大手製薬会社に学ぶ”生成AI人材育成と業務展開”の成功戦略

大手製薬企業様

業種:製薬 従業員数:1,001人〜
  • #生成AI

今回は、大手製薬会社様(以下、X社)における『生成AI活用ロードマップ策定支援』と『プロンプトテンプレート作成』に関する事例をご紹介いたします。

生成AI人材像の定義と育成ロードマップ、そして具体的な業務に即したプロンプトの作成・納品までを一貫してご支援させていただきました。

本記事では、X社様が抱えていた背景・課題から、STANDARDの支援内容、得られた成果、そして成功の要因までを詳しくお伝えします。

※本記事は一部情報を変更し、特定を防ぐために編集しています。

背景・課題
研究開発を含む複数部門にてRAGの導入が進められていたが、生成AIの知識にばらつきがあり、効果的な利活用を進めるために人材育成を検討。ツールとしては汎用LLMの利用環境は整っていた一方で、社内RAG環境は開発が遅れており、AI活用体制の全体像が見通せない状況だった。
導入サービス
生成AI活用ロードマップとそれに伴う生成AI人材育成カリキュラムを策定。また業種・業務に特化したプロンプトテンプレートと、汎用的なプロンプトを作成するためのプロンプトの作成。
効果
汎用的な戦略やテンプレートに頼るのではなく、部門ごとの責任者や実務担当者を巻き込みながら、業務に即したカスタマイズを徹底した点。生成AIの利活用における具体的なイメージを引き出すため、知見者による利活用事例やアウトプットの提案壁打ちを行い、対話を通じて共創的に支援を行った。また、導入後の仕様に伴うリスクや発生時の対処までを想定した検証を行い、成果物として納品。生成AI活用により、「評価業務で年間数百~1,000時間以上の作業時間を削減」「文章作成業務で年間数百~1,000時間以上の削減」などの業務効率化が見込まれている。

背景と課題

X社の研究開発を含む複数部門では、社内データの有効活用のためにRAGの導入が進められていたが、社員によって生成AIに関する知識にばらつきがあり、ツールを導入するだけではそのポテンシャルを最大限に活かすことが難しい状況だった。

また、汎用LLMの全社展開が進みつつあったものの、社内RAG環境の導入は開発の遅れにより延期。これにより、現場の業務変革を見据えた人材育成と活用促進にむけた設計戦略が急務となっていた。

こうした背景のもと、X社は生成AIを活用できる人材の育成と、それを支える施策の体系化を目指し、STANDARDによる支援を導入。

取り組み

「生成AI人材プランニング」と「プロンプトテンプレートの作成」の2つを並行して実施。

「生成AI人材のプランニング」では、X社が掲げる中期経営計画(中計)をベースに、生成AIという観点を加えた形で人材像定義と育成施策を設計。 中計には生成AIに関する具体的な言及がなかったため、対象となる複数部門にヒアリングを行い、生成AI人材像を「推進人材」「活用人材」「理解人材」の3つで枠組みを設計。 そして生成AI活用ロードマップは、X社の中長期における目標達成から逆算し、KPIを部門×年別で設計した。

「プロンプトテンプレートの作成」では、まず各部署の業務を詳細にヒアリングし、その結果をもとにプロンプト用途やシチュエーションの整理を行った。 そのシチュエーションに即したプロンプトテンプレートの検討を行い、X社とすり合わせを行ったのちに約50個作成し納品。

ヒアリングは事前に質問内容を記載したシートを展開し、それに沿って実施した。その中で確認された優先度が高いテーマについて素案を作成。成果物に関しては、週次で内容に沿ってより細かくレビューを行った。

結果

X社では生成AI活用に向けた戦略の明確化、業界・業種に沿ってカスタマイズされた生成AI人材像定義により、育成施策の基盤が整った。

業務に即した具体的かつ実践的なプロンプトテンプレートが導入されたことで、現場における生成AI活用の第一歩を踏み出すことができた。

プロンプトテンプレートは、今後の活用検証や内製化の基盤としても活用が期待されている。

上記の生成AI活用により、以下のような業務効率化が見込まれる。

  • 研究開発部門の評価業務で、年間数百~1,000時間以上の作業時間を削減
  • 文章作成業務で、年間数百~1,000時間以上の作業時間を削減

これらは、作業1回あたりの時間短縮に加え、業務の頻度や対象者数を踏まえて試算したもので、実現可能性を考慮して適応率を調整している。

成功の要諦

成功の要諦の一つ目は、業界特有の専門性と個別性も打ち取れる、顧客にとって最適化された戦略設計とプロンプト作成を行ったこと。
既存の業務フローなどを詳細にヒアリングした上で、実務に密着した形での活用設計を行い、パッケージ型ではなく、現場で即応用できる具体性を持たせることに注力した。

二つ目は、当初の提案スコープに含まれていない内容でも、必要性に応じて柔軟に対応したこと。
限られたリソースの中で工数を調整し、タスクの優先度を見直すことで、プロジェクト全体の品質と成果に寄与する形で価値提供を行った。

三つめは、顧客のリテラシーに合わせて、適切な抽象度での提案を心がけたこと。
実際の事例や活用イメージなどを踏まえた具体的なシナリオを提示することで、理解の解像度を高めながら検討をスムーズに進めることができた。

いかがでしたでしょうか。

以下のようなお悩みをお持ちの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

  • 生成AIを導入したいが、知識を持っている従業員がいない/少ない
  • 生成AIを導入したものの、業務でうまく活用できていない
  • 生成AIの社内推進の目標をどう定めるべきか悩んでいる


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