「データ利活用人材」育成における、一つの最適解
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昨今、企業の成長戦略としてデジタル・トランスフォーメーション(DX)が重要視されており、その必要性を認知する企業が増えてきています。
経済産業省・IPAがデジタル推進人材像を5種定義していますが、専門性の高い領域であるために、無策では全社員育成に舵を切りづらく、“何から手を付けるべきか・・・”と悩まれるお声を多く耳にします。
そこで本記事では、これからデジタル人材・DX推進人材の育成に取り組む企業様に向けて、ぜひ最初に育成に取り組んでいただきたい「データ利活用人材」の内容と、その理由についてご説明いたします。
すでにDX推進人材の育成に取り組んでいる方にも役立つ記事となっていますので、ぜひご一読ください。
なぜ今、改めて「データ活用リテラシー」が求められているのか
改めて、デジタル人材/DX推進人材の育成を悩ませる要素を下記にまとめます。
- ビジネスアーキテクト人材を育成しようにも、社内にそのケイパビリティが不足しているために、着手のハードルが高い
- 日々複雑化するICT技術を担うソフトウェアエンジニア人材、それの対策を考えるサイバーセキュリティ人材、顧客接点の改善を担うUX/UIデザイン人材は、従来のIT部門の役割として統合されてしまうケースも少なくない
そんな中、多くの部門でニーズがあり、かつビジネスパーソンに汎用的に求められるスキルが紐づく人材として、データサイエンティストの前段階となる「データ利活用人材」の育成に取り組みたい、と考える企業様が増えています。
デジタル人材育成に長らく携わっている弊社においても、当該人材の育成から取り組まれることをお勧めしております。理由は以下の2つです。
全てのビジネスパーソンに、「データに基づく判断・意思決定」が求められているため
- 消費者の趣味趣向は多様化しており、また目まぐるしく高速に変化します。加えて、AI、IoT等の技術の発達により、扱えるデータ量も日々増加しています。
- 従来のカンと経験に加え、収集データから情報・状況を読み解くことで、昨今の複雑化した社会でのビジネス成功確率を高める努力が必要不可欠です。
データ活用リテラシーは、種々のDX推進活動の土台となり得るため
- AIを筆頭に、様々な技術を駆使した有益なDX施策・DXソリューションが創出されています。
- ですが多くの技術は、“蓄積されたデータに基づき判断を下す”という概念では共通しています。
- 今後、全てのビジネスパーソンが、組織の課題解決に有効なDX施策を検討する上で、どのようなデータがあり、どう活かすべきか?を検討できるスキルは、全てのDX推進活動の土台となり得ます。
このように、デジタル人材育成の取り掛かりとして、「データ利活用人材」育成が有効であると考えられます。しかし、実際に取り組む上ではハードルがあるのも事実です。。。
データ利活用人材の“育成”における課題
データ利活用人材の育成にあたっては、すでにいくつかの手段・ソリューションが提供されています。しかし、データ分析のスキルを習得することと、“それをビジネス課題解決に活かすこと”には大きな隔たりがあり、人材育成施策の投資対効果を感じることができない企業様も多いこととお見受けします。
効果を感じづらい既存手段1:E-ラーニング視聴
- 動画視聴だけでは、受け手側に必要性・重要性を感じてもらえない
- 逆に数が多すぎて、どれを受ければ良いか迷わせてしまい、結局何も促せない 等
効果を感じづらい既存手段2:ハンズオン型研修
- 研修が扱う“お題”が実務とかけ離れており、学んだとしても現場で活かされない
- ツールの利用方法などの“How”習得から入っても、それを実務に活かせない 等
効果を感じづらい既存手段3:OJT教育
- 手段1・2がダメならばOJTで育成するしかない、としても、社内でデータ分析に明るい人材は少ないために、教育者不足がボトルネックとなり輩出者を増やせない
- データドリブンな意思決定に馴染みのない企業の場合、そもそも施策として始めづらい 等
既存手段1〜3それぞれにおいて課題があり、故に、組織的な人材育成施策を講じることができず、各部に存在する、データ分析スキルをもった少数人材の“厚意”で、個別育成が進んでしまう状況が散見されます。
そのような状況を放置し、その少数人材の“厚意”に対するインセンティブ設計を怠ってしまうと、、、当該人材の離脱という最悪のケースに向かってしまうことも少なくありません。
データ利活用人材の“育成方法”における、一つの最適解
つまりは、本領域の人材育成施策には、以下の全てを満たすことが求められています。
「データ利活用人材」の育成施策に求められる要素
- データ活用リテラシー向上に直結する、最低限の基礎知識をピンポイントで習得でき、
- 投資に見合う、自分たちの実務課題の解決に直結するテーマを扱うことができ、
- 組織的な視点も加味して、データ利活用人材の育成施策を構築できること
上記全てを満たす一つの最適解として、弊社の「データ利活用ワークショップ」をご紹介いたします。
図1:実務データを用いた研修の進め方
研修の中身のご紹介(抜粋)
さてここからは、弊社「データ利活用ワークショップ」の中身をご紹介いたします!
