DX推進にはクラウド化が必要!メリットやクラウド化の流れをわかりやすく解説 - 株式会社STANDARD

DX推進にはクラウド化が必要!メリットやクラウド化の流れをわかりやすく解説

DX・AI技術・事例解説

この記事の目次

  1. DX推進に不可欠なクラウド化とは
  2. クラウド化が求められる理由:「2025年の崖」
  3. クラウド化のメリット
  4. クラウド化のデメリット
  5. クラウド化できる業務
  6. クラウド化できない業務
  7. クラウド化の流れ
  8. まずは適切な知見を持った人材を育成しよう

企業の競争力を維持して向上していくためには、新しいテクノロジーを迅速に採用し、DXを推進することが求められています。その流れの中で「レガシーシステム」と呼ばれる古くて複雑化した既存システムを使い続けることは大きなリスクとなります。そこで「レガシーシステム」を刷新して業務をクラウド化していくことは、DX推進の重要な一環となるのです。この記事では以下の内容を中心に、クラウド化について徹底解説していきます。

  • クラウド化とは何か
  • レガシーシステムがもたらす課題
  • クラウド化のメリットデメリット
  • クラウド化できる業務とできない業務
  • クラウド化のステップ

自社でDXに取り組んでいて、これからクラウド化を検討している方は特に参考にしてください。

DX推進に不可欠なクラウド化とは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、最新のデジタル技術やデータなどを活用して、企業の経営戦略や組織文化などを変革する取り組みのことです。何が起こるかわからない経営環境において企業価値や市場での競争力を維持・向上していくためには、DXは避けては通れません。クラウド化はDXを進める上で重要なプロセスの一つです。以下でクラウド化とはどういうものか解説し、主なクラウドサービスについて紹介します。

クラウド化の意味

クラウド化とはインターネット上でサービスやデータを提供することです。従来は個々の企業が自分たちのPCやサーバーを使う「オンプレミス」というやり方で、データやシステムを管理していました。

クラウド化することによって、インターネット上にある大きなデータセンターやサーバーを利用できます。必要な時に必要なデータやサービスを使えるため、需要変動など急な変化にも迅速かつ柔軟に対応しやすいのが利点です。

また、インターネット環境があれば場所や時間に依存せずにアクセスできるため、グローバル展開やリモートワークも可能にします。クラウド化は企業の成長や競争力の向上を促すため、DXを推進するのに役立つのです。

主なクラウドサービス

クラウドサービスの主なカテゴリーを以下3つご紹介します。

IaaS:インフラストラクチャサービス

IaaS(英語:Infrastructure as a Service、読み方:イアース/アイアース)とは、サーバーやストレージ、ネットワーキングなどのインフラストラクチャを提供するサービスです。自分でサーバーやストレージを用意する必要がなく、インターネットを通じて必要なコンピューター環境を利用できます。

PaaS:プラットフォームサービス

PaaS(英語:Platform as a Service、読み方:パース)とは、アプリケーション開発に必要なプラットフォームを提供するサービスです。ソフトウェアを作るために必要なツールや環境をクラウド上で利用でき、自分でプラットフォームを用意する必要がありません。アプリケーションの作成に専念できるでしょう。

SaaS:ソフトウェアサービス

SaaS(英語:Software as a Service、読み方:サース)とは、インターネット上で利用できるアプリケーションです。例えば、GmailやDropboxのようなサービスで、ブラウザやモバイルアプリから使えるメールやファイル共有などのツールです。自分でアプリケーションを開発したり、設定したりする必要はなく、簡単に使える便利なサービスです。

クラウド化が求められる理由:「2025年の崖」

DXが社会全体で推し進められ、それにともなってクラウド化が求められているのは、「2025年の崖」という問題が理由です。これは、「レガシーシステム」を使い続けることによって引き起こされると言われています。以下で、「2025年の崖」や「レガシーシステム」について確認し、なぜクラウド化が重要視されているのかを見ていきましょう。

「2025年の崖」とは?

「2025年の崖」とは、経済産業省の報告書である「DXレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~」で提示された、2025年以降に起こる可能性がある問題のことです。企業で使われてきた古くて複雑化した既存システムを使い続けることによって、2025年以降企業に大きなリスクをもたらす可能性がある問題を指します。

この既存システムを「レガシーシステム」と呼びます。この問題を回避するためには、レガシーシステムの刷新が必要です。報告書では、レガシーシステムを使い続けると、IT人材の引退やサポートの終了などによって、2025 年以降年間最大12兆円の経済損失をもたらすという指摘もされています。

レガシーシステムがもたらす課題

レガシーシステムを使い続けることで、セキュリティリスクの高まりやメンテナンスコストの増加などビジネスの柔軟性が制限される問題が発生します。さらに今後膨大に増加していくデータを活用しきれず、デジタル競争で負け、DXの実現をできない恐れも指摘もされています。

これらの課題を解決するためには、レガシーシステムのアップグレードが必要です。クラウド化は、既存のレガシーシステムの刷新を促進する手段として役立ち、ビジネスの競争力や効率性を高めることができるのです。

