このような自然言語処理による検索ソリューションは、ナレッジを有効活用して業務を効率化したいと考えている多くの企業に今後も広がっていくでしょう。

文章に込められた感情を分析

データから人の感情を判別する技術のことを、感情分析といいます。

手法としては、文章を自然言語処理で解析し、その意味合いが「ポジティブ」と「ネガティブ」のどちらかを判別するというのが代表的でしょう。この手法は、マーケティングなどに活用されています。アンケートの自由回答欄にユーザーが書いた文章や、SNS上での意見などを収集・分析し、自社製品がどのように評価されているのかを知るための手がかりとするのです。

また、文章だけでなく声や表情から感情を判別するAIも構築できます。こうしたAIは、コールセンターにアクセスした顧客の満足度を読み取ったり、オペレーターにかかるストレスをチェックしたりといった用途に用いられています。

AIのサービス開発には専門性の高いスキルが必要

AIのサービス開発には専門性の高いスキルが必要

AIは、専門性の高いデジタル技術です。ITを用いたシステム開発に慣れた企業でも、すぐに使いこなしてビジネスに取り入れられるとは限りません。AIを応用した自社サービスの開発で成果をあげるには、大きく分けて2つのスキルが必要になるでしょう。

1つ目は、AI開発に関するエンジニアリングのスキルです。プログラミングの技術に加え、数学や統計学の基礎と、ディープラーニングなどの専門知識が求められます。

2つ目は、期待する性能を備えたAIを効率的に実現するためのマネジメントのスキルです。AIの特徴を把握し、その開発にフィットする手法でプロジェクトをリードできるかどうかが重要となります。

まとめ:AIに強い人材を育成してビジネスの変革を

AIは、近年になって飛躍的に発展したデジタル技術のひとつです。万能のテクノロジーではないことを知り、特徴をふまえて適切に用いれば、多様なサービスに応用できる可能性を秘めています。

AIを取り入れたビジネスで成果をあげるには、エンジニアリングとマネジメントのスキルが欠かせません。これらのスキル獲得には、ぜひ弊社「AI_STANDARD」の講座を役立ててください。AIを用いたサービス開発に必要なスキルの習得を短期間で目指せる、実践的なカリキュラムを提供しています。下記の「資料ダウンロード」ボタンより、講座の詳細がご覧いただけます。

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