近日中に動画を公開いたしますので、ご興味ある方は是非そちらをご参照くださいませ。
❶データ利活用人材が押さえるべき、最低限の基礎知識とは何か?
-1)実務課題解決と、分析業務の関係性・構造を理解すること
- 分析とは、あくまでビジネス上の1つの仮説を検証するための1手段に過ぎません。
- 分析した結果を解釈し、ビジネス上の課題解決にどう活かすか、全体構造を捉えることが重要です。
図2:課題解決と、分析業務の関係性
-2)基本統計量を確認することの重要性
-3)仮説“探索”なのか、仮説“検証”なのか?
→近日中に動画を公開いたしますので、ご興味ある方は是非そちらをご参照くださいませ。
❷育成の“投資”に見合うテーマを選定するためにはどうすればよいか?
-1)視座を高める
扱うテーマ・お題が適切か否かを判断するために、視座を高めるための問いかけが重要です。
図3:視座を高めるための問いかけの例
-2)2軸で初期評価を行う
→近日中に動画を公開いたしますので、ご興味ある方は是非そちらをご参照くださいませ。
❸組織的な視点も加味して、データ利活用人材の育成施策を構築するためには?
-1)人材育成の必要性を認識している部門の、「選定」と「巻き込み」
-2)人材育成の中長期ビジョンの構築と、経営層の巻き込み
→近日中に動画を公開いたしますので、ご興味ある方は是非そちらをご参照くださいませ。
“データ利活用人材”育成後、何を見据えるべきか?
育成した人材には、更なるチャレンジの機会を提供することで、組織効力感を適度に感じてもらいながら、自己研鑽・組織貢献に励んでいただくことが望ましいですよね。
データ利活用人材の育成が着々と進んでいる皆様においては、今後はたとえば以下の方向性を見据えて、育成を継続されることをお勧めします。
方向性❶:社内での、データ利活用人材育成のエバンジェリストとしてご活躍いただく
- 組織内でデータリテラシーを向上させ、他部門との連携強化を促すためにも、データ利活用の重要性を広め、データドリブンな意思決定の文化を根付かせる役割を担う
方向性❷:データサイエンティストとして、高度な分析スキルと専門知識を習得いただく
- 高度な統計分析、機械学習などのスキルを習得し、業界特有課題の解決や、データを用いた新たなビジネスモデルの創出等に取り組む
方向性❸:データ戦略の策定等を通じた、更なるリーダーシップの発揮
- データ分析結果を基に、ビジネス上の戦略策定や重要な意思決定を補完する役割を担う
- データ分析プロジェクトのリーダーとして、プロジェクト全体を管理・主導する
- 既存事業にデータ利活用の旨みを組み合わせた、新たな事業創出を主導する
いかがでしたでしょうか。データ分析・活用スキルとは、単なる集計・可視化・ツール利用のスキル有無で判断するのではなく、業務課題を解決するための一手段として位置付けるべきです。しかし、一朝一夕に身につかないことも事実です。
弊社STANDARDでは、そんな難しさを打破できるワークショップ型のデータ活用人材育成ソリューションをご提供しております。知識やツールナレッジの実践を通じて、ビジネスインパクトを創出できる人材を育成したい企業の皆様、ぜひお問い合わせください。