クラウド化のメリット

DX推進においてクラウド化には多くのメリットがあります。企業にどのようなメリットがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

コスト削減と効率性の向上

クラウド化することで、コンピューターやデータの管理をクラウド上で行うことができます。それによって、ハードウェアの調達や保守、データセンターの運用などにかかる無駄なコストを削減することができます。

また、作業の自動化による効率化や必要な時にリソースの追加もできるため、スピーディーで正確な運用が可能です。これによって、企業は効率的にビジネスを展開し競争力を高めることができます。

柔軟性とスケーラビリティの向上

クラウド環境では需要の変動やビジネスの成長などに応じて、リソースを迅速に拡張したり縮小したりできます。これによってスケーラビリティが高まり、ビジネスの要件に合わせたリソースの利用が可能です。スケーラビリティの特性により需要の急増や新たな事業展開に柔軟に対応できるため、ビジネスの成長や変化に対する柔軟性を高めます。

また、DX推進では変化への柔軟な対応とともにスピーディーに進められるアジャイルな開発手法の活用が多々求められます。クラウド環境はこれに対応しやすく素早いアプリケーション開発やデプロイを促して、開発効率を向上するでしょう。

リモートでの共同作業と情報共有が容易

クラウド環境ではインターネットを通じてリソースやデータにアクセスできるため、地理的な制約を超えて自宅PCなどからリモートでの共同作業や情報共有を容易にします。複数人によるオンライン上での同時作業やリアルタイムでのデータやドキュメントの共有などが可能です。

さらに、コラボレーションツールやビデオ会議ツールとの連携もしやすいため、場所や時間にとらわれずに効率的なチーム作業もできます。リモートワークやグローバルなチーム環境で円滑なコミュニケーションと協力が促進されることによって、生産性の向上と意思決定の迅速化も促され企業の競争力を高めるでしょう。

クラウド化のデメリット

クラウド化することでのメリットはたくさんありますが、デメリットもあることを理解しておきましょう。以下で詳しく解説していきます。

セキュリティとプライバシーの懸念

クラウド環境ではデータがインターネットを通じて外部のサーバーに保存されるため、データの漏洩や不正アクセスのリスクは少なからずあります。そのためセキュリティ対策やアクセス制御の強化が必要です。

また、クラウドサービスを提供するプロバイダの信頼性も重要です。サービス提供者がセキュリティ対策やプライバシー保護に十分な対策を取っていない場合、データ漏洩やサービスの停止などのリスクが生じる可能性があります。プロバイダの信頼性やセキュリティ対策などの評価を行い、信用できる提供者を選択するようにしましょう。

ネットワークによる影響の懸念

クラウド環境ではデータやアプリケーションがインターネット経由でアクセスされるため、ネットワークの障害や遅延が発生すると利用やデータの移動が困難になる可能性があります。

対策としては、複数のデータセンターを提供するクラウドサービスプロバイダを使って障害時に別のデータセンターへの切り替えを可能にしておくことや、定期的にデータをバックアップしてデータの損失を防ぐ対策を取ることが大切です。

クラウド化できる業務

クラウド化はすべての業務でできるのでしょうか?ここからは、クラウド化できる業務について以下で解説していきます。

データストレージとバックアップに関する業務

データやファイルを安全に保存し、必要な時にアクセスを可能にするデータストレージとバックアップに関する業務はクラウド化できます。データをクラウド上に保管しインターネットを介してアクセスできるようにすることで、自社サーバーやコンピューターにデータを保存する必要がなく、保管場所やハードディスクの容量の制限を受けずに管理可能になります。

また、データのバックアップの頻度や保存期間などを企業方針に合わせて自由設定することやバックアップの自動作成も可能です。クラウド化によって効率的なデータ管理とバックアップを実現し、ビジネスの安定性と継続性を確保することができます。

オンラインサービスやアプリケーションを使う業務

従来の方法ではソフトウェアやアプリケーションを自社サーバーやコンピューターにインストールして利用していましたが、クラウド化するとインターネット経由でそれらを利用することが可能です。

これによって自社のサーバーやインフラを構築する必要がなくコスト削減が可能です。また、インターネット環境があれば特定のデバイスや場所に依存せずサービスやアプリケーションを利用できるなど、効率的で柔軟な作業環境を実現できます。

データ分析とビッグデータ処理の業務

クラウドを利用することでセンサーやデバイス、アプリケーションなどからの膨大なデータを効率的に処理・分析することが可能です。さらに報告書やダッシュボードといったわかりやすい形に分析結果を可視化するところまで自動化できます。結果の共有も簡単です。

これによって過去のデータからトレンドやパターンをいち早く発見して将来の動向を予測し、効果的な意思決定や戦略策定をしやすくなるでしょう。

開発に関する業務

クラウド上での開発環境の構築も可能で、開発者は場所やデバイスに依存せずに開発作業を行うことができます。また、複数の開発者で同時にコードを編集・共有し、リアルタイムでの協同ができ、開発プロジェクトの需要や規模の変化に応じて、柔軟にリソースをスケールアップ・スケールダウンすることも可能です。

クラウド化することで従来に比べて開発者はより柔軟かつ効率的な開発環境を実現し、チームとのコラボレーションを強化することができます。また、クラウド化によってセキュリティやバックアップの面でもサポートがあります。

クラウド化できない業務

クラウド化できないシステムや向かない業務はあるのでしょうか?以下で、クラウド化しづらい業務について解説していきます。

極めてセキュリティが厳しい業務

クラウド環境では、プロバイダによってある程度のセキュリティ対策は提供されていますが、そのセキュリティ対策やデータの保護措置が自社の要件に合致しない場合、一部の業務はクラウド化できない場合があります。

例えばオンライン決済や金融取引を扱う業務、医療データを取り扱う業務、特許情報、企業秘密、製品開発のデータなど極めてセキュリティが厳しい業務で当てはまります。厳格なセキュリティが求められる業務を扱う企業は、自社に適したセキュリティ要件を明確にして、クラウドプロバイダとの適切な契約やセキュリティ対策を検討する必要があります。

高度な処理能力や専用ハードウェアが必要な業務

一部の業務は、物理的な制約があるためにクラウド化が難しい場合があります。例えば、特定のハードウェアやセンサーを使用する業務や、海洋調査などインターネット接続が制限されている環境での業務です。

これらの業務では、クラウド化よりもオンプレミスの環境が適している場合もあります。企業はクラウド化が可能な業務と不可能な業務を適切に評価し、最適なIT戦略を策定することが必要です。

クラウド化の流れ

DXを推進する上でどのようにクラウド化を進めれば良いか、以下の5つのステップで順に解説していきます。

  1. ビジネス目標とDX戦略の決定
  2. クラウドサービスの選定
  3. データとアプリケーションの移行
  4. テストと検証
  5. 監視と最適化

ビジネス目標とDX戦略の決定

まずは、DXにおけるビジネス目標を明確に定義しましょう。例えば、収益の増加、市場シェアの拡大、顧客満足度の向上、業務効率化、新規事業の展開などがあるでしょう。その上でその目標を達成するためにどのような課題をクラウド化して解決したいのかを明確にします。

クラウドサービスの選定

クラウド化に関連する要件を特定しましょう。要件としては例えば、アプリケーションの可用性やパフォーマンス、セキュリティ、データの保護、規制要件への適合性などがあります。

次に目標と要件にもとづいてクラウド化の優先順位をつけましょう。ビジネス上の重要性や緊急性、影響度などを考慮して、最初にクラウド化すべきアプリケーションや業務領域を決定します。

クラウド化したい業務領域を定めたら、セキュリティ対策や可用性、パフォーマンス、料金モデルなどを比較検討して自社に合った信頼性の高いクラウドプロバイダを選定しましょう。

データとアプリケーションの移行

クラウド環境へデータやアプリケーションの移行を実施します。データは移行前に整理し、必要な場合はクリーンアップや変換を行い、バックアップやセキュリティ対策もしましょう。

アプリケーションは移行前に動作性能や互換性を確認し、以降スケジュールを決めて段階的に進めます。

テストと検証

移行したらクラウド環境でのシステムやアプリケーションが正常に動作するかを確認します。ユーザーインターフェースやデータ入力、データ処理など、システムやアプリケーションの基本的な機能が正常に動作するかまず見ましょう。

次に応答時間や処理能力などのパフォーマンスを確認し、さらにセキュリティに脆弱な点がないかもチェックしましょう。必要であれば適切な対策を講じます。また、冗長性や災害復旧機能をテストし、システムが予期せず停止した場合にもデータやサービスの継続的な提供が可能か確認しておくと良いでしょう。

監視と最適化

監視と管理はクラウド環境での安定運用とセキュリティ確保に不可欠なステップです。サーバーのパフォーマンス、ネットワークトラフィックなど、監視対象を明確にした上で必要な監視機能を提供しているクラウドツールを選定して利用しましょう。

またツールを活用する際には、収集したデータを監視して異常を検知するアラートを設定したり、ログを管理してセキュリティ対策を実施したりもしておきましょう。定期的に監視データの分析やレポート作成し、問題の早期発見と改善策の検討を行います。

まずは適切な知見を持った人材を育成しよう

レガシーシステムを刷新しクラウド化を進めることで、業務のコストを削減したり需要の変動に柔軟に対応できたりといったメリットが多くあります。そしてクラウド化を通してビジネスをより競争力のあるものにすることができるため、DXへの取り組みを加速することにもつながるでしょう。まだクラウド化に着手していない方は、少しずつ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

DXを推進しクラウド化を進めるプロセスでは、どの業務をクラウド化するかの検討やクラウドプロバイダの選定など適切な知見や判断力が必要です。STANDARDでは、DX事業戦略策定や事業戦略にもとづく企業ごとのDX人材像の定義から育成カリキュラム策定などを含んだDX人材育成計画ソリューション「DX人材プランニング」をご提供しています。

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